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平成29(2017)年2月4日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第59回概要)

情報公開・個人情報保護審議会(議事録)

第59回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成26年11月21日(金曜日)
東京都庁第一本庁舎42階北側 特別会議室B

午前10時00分 開会

  • 宇賀会長
    皆さんお揃いのようですので、ただいまから第59回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開会いたします。
    本日は7名の委員の方全員にご出席いただいておりますので、審議会規則第4条の規定により、本会議は有効に成立しております。
    それでは、ただいまから議事に入ります。
    「社会保障・税番号制度の導入に伴う東京都における特定個人保護のあり方について」中間のまとめ(骨子案)について、事務局より概略説明をお願いいたします。
  • 高橋情報公開課長
    それでは、ご説明させていただきます。
    参考資料1、クリップを外していただきますとA3が2枚付いておりますが、前回こちらで、諮問させていただきました番号制度導入に伴う個人情報保護のあり方についてご説明させていただきました。
    この流れに基づきまして、今回、骨子ということで骨組みをつくらせていただきました。次回は、ご了承いただきましたらこれに肉付けをしていただくような形で中間のまとめを整理していきたいと思っております。今回の資料につきまして、「こういう項目が足りないのではないか」、また「こういう項目はどうか」ということも含めまして、ご意見、ご審議いただきたいと思っております。
    それでは、資料1をご覧くださいませ。
    参考資料1が前回の資料、参考資料2が番号法そのもの、大変厚いものになっています。参考資料3、これも前回もお配りさせていただきましたが、番号法と私どもの条例との相違点となっていますので、見比べながら聞いていただければと思います。
    まず、資料1の2ページ、目次でございます。
    大きく3つのパートに分けて説明させていただきます。
    まず第1に、新たな条例の制定の必要性について、この辺をきちんと説明していきたいと思います。第2は、新しい条例に盛り込むべき内容はどういうものか。第3につきましては、新しい条例をつくるだけではなくて既存の東京都の条例、これも改正が必要だと考えておりますので、この条例改正のポイントについて。この3つのパートに分けてご説明させていただきます。
    3ページをご覧ください。
    まずパート1、番号法に係る新たな条例等の制定の必要性についてでございます。
    1として、番号法の成立、そして個人情報保護法制における位置づけについてご説明させていただいています。
    説明は、今までの経緯を書いたものですので省かせていただきますが、下から7行目でございます。番号法は個人番号、そして特定個人情報、これは個人番号をその内容に含む個人情報でございますが、これにつきましては既存の制度よりも、一般的な個人情報に対するものよりも厳格な制限を課しているところでございます。そして、この番号法というのは既存の個人情報保護法制、行政機関個人情報保護法であるとか個人情報保護条例であるとかいろいろありますが、これの特別法としての位置づけを有しておりまして、次のページにつながりますが、これまでにない新たな定義や保護措置が規定されているところでございます。
    4ページ、では、どのような定義があるかについてご説明させていただきます。
    2の(1)でございます。
    番号法は、法の2条で新たな定義を幾つも設けております。ア、個人番号。これについては繰り返しになりますが、区市町村長の方で出していくものでございます。これを全国民に付番するということ。イ、特定個人情報。そして、ウ、特定個人情報ファイル、エとオが個人番号利用事務と関係事務となっております。
    利用事務というのはどういうものかというと、行政機関等におきましてマイナンバーを使うことができる事務と位置づけておりまして、これが法第9条第1項で、いわゆる別表1と呼ばれているものがあるんですが、そちらで、例えば税務システムとか住基システムとかで利用するわけですが、これを利用事務と位置づけています。それと別に、オで関係事務というのも決めておりまして、これは法第9条第3項で定めているんですが、例えばこれは民間企業の方でも健康保険であるとか法定調書や源泉徴収でマイナンバーを使うことが想定されています。これを関係事務と定義しているわけです。エの利用事務は今のところは行政のみですけれども、オの関係事務は民間も含まれるという形になっております。
    また、カにありますとおり情報提供ネットワークシステムと言う新しいシステムができるわけです。行政機関、地方公共団体等も含めてネットワークを組みまして、番号法第19条の7というのは別表2というもので、情報提供をやり取りできる事務が定められておりますが、マイナンバーを使って情報を照会したり提供したりする場合には、この情報提供ネットワークシステムのみを使って行うことになっております。ですから、マイナンバーをインターネット等でやり取りすることは禁止されているわけですね。そういう新しいシステムで行われますので、これについても新しい定義ができているわけです。
    5ページ、評価についてです。
    特定個人情報保護評価は、番号法では第26条、第27条に定められております。これにつきましては、このマイナンバーを含む特定個人情報ファイルを保有するものは事前にリスクを分析し、リスクを軽減するための措置を確認して宣言することがこの評価制度なんですが、これをやらなければいけないということが定められておりまして、このPIAと呼ばれる評価制度はもともと海外ではあったんですけれども、日本で法定されたのはこの番号法が初めてとなっております。この評価についても新しい定義が定められています。
    ク、個人番号カードでございます。これは番号法第2条7項で定められているんですが、マイナンバーカードというものがありまして、これは実際、本人確認等にも使われますし、条例で定めればいろいろなことに利用できるものでございます。
    ケ、法人番号。これも番号法第2条15項に定められているんですが、こちらは国税庁長官の方で指定する形になっておりまして、こういう制度も定められているところでございます。
    いろいろな定義だけではなく、いろいろな保護措置についても定められています。(2)でございます。
    前回も繰り返し説明したところですが、マイナンバーにつきましては利用範囲の制限が大変厳しく、厳格に制限されていまして、番号法第9条で定められているもの以外については利用してはいけないとなっています。また、イにありますとおり「マイナンバーの求めの制限」という形で、法第19条に定めている場合を除きまして、他の人にマイナンバーの提供を求めることが一律に禁止されているところでございます。
    ウ、提供の制限ということで、6ページの冒頭にありますが、これも法第19条に定める場合以外には提供が一律に禁止されています。
    エにありますとおり、集めたものの収集・保管につきましても制限が一律に禁止されております。
    オに「情報提供等の記録の作成及び保存」と書いてありますが、こちらは先ほどご説明しました情報提供ネットワークシステムでやり取りした場合に、情報提供にかかわる記録、簡単に言うとアクセスログですね。アクセスログを一定期間保存しなければならないということが第23条でも定められております。
    また、繰り返しになりますが、評価の実施につきましてもやらなければいけないことがカに定められていますし、任意代理人による開示請求等、これが新たな考え方として入っています。そして、保護措置の1つとして、クにありますとおり国に第三者機関、特定個人情報保護委員会を設置して必要な措置を講じること、そして、その責務が定められているところでございます。
    その上で、この番号法が東京都の個人情報保護制度にどのように影響を与えるかということについて、6ページの3でご説明させていただきます。
    番号法は、こちらにありますとおり新たな個人番号、法人番号を付番して情報提供ネットワークシステムという新たな情報連携の仕組みを利用することによりまして、行政運営の効率化、国民負担の軽減を目的としております。都の条例は、都政の適正な運営と個人の権利・利益の保護を目的として、基本的にはオンラインによる個人情報の外部提供は原則禁止となっておりまして、この2つの制度には、全く明確な視点の相違が認められるところでございます。
    また、番号法は既存の個人情報保護法制の特別法という位置づけで設けているわけです。そういう形で、7ページにありますとおり、さまざまな形で一般の個人情報よりも厳格な保護措置を規定しておりまして、さまざまな形で目的外利用とか提供について厳しく制限し、評価という新しい制度を設けて、それによって国民の安心・安全の確保を図っている、そういう制度でございます。ですので、2段落目にありますとおり、やはり既存の都条例における一般的な個人情報とは大きく異なるものと解さざるを得ないと考えておりまして、もし都条例の改正によってこれに対応しようとした場合、1つの条例の中に別個の2つの制度が併存する。そういう形になりますと、都民にとっても職員にとっても大変理解しづらい、複雑な条例になってしまうと危惧しておりまして、それは制度運用、実際使う立場としても相当な混乱が予想されるのではないかと考えています。
    3段落目にありますとおり、個人情報の定義についても大きな問題を抱えておりまして、番号法は第2条3項で「個人情報」の定義を定めているところでございます。どのような定義かと申しますと、行政機関、この場合は国のことを指しますが、国の保有するものについては行政機関個人情報保護法、そして独法の場合は独立行政法人個人情報保護法というものを定めて、そちらの定義に合わせることになっているんですが、真ん中辺にありますとおり、行政機関及び独立行政法人以外のものが保有する─実はここに地方公共団体が入ってしまうんですね。その場合には個人情報保護法が適用されると規定されています。
    これに基づきますと、地方公共団体では、個人情報保護法における個人情報の定義が適用されることになります。では、それは個人情報保護法ではどのように定められているかといいますと、そこの「」内にあります「他の情報と容易に照合することができ、」これが個人情報保護法における定義なわけです。
    しかし、次の項目ですが、東京都の条例には「容易に」という言葉はございません。つまり、行政機関個人情報保護法と独立行政法人個人情報保護法と同じ形になっているんですね。当たり前ですよね。国や独法が持っている個人情報が東京都に来たら変わってしまうというのは、通常あり得ないと考えておりますので、行政機関個人情報保護法と東京都の条例は一緒になっているんですが、個人情報保護法、これは民間に適用されることもありまして、「容易に」という言葉が入っているわけです。
    この「容易に」という言葉が入るとどうなるかといいますと、個人情報の範囲の問題になってくるんです。番号制度において適用される個人情報の範囲が、「容易に」という言葉がないと、より広範なもの、範囲が広いものになっているということで、今の条例と番号法のほうで不一致が生じているわけですね。では、もし仮に東京都の条例を番号法に書いてあるとおりに改正して、個人情報の定義の考え方を今よりも狭くしますと、つまり個人情報の範囲が狭くなる、制度全体として見た場合、個人情報保護制度の後退につながると考えているところでございます。
    今、国のほうで個人情報保護法の改正が検討されていますが、要はグレーゾーンであるとかパーソナルデータであるとか、そういうところも含めて、やはり個人情報というものを守っていこうという流れの中で、逆に東京都の条例を改正する形になりますと逆行するような形で、より個人情報を狭く捉えるような形に流れてしまうわけです。我々としては、このような大変根本的な定義について問題があると思っているところでございます。
    4番、課題について整理させていただきました。
    5つ挙げさせていただきましたが、この課題は都条例との違いを挙げているものでございます。
    (1)が、今、ご説明させていただきました個人情報の定義をどうするかということについて、これを明確に規定する必要があるだろう。
    8ページ、(2)でございます。これは繰り返しになりますが、都条例におきましても、目的の範囲を超えて利用・提供することは原則禁止としています。ただし、本人の同意があったり所定の例外事由がある場合、法律で決まっている場合には、利用・提供は弾力的に認められているわけです。その一方で、番号法では利用については原則禁止、極めて厳格な例外事由しかない。そういう形で、目的の内外を問わず一切の利用禁止という形になっているわけです。この辺が都条例と番号法で大きく異なりますので、利用・提供する場合にどうするか、これについて対象となる条例の範囲や制限の内容の相違について整理する必要があるだろうと考えているところでございます。
    (3)都条例においては、オンラインによる個人情報の外部提供を原則禁止とさせていただきます。もちろん例外もございます。ただし、番号法においては逆に情報提供ネットワークシステムによる個人番号の情報連携がメインになっていますので、原則可というか、オンラインを使いなさいという形になっております。この真反対のものを、これもまた整理する必要があるだろう。
    (4)にありますとおり、番号法では開示請求については独自の規定を設けておりません。住基ネットにつきましては住基法で開示請求について決められているんですけれども、番号法では決められておりませんので、これをどのように開示していくかも、やはり整理していく必要があるだろう。
    (5)、先ほどの開示請求でございますが、番号法では任意代理人を認めていますが私どもの条例では任意代理人を認めておりませんので、それを整理する必要があると考えています。
    そこで「5、都における条例整備の考え方」を書かせていただきました。
    まず、番号法は第5条に地方公共団体の責務を設けておりまして、特定個人情報の取扱いの適正を確保するために必要な措置を講ずることが定められているところでございます。これで地方公共団体に、この制度全体についての必要な措置を講ずることが義務づけられています。
    また、同法第31条では、9ページにありますとおり、開示とか訂正とか利用停止、そういうものについて適正な取扱いをすることが定められているわけでございます。
    9ページの2段落目にありますとおり、番号制度の導入というのは、やはり国民一人一人に番号が付番されるということ、そしてその情報が提供、照会されるということ、マイナンバーカードが発行されて、これが身分証明や電子申請に使われるということから、やはり住民の権利義務関係に重大な影響を及ぼすものだと考えております。
    このような制度につきましては、やはり地方公共団体が番号法に基づき講ずる措置、これを原則として条例で定めるべきではないかと考えているところでございます。もちろん規則で定めるとか、指針やガイドラインで定めるという方法もあると思いますが、やはり権利義務に影響があるということを考えますと、原則としては条例で何らかの形で定めるべきだろうと思っているわけです。
    これまで説明してきたような課題がたくさんございます。これに対応するために条例を改正するとした場合、私どもの条例、平成3年に成立してから四半世紀運用し、安定した制度運用を行っていると自負しているところでございますが、これが既存の個人情報保護制度にも混乱を生じさせてしまうのではないかと懸念しております。そういうことになりますと、現行の条例の大幅な改正は必ずしも適切な対応ではないのではないかと考えているところでございます。
    そこで、東京都においては、都民にとってもわかりやすい制度の構築、制度運用における混乱を防止するために、都政の適正な運営、そして、都民の権利利益の保護を図る観点から、やはりこれにつきましては新たな条例を制定し、同時に、現行の都条例についても必要に応じて規定の改正を行う必要性があると考えているところでございます。
    6番です。
    新条例の基本的な方向性についてご説明させていただきます。
    5項目挙げさせていただきました。
    (1)は、定義について。これまで説明しましたように、さまざまな定義について齟齬がございますので、きちんと定義を定める必要がある。その際には、都の実情に合わせた規定を設けいかなければいけないと思っています。
    (2)はマイナンバーの収集・利用・提供等の制限についてです。これにつきましても制度上、既存の条例と区分を行った上で、新条例で整理を行う必要があると思います。
    10ページの(3)、再委託でございます。前回もご説明しましたとおり、都条例では書いてはいないんですが、今まで知事通達で原則禁止としていました。番号法では再委託が認められております。こちらにつきまして、再委託を許容する旨の規定を新条例で定めるとともに、都条例につきましても何らかの形で見直しが必要かなと思っているところでございます。
    (4)は開示請求につきまして、番号法第29条では、国の行政機関個人情報保護法、独立行政法人個人情報保護法の規定を読み替える形で開示請求を定めております。地方公共団体の条例にはその読み替え規定がございませんので、これについて番号法第31条、先ほどありましたように利用や開示について必要な措置を講ずることと定められておりますので、その措置の1つとして整備することが必要だと思っております。
    また、番号制度ではマイポータルという仕組みもございまして、その関係からも、任意代理人による開示請求を認めておりますが、この任意代理人による開示請求につきましても既存の都条例では認めておりませんので、こちらも制度として齟齬がないような形で定めていく必要があると思っています。
    (5)は評価についてです。法律、そして指針、規則によって評価が義務づけられております。そして、指針等の解説がございますが、それだけでは東京都で実際に評価を実施するには難しいので、こちらにつきましては具体的な規定等を整備する必要があると思っております。
    11ページにございますとおり、この評価というのは私どもも初めて取り組む新しい制度、そして、この保護措置としては非常に重要な役割を担うものでございますので、これにつきましても、詳細な規定等を条例・規則等で定めていく必要があると考えているところです。
    前々回、7月の審議会で、この評価につきましては第三者点検の実施を審議会の審議事項として追加する旨、ご了承いただいたところでございます。これを受けまして、もう今月にも始まります第4回定例議会におきまして、この情報公開条例の該当条文、審議会の審議事項の追加について改正を行う予定でございます。
    これにつきまして、本来ならば事前に評価についても条例で定めることが望ましいとは思いますが、平成28年1月にはマイナンバーの利用が開始されるということで、その事前に評価を実施する必要がある。そのため東京都としましては、具体的な第三者点検につきましては、来年1月からもう実施していきたいと考えているところでございます。本来であれば、事前に評価にかかわる関係規定の整備が行われているべきではございますが、これまでも説明しましたとおり、国の委員会規則の指針が出てきたのが今年4月だったということ、そして、その他の関係法令の整備も国の方で大変遅れている状況でございます。このマイナンバーをどの事務で情報提供できるかという、別表2の主務省令というのがありますが、それがまだ出てきていないので、結局、具体的な事務が、何が情報提供できるのかまだよくわからない、そんな状況にもなっております。そのような大幅な遅れになっておりますので、今回、評価につきましては先行して実施せざるを得ないということで、スタートしていく予定でございます。
    繰り返しになりますが、評価につきましてはちょっと先行しまして、平成26年10月から準備をスタートしまして、12月の条例改正を経まして、来年1月からは審議会の評価部会における第三者点検をスタートする予定でございます。
    先ほど追加の資料を配らせていただきました。平成26年11月20日付のプレス資料でございます。「住民基本台帳ネットワークシステムにおける評価書に関する都民等の意見募集の実施について」という資料です。マイナンバーのウサギが付いています。これがマイナちゃんというキャラクターになっております。ちょうど評価をしまして、昨日から都民意見の募集がスタートしています。1カ月間意見募集をした上で、第三者点検が1月からスタートする、そのようなスケジュールになっているところでございます。こちらについてはご覧いただければと思います。
    12ページをご覧ください。
    パート2、新条例等に盛り込むべき内容についてご説明させていただきます。
    まず1、条例の目的でございます。
    条例の目的としまして、既存の個人情報保護条例の目的とは異なりますので、これについては東京都における新条例の目的、基本的なルールについて定める必要があると考えております。
    2番、保護措置について定める必要があると思っています。
    まずは(1)にありますとおり、特定個人情報そのものの定義をきちんと定めるということ。そして、特定個人情報だけではなくて、この特定個人情報を、開示請求の対象となる保有特定個人情報、または評価の対象となる評価対象特定個人情報と細分化して考える必要があるのではないかと思っております。
    (2)が利用範囲でございます。利用範囲についてはさまざま厳格な制限がありますので、これに基づいて条例のほうでも定めていかなければいけない。それと同時に、独自活用する場合にも条例で定める必要が生じます。また、ウにありますとおり、委員会で定めました評価の指針がございますが、この中に「特定個人情報の移転」という言葉がありまして、これが大変わかりづらいんですが、同一機関内において利用する場合には条例において規定の整備を行うべきであると定められておりまして、ちょっと特殊な考え方だと思うんですが、これが番号法独自の考え方でありまして、これにつきましても規定を整備しなければいけないわけです。
    (3)、利用につきましても原則禁止されていますので、厳格な規定を設けた上で、かといって事務をやる上で必要なものにつきましては、例えば同一機関内で利用する場合にも規定の整備が必要だと考えております。
    13ページには提供について書かれております。これも提供について厳格な規定を定めるとともに、条例で定める場合には同一地方公共団体の異なる機関に対して提供を行うことができますので、それも何らかの形で規定を整備する必要があります。
    「同一地方公共団体の異なる機関」というのはわかりづらいんですけれども、簡単に言うと、知事部局と教育委員会でやり取りする場合は異なる機関という位置づけになりますので、そういう定めが必要なわけです。
    (5)が、開示請求につきまして。これも規定を整備した上で任意代理人の取扱いを決める必要があります。
    (6)、非開示理由でございます。これはまだまだ検討中のところもあるんですが、幾つかやはり課題があると思っております。番号制度の導入におきまして、大きく影響が出ている点を2つ挙げてみました。
    まずア、開示請求者以外の特定個人情報につきまして、マイナンバー等についてはどうするか。やはり、開示請求者以外の特定個人情報が含まれる場合は当然考えられます。例えば、固定資産台帳で共有名義の方であるとか、そのように、普通の個人情報の中には他者の情報が入っている場合もしばしばございます。こういう場合、マイナンバーについては極めて厳格な取扱いをしているにもかかわらず、それをどのように取り扱うか、その辺がはっきりしていない。これは番号法の趣旨を考えますと、やはり請求者以外の特定個人情報については、もちろん開示してはいけないわけですので、厳格に取扱いを決めていかなければいけない。ですので、新たな非開示理由を新条例で設ける必要があるのではないかと考えているところでございます。
    またイ、代理人との利益相反です。東京都の個人情報保護条例につきましては、本人と法定代理人の利益相反が明確に認められる場合には、条例第16条8号で非開示にすることが定められているところでございます。この本人と代理人が「明確に」と言えない場合なども生じるかと思います。このような場合も、やはりこれにつきましては非開示とする旨、ましてや今回は任意代理人も認められてしまいますので、新条例で何らかの規定を定める必要があるのではないかと考えているところでございます。
    14ページの(7)、再委託につきましても、今まで原則禁止としていた運用をやはり見直し、何らかの規定を設ける必要があると思います。
    そして、(8)にありますとおり、評価につきましても基本的な考え方につきまして、法や規則を踏まえて新しい条例で規定を整備すべきと考えているところでございます。
    15ページ、パート3でございます。
    都条例についても改正が必要だと思っております。さまざまありますが、大きく4つ挙げさせていただきました。
    まず1、オンラインによる保有個人情報の提供について。
    都条例第11条2項では、基本的にはオンラインによる保有個人情報の外部提供を禁止しております。「必要な措置を講じられている場合を除き」という形になっております。一方で、番号法については基本的に情報提供ネットワークシステムを通じて行うこととしています。つまり、オンラインのほうが原則という形になっているわけですね。もちろんこの条例をつくった平成3年にはオンライン原則禁止というのも考え方としては当然だったと思いますが、今の情勢の変化も含めまして、都条例につきましてもオンライン提供に関する考え方について、原則禁止から原則可能にし、例外事由である「必要な措置が講じられている場合」につきましては、これを適用要件とする形でもう一度見直す必要があるのではないか。ICT技術の急速な進展に鑑みまして、ここも見直す必要があるのではないかと考えているところでございます。
    2番目です。利用・提供について。
    番号法に伴う検討をしている中で、私どもの利用・提供のところも見直さなければいけないかなと考えております。都条例では、目的外利用、目的外提供が同一の条文の中に入っているところでございます。「目的外利用」が同一実施機関内で行われる場合、「目的外提供」が異なる実施機関内で行われる場合ということで、同一の条文の中なのですが、番号法のほうは利用と提供を明確に区分しております。それを考えますと、都条例におきましてもやはり利用と提供を明確に分けた取扱いをするように、別々の規定を設ける必要があるのではないかと考えているところでございます。
    3番、法定代理人における開示請求における利益相反についてでございます。
    先ほど新条例の方でもちょっと説明させていただいたんですが、既存の条例では、本人と法定代理人の間に明確な利益相反の関係がある場合には非開示とすることができるんですが、そういう場合には、やはり本来ですと請求自体を認めない規定も考えるべきではないかと。
    本人と法定代理人の間に明確な利益相反がある事例というのは最近、大変増えてきております。具体的には、例えば児童虐待の場合に、虐待した親御さんの方がお子様の情報を法定代理人として請求する場合。法定代理人ですと本人、子供の立場になりますので、いろいろな情報が開示されてしまうんですね。そういう場合は法定代理人との利益相反で非開示にして対応している事例。また、DV等でお母様がお子様を連れてシェルターに逃げられている場合等に、探索する目的で請求される事例。そのような請求が最近増えております。この場合において、やはり本人の利益を守る形で制度設計を、きちんとしていかなければいけないと思っているわけです。
    16ページの上の方にありますとおり、今の事例等におきましても法定代理人間、例えばご両親であるとか─の間で紛争が生じること等もしばしばあるかと思います。最近増えてきましたこのような事例に対して、きちんとした非開示理由につきましても制度設計していかなければいけないと思っているところであります。
    16ページの最後、再委託についてでございます。
    再委託につきまして、現行の都条例では条文上、明記されておりません。ただ、番号法については再委託が認められる要件が条文上、規定されているところでございます。近頃、再委託先における漏えい事故は増えているところでございます。ベネッセの事例も含めますと、再委託先における適切な管理体制を構築することも含めて制度設計していかなければいけないだろうと。
    ですので、都条例におきましてもこの番号制度導入に合わせまして、原則的に再委託を認める方向で検討した上で、その上で再委託先への監督責任の明確化、必要な措置を講ずる、これについて明文化する方向で検討するべきではないかと考えているところでございます。
    以上、新条例を整備する必要性、そして、新条例に盛り込むべき内容、都条例の改正という3つのパートに分けてご説明させていただきました。
  • 宇賀会長
    ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
  • 藤原委員
    ご説明どうもありがとうございました。
    個人情報保護条例の改正でやるのか、新条例をつくるのかという問題です。
    前回、私は賛成の方向だったわけですけれども、高橋会長代理のほうから、定義等のことはわかるのだけれども、住民としては両方わかりにくいのではないかというお話と、個人情報保護条例の中で特定個人情報については違うということを書いて、分量が増えても、それでも大丈夫なのではないかということで、余り説得的な理由が挙げられていないのではないかというお話をいただきました。宇賀会長からは、特定個人情報に関しては「これだけを見ればわかる」という形にしないと、両方見ないといけないのでは余り意味がないということと、開示請求権等についても住民にとって二度手間になるような形にするのは望ましくないというお話があったと思います。
    私もそのとおりだと思ってもう一度いろいろ考えてみたのですけれども、要するに、個人情報保護3法と番号法の考え方というのは、これは今の説明にもありましたように、一般法と特別法の関係になっている。では、番号法の中で個人情報保護をどうやっているかといいますと、これは特別法ですけれども、一般法と連携しながら個人情報保護が図れるようにしている。
    具体的には今日の参考資料2の33ページ以下をご覧いただくと、33ページから50ページぐらいまで、2つの法律をこう読み替えて番号法において個人情報を守るんだということが書いてあります。そして、51ページに行って、地方公共団体等が保有する特定個人情報の保護も同じような趣旨で必要な措置を講ずるということが書いてあるわけですね。ですから、国の方は行政機関法、独法、それから親法である個人情報保護法があることを前提にして、その3つの特別法として番号法があって、その番号法の中では必ずしも個人情報保護がそこで完結しているわけではなくて、読み替え等で補完して、見ればわかるという形になっているんですね。
    これを条例で考えるとどうなるかというと、東京都の個人情報保護条例があって、その中に番号法で要求されている措置をいろいろ書き込むか。個人情報保護条例の改正ですよね。そうするか、特別のものと言うかどうかはともかくとして、別制度として位置づけるか、そういう問題が起こる、そういうお話だと思うんですね。
    そのときに、冒頭で申し上げた前回のご指摘をいろいろ考えてみたのですけれども、確かにわかりやすさという視点と、もう一つは正確性という視点が重要だと思うんですね。わかりやすさと正確性という視点で考えてみますと、これは座長も執筆しておられる「番号法の解説」という本がありまして、立案関係者が「個人情報保護条例の改正でいくとこうなる」といったことを書いているのですけれども、例えば目的規定のところはどういう解説がしてあるかというと、この条例は何々の目的でというとき、個人情報の保護が重要であるということを書くときに「個人情報」と書いて、その後ろに「(個人情報に該当しない特定個人情報を含む)」と。要するに、これまで条例で守ってきた個人情報と、今度はプラス番号もですから─番号の付いた個人情報ですね、マイナンバーの付いた個人情報。特定個人情報も含むと括弧で書き足して、そして続ける。
    しかし、ここにも書いておられますけれども、そのように括弧で括るような改正を行うと、かえってわかりにくくなるおそれもある。目的規定なのだから改正しないという手もある。しかし、それは執筆者も書いているように正確ではないんですね。正確ではないけれども、わかりやすさという点から言えば今のままにしておくという手もある。そういうことが書いてあるんですね。これは一例です。
    しかしながら、やはり条例等をつくるときに、その正確性は、都として、法制執務的な観点からもおろそかにすることはできないだろうと思うんですね。そういうところから始まって、先ほど高橋課長の説明にあったような点を改正しておこうとすると、恐らく括弧書きにするか、例えば「第9条の2」とか「○条の2」という枝番号をどんどん入れていく形になると思うんですね。そうすると、わかりやすさという点ではどちらがわかりやすいかというと、どちらも余り違わないとしても、一緒にしたところで入れ込んで括弧とか枝番号がどんどん出てくるのも分量が増えて、やはり結構わかりにくいというイメージがある。何よりも、正確性ということを言うのであれば別に抜き出したほうがいいのではないかということなんですね。
    それはどうしてかというと、例えば個人情報の範囲という、今日、課長が随分強調しておられたところの容易照合性というのは、別紙1に書いてあると思います。17ページの別紙1をご覧いただくと、個人情報の範囲が、東京都の条例と点線で囲まれている番号法上の個人情報で違うんだということ、要するに番号法は民間に合わせてあるので「容易」にということが書いてあるけれども、東京都の条例には書いていないから、情報を照会したり調査することでだれのことかわかってしまうからということで、その分、個人情報の範囲を広くとって守らなければいけないことになっているというお話だったと思います。
    もちろん、この点は、条文の上でこう書いてあるといっても実務での取扱いとか解釈が、条文では「容易」と書いてあるけれども逆に厳しくやるんだとか、あるいは逆に「容易」とは書いていないけれども、東京都が民間と同じにするんだと言えば一致はするわけですね。それは各自治体のやり方だと思うんですね。ただ、東京都が違うという前提に立って実務をしておられるとすると、同じとは扱えないと思うのですね。同じとは扱えないとすると、定義も違ってくる。定義が違ってくるとすると目的規定以下、やはり丸めて書くわけにはいかなくて、厳密に書く必要があるんだろうと思います。特にこの容易照合性については、今、行政機関個人情報保護法であるとか個人情報保護法の改正問題が議論されていますけれども、再びパーソナルデータというものとの関係でクローズアップされているところですので、きちんと書いておいたほうがいいのかなと思うわけです。
    そうすると、正確性とわかりやすさという視点ですけれども、いろいろ枝番を入れたり括弧書きにするよりは、「特定個人情報に関してはこれだけを見ればいい」というのならば全部抜き出して一覧にしてしまったほうがいい。1編、2編にするか個人情報保護条例と番号条例にするか、そこは一緒ですから番号条例ということでもいいのではないか。
    あとは、確かに住民が開示請求などするときには二度手間にならないという工夫をしておくということで、特別なものは抜き出すような形で新しいところをつくっておいたほうがかえって正確でもあるし、繰り返しますけれども、わかりやすいのかなという、そういうことです。
    今、申し上げたのは要するに、個人番号がついてくると、その個人情報は除くんだとか前条は適用しないんだとか、あるいはこれも含むんだとかいちいち書き込むよりは、1つにまとめてしまったほうがいいのではないか。そういう意味で、番号法対応としてわかりやすいし、かつ正確性を期するためにも、前回も申し上げたように、基本的には今度の条例のみで番号制度の運用をすることができるようにしておいたほうがいいのではないか、そのように思って、前回同様、新条例ということでいいのではないかと思います。
  • 宇賀会長
    ただいま藤原委員からは新条例の整備方針に賛成する旨の意見がありましたけれども、他の委員の方、いかがでしょうか。
  • 中村委員
    私も前回、これまでの経験から、開示請求はどのようになるのかというところからお聞きしましたが、なかなかまだわかりにくい。番号法では個人番号を含む個人情報が特定個人情報とされていて、その定義では制度の運用で混乱を生じるから、やはり新条例でさらに定義を追加したほうがいいという説明ですね。
    そして、開示請求の対象として、今度は保有特定個人情報を対象として、評価対象特定個人情報という定義をそれぞれ設けなければならないということでした。もう一度お聞きしますが、法律で規定されている特定個人情報という番号を含んだものですね、その定義だけでは制度の運用は難しい、そういうことですね。その辺の理由をもう少し詳しく伺いたいと思います。
  • 高野個人情報係長
    ご説明させていただきます。
    先ほど藤原先生からご指摘のありましたページ、17ページの別紙1をご覧ください。
    後段のほうに「特定個人情報の範囲について」という図があると思います。番号法は、この「特定個人情報」という言葉を1本で使っているだけなのですが、実際には、私どもが整理いたしますと特定個人情報保護評価の対象となる特定個人情報ファイルというものを構成するデータ、これも特定個人情報だと思うのですが、これが最も広い範囲のものとして捉えられていて、そして特定個人情報という基本的な考え方の中に、開示請求の対象となる特定個人情報の範囲がさらに限定されるべきなのではないかと考えております。
    18ページの別紙2をご覧ください。
    特定個人情報ファイルの考え方です。
    まず一番上、国が今回、特定個人情報保護評価の対象となるものを「特定個人情報ファイルを使う事務」と言っているわけですが、その特定個人情報ファイルというものの考え方なのですが、国は評価の対象として、そこの図にありますとおりAのサーバ、これは例えば一般的な業務で使われている事務を処理しているシステムが入っているものだとお考えください。その中で、これまでどおり通常の個人情報と、それから例えばAさん、Bさん、Cさん、Dさんといらっしゃるときに、それぞれに1番、2番、3番、4番と便宜上、識別番号を振って今までどおり業務をやっている、システムが入っているサーバがAサーバだといたします。
    今度、個人番号を使うことになりましたので、情報提供ネットワークシステムにつながっていくに当たって、地方自治体の中でいろいろと整理していかなければならない。Bサーバというのは、これまで各業務システムが使っていた、先ほど申し上げたAさん、Bさん、Cさん、Dさん、1番、2番、3番、4番というものに対してですけれども、これは例えばある事務ではAさんには1番という番号が振られていたけれども、別の税のシステムではAさんは実は5番という番号が振られていた。福祉の事務では同一のAさんは7番という番号で整理されているといったものを、まず1つにまとめなければならないだろうということで、一たんAさん特有の番号ということで、宛名番号をつくる必要があるだろう。そういう整理をBというサーバの中で行った上で、実際に個人番号というものとAさんの番号を結びつける必要があるだろうということで、Cという別のサーバの中でまたそういった処理をしているといったものを典型的な例として挙げさせていただきました。
    これを、評価するときにはABCそれぞれのサーバにあるAさんに関するデータを全部連携して、1つのものと見なして、これを特定個人情報ファイルという名称にして評価の対象としなさいというのが国の考え方でございます。
    ところがこれを、概念はちょっと違うのですが、一般的な事務ということで中身のデータ等は全く違う話になりますけれども、考え方としてわかりやすくご説明させていただくために、開示請求の対象となる場合の考え方を別の観点から捉えてみようと思います。
    例えば、民間のお店の売上ということを考えてみてください。10月、11月、12月のそれぞれの売上が、それぞれ別々の帳簿としてファイルで管理されているとします。これは紙のファイルだと思ってください。10月にも11月にも12月にも、Aさんは何らかの物をそのお店から買っていたということで、Aさんのデータがそれぞれの紙のファイルの中に入っています。お店としてはこれを処理していくに当たって、Aさんはお得意さんなので、では、Aさんへの売上は合計で幾らになるのか、それぞれの紙の帳簿を見ながら電卓を入れて計算して、最終的に「Aさんの売上は幾らです」という処理をしている例を考えていただければと思います。
    国の場合、この紙のファイルに入っているもの、別のこのファイルに入っているもの、更に別のこのファイルに入っているもの、それぞれのAさんのデータを全部連携して、1つのAさんのデータとして扱いなさいと。これは評価という考え方においてはセキュリティ、漏えいとかそういったものの事故をなくすために厳重なセキュリティ的な考え方をするという意味で、広く対象を捉えることに関しては全く問題がないのですが、開示請求という制度をお考えいただきますと、従来の開示請求は、例えば公文書上に記録されているものの開示請求は、あくまで同一の公文書の中に記録されている一連の個人情報について、これを自分の情報として開示請求するというものになります。
    ですから2段目をご覧いただきますと、特定個人情報ファイルに関するA、B、Cそれぞれのサーバについて、Aさんが自分の保有特定個人情報についての開示請求をするよとお話をされたときに、Aサーバの中は今までの業務情報で、あくまでこれは、この例で言いますと個人情報とAさんのそれぞれのシステムにおけるユニークな番号として振られている、例えば1番とか5番とか7番というデータしかありませんので、Aサーバは単独で見ますとAさんとしての特定個人情報、すなわち個人番号を含む個人情報は入っていません。Bサーバ、Cサーバについては個人番号につながる番号が入っておりますので、そこについてはあると思いますが、単独でそれぞれ開示請求を考えると、Aのサーバの中にはAさんの特定個人情報は含まれていないということになります。
    もっと広げて、特定個人情報ファイルという先ほど申し上げた考え方でいきますと、国はA、B、Cのサーバを全部同一の特定個人情報ファイルと見なして、その中に一連のAさんのデータがあるという考え方になります。ところがAサーバ、Bサーバ、Cサーバは物理的に別々のものでございますから、先ほど申し上げたように紙のファイルで言えば10月の帳簿、11月の帳簿、12月の帳簿でございますから、それぞれの10月、11月、12月の帳簿をAさんの部分のデータだけはさみでチョキチョキと切り取って、これを1枚のものとしてセロテープで張って、そういうイメージになってしまいますが、それは既存の制度の考え方とは全く異なる部分がございますので、そういう考え方からすると、やはり開示請求の対象となるものは、あくまで同一の公文書上に存在する特定個人情報でなければならないだろうということで、ここでもう既に特定個人情報の考え方として、開示請求の対象となる保有特定個人情報という考え方と、評価の対象として国が考えている特定個人情報ファイルを構成するデータとしての評価対象特定個人情報を分ける必要性があるのではないかと考えているところでございます。
  • 中村委員
    ご説明で国の法律は実際に運用する側の地方公共団体でやってきた実務の内容を、きちんと理解していないような印象を持つわけです。保護評価をすることと、開示請求ということが、一つの制度の中に規定されているにもかかわらず、特定個人情報の範囲の整合性がとれていないということですね。やはりここは制度を運用する上では、対象となる情報について定義を分ける必要があるということですね。
    それと第2に、確かに、これまでの開示請求という制度では、別々の公文書に書かれている情報を切り取り、それを張り合わせるなど、そういうことは絶対に行政側の仕事としてはいないはずですし、そこにいろいろな操作の手が加わることを防止するという意味で、今ある情報を、ありのままに出すという開示の仕方をするのが大原則であったはずですね。
    ですから、説明されたように、別々のサーバにある情報をつなぎ合わせるということは運用する側の開示請求の内容としてなじまないという懸念も含めて、別の制度としてつくるべきではないかという気がいたします。
  • 宇賀会長
    中村委員も新条例の整備の方向に賛成ということですか。
  • 中村委員
    はい。都民にとっても分かりやすく、運用上の矛盾を避ける意味でも、新しい条例で番号制度について総括的に規定していくのがいいのではないかと思います。
  • 高野委員
    まず、この問題、今、この審議会が議論していることは非常にタイムリーだと思っております。
    先ほど高橋課長の説明の中にもありましたように、実は経済界にとりましてもこの問題は、ビッグデータの視点の中で大変な問題として、恐らく民間がどのようにして利活用できるのか。これはビジネスという意味でですね。そういう意味では非常に重要な事案だと思うんですが、高橋課長が先ほどおっしゃったように、やや国が、第三者機関のことについてもまだ何も言及がないとか、我々のこの審議会と国のスピードがちょっと合っていないような感じがいたしております。もちろん議論はすごくタイムリーだと思うんですが、その辺のことも同時に、また行政の方も国と交渉していただくとよろしいのかなと思っています。ビジネス界というか、経済界にとっては非常に重要な問題でありますし、まして個人の情報が変に安全を失うということは大変な問題でありますので、その点、また、意見というよりお願いに近いんですが、以上です。
  • 宇賀会長
    前回の審議会で中村委員から、代理人のなりすましについてのご意見がありましたけれども、その防止策については、事務局としてはどのようにお考えでしょうか。
  • 高野個人情報係長
    ご説明させていただきます。
    代理人のなりすましの問題でございますが、従来、東京都の条例では代理人というのは、先ほどご説明させていただいたとおり、法定代理人のみを代理人として認めておりました。この場合には確認するのは非常に容易で、例えば戸籍であるとかそういったものを確認することによって、少なくとも法定代理人であるということに関しての確認は可能だったわけです。
    ところが今回、任意の代理人ということでございますので、その代理人であるかどうかに関しては、原則的には委任状ということになろうかと思いますが、実際上、委任状についてはさまざまな問題があって、偽造といったことも実務の中で現に生じている状況にございます。
    そういった中では、これほど厳格な取扱いが求められている個人番号や特定個人情報について、任意代理人が開示請求をすることに関して、そのなりすましを防止する場合についてはどのような対策があるかということでございますが、大きく2段階の考え方があるかと思います。
    まず1段階目といたしましては、開示請求を受け付ける時点についての対策でございます。これは代理人の方が委任状を持って「だれだれさんの代理人として来ました」と。そして特定個人情報の開示請求をしますというお話になるわけですが、そこで代理人の方から請求があったということを、それは紙であれ何であれ、ご本人に対してそのことを通知して確認を求めるということが1つあるかと思います。これが請求時におけるなりすまし防止の第1点目の対策かと思います。
    第2点目でございます。
    次に、請求を受け付けた後、具体的に対象となる特定個人情報の開示、非開示の判断をして、開示なら開示という判断をした段階で、実は一般的な個人情報でも同様ですが、請求されるご本人が必ずしも行政が持っている特定個人情報の内容を熟知しているとは限らないわけですね。ですので、ご本人も実際上、どういった情報が含まれているかをよくご存知ない状態において、任意代理人の方にその開示請求をお願いするという事態も考えられると思います。この点で、まず単純に代理人のなりすましという点についての対策とともに、具体的に任意代理人に本当にその情報を開示してしまっていいのですねという確認という意味も含めて、そこで改めて開示の決定をした段階で、ご本人に対して「これこれこういう開示を行います」という通知をさせていただくといった点が2つ目の対策として考えられます。
    これは現行の都条例においても、法定代理人とご本人との間の利益が一致しない場合、つまりご本人の利益を法定代理人に開示することで害してしまうような場合については非開示とするという考え方でございますが、法定代理人と通常のご本人との関係は、一般的には利害関係が一致している場合が大半でございまして、先ほどご説明させていただいたような極めて限られた場合に、そういった利害が一致しないという状況が生まれてくるわけです。
    一方、任意代理人の場合には、どういう関係があるかは一切わかりませんので、どういった内容のものがご本人と代理人との間で利害が一致しないのか、場合によっては代理人の方に開示してしまうとご本人の利益を害するのかを判断するのが容易ではございません。そういう意味において、代理人の方に「こういった情報を見せていいのですね」という確認の意味も含めて、開示の段階において「これこれこういった情報を代理人の方に開示しますよ」というご通知をする、こういった2段階の対策が考えられると思います。
    ただ、両方を全部行うかどうか、そういったことについては具体的な事務の煩雑さとかそういったものも検討しなければなりませんので、これは今後、その方法を組み合わせるのか片方をもって終えるのか、そういったことについて改めて検討していきたいと考えております。
  • 宇賀会長
    他にご意見ございますでしょうか。
  • 藤原委員
    さっきおっしゃった新条例に盛り込む内容ですけれども、項目自体はここに書いてあるようなことでいいのかなと思います。
    ただ、今ほどご議論になった保有特定個人情報とか新しい評価対象特定個人情報ですか、そういったものについてはもう少し詳しく加筆していただいて、わかりやすい説明にしていただければと思います。
    それから、都条例の改正についても先ほどと一緒ですね。やはりわかりやすい説明が必要な部分の有無等は再度精査していただいて、丁寧に説明できるようにしていただきたいと思います。
  • 宇賀会長
    今、藤原委員からご指摘のありました点については、次回までに事務局のほうで整理して表記するようにお願いできればと思います。
    他にご意見ございますでしょうか。
  • 谷茂岡委員
    素人でよくわかりませんが、やはりそうすると、個人情報の保護と番号法の違いがありますよね。それは本人が、自分の情報がどのようになっているかを一番最初に知りたいわけですよね。そうした場合も、つくる前に本人に承諾を得るわけではないんですか。それはいちいち承諾を得てもいられないわけですよね。それがどうなのか。
    だから、自分が一番先に知りたいとなれば、先にメールや何かで、知られてしまうよりは知りたいというのが素人ですよね。住民としては。それを自分で確認することも、一番先に承認とるように、それはどのようにしたらいいでしょうか。あくまでも行政を信用したままにしておくのか、生年月日だけならいいですけれども、それに関する評価が入ってするとすればその点についての情報の確認は、本人はどうなんですか。その点教えていただけるとありがたい。
  • 高橋情報公開課長
    まさに個人情報を行政機関がどのように保有し、どのように取り扱うかという話だと思っております。現在も行政機関は、マイナンバーが付くかどうかに限らず、たくさんの個人情報を保有しております。これにつきましては、先ほど申し上げた評価制度などでいろいろな形でこれが外に漏洩したり、そのようなことがないようにきちんと守っていくことが、まず原則としてあります。
    その上で、ご自分の個人情報がどのように取り扱われているかをお知りになりたい場合には、それこそ個人情報の開示請求という制度で、自分の情報がどのように取り扱われているかを請求し、それに対して「このように使われていますよ。こういう情報を持っていますよ」ということをお見せする。そのような制度で、まさに保護する方と自分の情報を見られる方という、この2つの制度で個人情報を守っているという考え方になっております。
    ですので、今も個人情報保護法や条例で定めてはいるんですが、番号法になったとしても、それがきちんと運用できるような形で新しい制度でも整備していかなければいけないと考えているところでございます。
  • 宇賀会長
    他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
    それでは、今回のご議論を踏まえまして、東京都としての番号制度の対応としては、個人情報保護条例とは別の新しい条例を整備するとともに、これに関係する現行の個人情報保護条例の一部についてあわせて条例改正を行うという基本的な方向性について確認したということで、よろしいでしょうか。
    (異議なし)
  • 宇賀会長
    ありがとうございました。
    それでは、次回までに事務局で「中間のまとめ」として取りまとめ、報告してもらいたいと思いますので、準備のほうをよろしくお願いします。
  • 高橋情報公開課長
    了解いたしました。
  • 宇賀会長
    それでは、次に報告事項に移ります。
    本日は2点の報告がございます。
    まず、住民基本台帳ネットワーク部会からの報告について、事務局から報告をお願いします。
  • 中島課長
    それでは、ご報告いたします。
    住基ネット部会では、今回、報告事項が2件ございました。資料2と3として資料をお付けしてございます。
    まず、資料2でございます。
    特定個人情報保護評価の実施状況についてのご報告でございます。
    特定個人情報保護評価は、番号法第27条に基づいて、特定個人情報ファイルを保有しようとするなどの場合に実施するものでして、具体的には個人のプライバシーなどの権利利益に与える影響の予測ですとか、あるいは特定個人情報の漏えいなどのリスク分析をして、そのリスク軽減のための適切な措置を講じているかどうかといったことを評価し、公にするものでございます。
    住基ネットにおける評価の実施でございますけれども、2番としまして下に図を付けてございます。
    評価の実施につきましては、対象の人数によってその評価をする項目が異なってまいります。今回の住基ネットにつきましては、対象となる人数は都の全人口約1,300万人が対象となってございます。そのため、図の一番左側になります30万人以上の場合が適用となり、基礎項目評価と全項目評価が義務づけられます。
    次のページをおめくりください。スケジュールでございます。
    9月から総務局では評価書の作成などに着手しまして、10月に生活文化局が実施する予備審査を受けております。先ほどお話にもありましたが、昨日11月20日よりパブリックコメントの募集を開始しまして、30日間実施いたします。その後に本審査、それから第三者点検をしまして、年度末までには評価書を国の特定個人情報保護委員会へ提出する予定となってございます。
    次に、資料3にお移りください。
    住基ネットのシステムの対応についてのご報告でございます。
    平成27年10月より個人番号の通知が始まることから、住基ネットでは、これに対応したシステム改修をしてまいります。具体的には平成27年6月に区市町村にて仮付番という個人番号に係る作業が予定されておりますので、都においても6月にその改修プログラムを適用する予定です。
    2番になりますが、システム改修の内容でございます。
    まず、このシステムは都単独のものではなく、全国で同一のアプリケーションとなってございます。そのため、今回の改修内容も都道府県で同一の内容となってございます。
    改修の1点目としましては、(1)にございますが、本人確認情報への個人番号の追加がございます。社会保障・税番号制度の導入に伴いまして、住基ネットで保有する本人確認情報にも個人番号が追加されます。そのため照会画面ですとか帳票にも個人番号欄が表示されるようになります。また、これに伴いまして、個人番号による本人確認情報の検索機能あるいは異動情報などの追加もございます。
    次のページにまいりまして、個人番号カードへの対応でございます。
    今までは住基カードを個人に交付してございましたけれども、平成28年1月からは新しく個人番号カードが発行されます。これに伴いまして、券面の読み取り装置も個人番号カードに対応可能なものとする必要がございます。
    また、(3)その他の変更としまして、使用可能な事務区分の追加あるいは符号要求機能の追加、その他にも今後、社会保障・税番号制度で利用が考えられる機能についての追加がなされる予定でございます。
    最後に、スケジュールでございます。
    住基ネットにつきましては、平成27年3月を期限としてシステム改修を実施します。区市町村の既存の住基システムも平成27年3月に改修が終わることになっておりまして、平成27年4月からは連携テストを予定しております。平成27年6月には東京都においてアプリケーションを適用いたしまして、その後、仮付番の開始、平成27年10月には個人番号の通知、平成28年1月に個人番号カードの交付といったスケジュールで動いてございます。
    事務局からの報告は以上でございます。
  • 宇賀会長
    ただいまのご報告につきまして、何かご質問やご意見等がありましたらお願いいたします。
    特によろしいでしょうか。
    それでは、最後に(2)その他について、事務局から報告をお願いします。
  • 高野個人情報係長
    ご報告させていただきます。
    23ページ、資料4をご覧ください。
    保有個人情報取扱事務届出事項一覧でございます。
    平成26年9月から10月までの受け付け分として、事前に送付させていただいておりますとおり、その内容は、24ページにございますとおり3件ございました。これにつきまして委員の皆様方からご意見があったものは、特にありません。
  • 宇賀会長
    ただいまのご報告につきまして、ご質問、ご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
    本日の議事として予定したものは以上でございますが、その他、委員の皆様から何かございますでしょうか。
    事務局から何かございますか。
  • 佐藤都政情報担当部長
    本日は貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございました。
    次回の審議会は、先ほど会長からもお話ございましたとおり、東京都における特定個人情報保護のあり方につきまして、中間のまとめについてご審議いただく予定でございます。
    日程と会場につきましては、12月24日水曜日の13時30分から15時30分まで、会場は本日と同じ特別会議室Bを予定しております。
    年末のご多忙の中、恐縮でございますが、どうかよろしくお願い申し上げます。
  • 宇賀会長
    それでは、以上をもちまして本日の審議を終了いたします。
    長時間どうもありがとうございました。

午前11時20分 閉会

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