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平成29年(2017年)2月7日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第30回議事録)

第30回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成18年2月7日(火曜日)
東京都庁第一本庁舎42階 特別会議室B

午前10時3分開会

  • 堀部会長
    おはようございます。雪の中お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから第30回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催させていただきます。
    会議は公開となりますので、よろしくお願いいたします。
    本日の議事ですが、議事次第の2にありますように、審議事項が1件、報告事項が5件あります。
    まず、審議事項の保有個人情報を取り扱う事務の開始についてですが、これにつきましては東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第1条の2第1号によりまして、実施機関が保有個人情報の取扱事務を開始する場合は意見を述べることができる、と定められておりますので、当審議会といたしまして、これについてご審議いただきたいと思います。
    それでは、まず武市課長から説明をお願いします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、新規に届出のありました保有個人情報取扱事務14件について、説明させていただきます。
    新たに開始いたします保有個人情報を取り扱う事務として挙げましたのが、お手元の資料1、2ページでお示ししております14の事務でございます。さらに、事務ごとに届出事項が1ページずつございまして、それが3枚目以降についてございます。
    保有個人情報取扱事務につきましては、昨年11月からインターネットでの公表を行っておりまして、現在2,576件の事務が公表されているところです。
    なお、本日挙げました14の事務につきましては、ご審議いただいた後、速やかに公表してまいります。
    14の事務を以下、簡単にご説明申し上げます。
    3枚目になりますが、1ページをお開きください。1ページは東京自治制度懇談会の運営事務、2ページは東京オリンピック基本構想懇談会の運営事務でございます。懇談会委員の氏名、住所、年齢、電話番号、職業、学歴などを記録項目としてございます。本人あるいは公開情報から収集いたしまして、目的外理由、提供、委託はございません。
    3ページでございます。環境局のマンション環境性能表示の受付事務でございます。都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、いわゆる環境確保条例ですが、この条例の改正によりまして、マンションの環境性能表示制度が新設されました。この制度は、特定のマンションについて建物の断熱性ですとか設備の省エネ性など環境性能に関する情報の表示を義務づけ、マンションを購入しようとする人に選択肢を提供するものでございます。この表示をしたことを特定マンションの建築主及び当該マンション販売受託者から届け出てもらうものでございます。
    4ページ、5ページは都市整備局の事務でございます。東京都屋外広告物条例の改正により、条例違反者の氏名等を公表、また、屋外広告業の登録制度を導入することになりましたが、この条例の10月施行に伴い開始する事務でございます。行政処分につきましては、違反者の氏名等の情報を区市等から報告を受けるため、本人以外の収集先といたしまして「他の官公庁」にチェックがついてございます。広告業の登録申請は本人から氏名、住所、生年月日、職業等を収集し、記録いたします。
    おめくりいただきまして、6ページから9ページまで一括してご説明します。6ページ、「「社会貢献型後見人」を目指すための基本講習受講者」の決定、7ページ、東京都健康づくり応援団シンボルマークデザインの公募、8ページ、地域包括支援センター職員研修事務、9ページ、病気の子どもピアカウンセリング事業につきましては、それぞれ講習の受講を希望する方、シンボルマークデザインに応募される方、研修受講者から氏名、住所、年齢、性別等の個人情報を収集し、記録いたします。
    10ページでございます。就労支援プログラム作成事業でございますが、こちらは障害者の福祉的就労から一般就労への取組みを促進するために、就労支援プログラム作成委員会におきまして、取組みを実践している授産施設等の事例を集めて整理・検討し、就労プログラムを作成するものです。調査事例のうち、直接の取材対象となった方から、氏名、生年月日、心身の状況、職業、職歴、その他、これは備考のところにございますが、障害種別、障害程度等を収集するものでございます。
    11ページでございます。東京都食品安全情報評価委員会の消費者委員の選考は、消費者委員を公募し、応募者から氏名、住所、電話番号、性別、職業を収集・記録するものでございます。
    12ページでございます。これは先ほど9ページにございました病気の子どもピアカウンセリング事業と同じものです。この事業は、小児慢性疾患児やその家族にピアカウンセラーによる助言・相談を行って、日常生活上の不安や悩み等を軽減することを目的としております。先ほどはピアカウンセラーの養成研修ということで、福祉保健局の少子社会対策部が行う事務でしたが、こちらは実際にピアカウンセリングを行う部署、保健所での事務になりますので、このように2枚出ているということになります。
    この事務においては、ピアカウンセリングを申し込まれた方、児童から個人情報を氏名、住所、生年月日、年齢、電話番号、性別、心身の状況等を収集いたします。また、カウンセリング自体は、保健所の職員ではなくNPOに登録したピアカウンセラーが行うことから、委託ありのところにチェックがついております。
    13ページは、肢体不自由者更正施設事業説明会の開催、14ページは、水道局の施設守衛業務に関する事務でございます。参加者、それから来所者の氏名を記録するものでございます。
    以上です。よろしくご審議のほどお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまご説明いただきました個人情報を取り扱う事務の開始につきまして、ご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
  • 広瀬委員
    質問でございますけれども、各ページの個票に記録項目がございますよね。こういったものは何らかの方法によって収集され、本人から、あるいはそれ以外からということで、そういった部分で、項目的な部分は各部局の判断に任せられているということでございますか。
  • 武市情報公開課長
    基本的には、これらの事業を実施する部局の判断に任せております。
  • 広瀬委員
    そうした場合に、たまたまこう見ていますと、4ページと5ページ、部局は同じく都市整備局の市街地企画課、その中で4ページは違反者の氏名云々と、公表のため区市から報告を受けてということで、5ページは広告業、登録申請ということで、こちらは幅広いんでしょうけれども、細かいことで申しわけないんですが、4ページの違反者の方は生年月日、年齢等が入っていない。これに対して一般の登録申請の場合は生年月日が入っていると。ここら辺、同じ部局にもかかわらずというような印象として、むしろ違反者といいましょうか、悪質な、公表を要するようなところはもうちょっとデータ的に把握しておく必要があるのかなと。使い道はともかくとしてという印象を受けましたけれども、そこら辺、何かございましたら。
  • 武市情報公開課長
    条例で登録申請の様式等が決まっておりまして、それに沿った形での記録項目という形で届出ているものですから、若干違うところが出てくるのかと思います。
  • 広瀬委員
    条例に基づいてということなのでしょうけれども、逆に言えば、原局の市街地企画課においては、そういった違反者については、生年月日は把握していないと理解してよろしいんですか、ここにチェックがついていないということは。4ページの生年月日、年齢という項目、5ページとの比較においてですね。
  • 武市情報公開課長
    届出を見る限りでは把握していないということになります。
  • 広瀬委員
    この場のあれではないかと思いますけれども、本来であれば、むしろそういった違反者という、そっちの方を厳重に把握しておくべきかと思いますけれども、この会のテーマとは違いますので、これ以上申し上げません。
  • 三森参事(都政情報担当)
    今の件ですが、都市整備局で条例に規定した中では、条例違反者の氏名等を公表ということになっておりまして、違反者であったとしても、できる限り個人情報は必要最小限に公表できる範囲ということで都としても考えております。ここでは氏名、住所、電話番号で、あとは職業等違反者の公表は対応できるだろうということで、生年月日等はこの時点では考慮していなかったという内容でございます。
  • 堀部会長
    東京都屋外広告物条例第33条の規定というのが入っていますので、規定を見ないとわかりませんが、違反者の氏名等の情報で、一般の犯罪ですと何歳と、警視庁が逮捕した被疑者について公表したりしているかと思うのですけれども、この場合にはそれがないということでしょうかね。
  • 高橋委員
    今の話を聞いていてふっと思ったんですが、よく見てこなかったんですけれども、生年月日と年齢で両方必要だというものと、年齢だけでいい、生年月日だけで年齢はいいとか、生年月日がわかれば年齢は必要ないような気がするんですけれども、生年月日と年齢、両方要求しているものもあります。こういったものは、何に使う、どういう必要でお聞きされているんでしょうか。例えば、今言われた5ページなんか、広告業というのは特に年齢制限はないんだろうと思うんですけれども、アイデンティティをきちんと確認するために必要ということなんですか。それとも何か事情があるんでしょうか。
  • 武市情報公開課長
    広告業の登録申請書では、法人の役員の履歴書を出していただいておりまして、その関係で生年月日が記録されてしまうということでございます。
  • 堀部会長
    そうすると、条例に何らかの根拠があるということになるのでしょうか。法人の場合、役員の履歴書の提出を義務づけるというのは一般的にあることだと思うのですけれども。
  • 武市情報公開課長
    登録申請書に様式が幾つかございまして、まず登録の申請書、誓約書、法人の役員、登録申請者の略歴書という幾つかの書類が決まってございます。
  • 堀部会長
    場合によっては、そこまで必要なのか、この件ではなくて一般論として、収集に当たって、どこまで個人情報の項目が必要なのかというのは議論にはなり得ると思います。ですから、それぞれの届出事項を見ることによって、ここまで必要なのか、あるいはこの事務ならば、もっとこういう点もあってもいいのではないかとか、いろいろなことがこれを見ればわかるということにはなるのですね。
  • 高橋委員
    この人が役員だということの証明の書類には、例えば本人の本籍なんかは書いていないわけですね。
  • 武市情報公開課長
    本籍は書いてございません。
  • 高橋委員
    そういう書類を出してもらった、その書類に載っている情報は、そうすると、すべてここの票にも出てくるということですね。
  • 武市情報公開課長
    はい。
  • 広瀬委員
    経済団体の立場から言うのもちょっとおかしいんですけれども、よく悪質な企業というのは、最初から故意で、意図的に、会社をつくってはお客さん等々に損害を与えて会社をつぶす、あるいは社名を変えるとか、そういった形で転々とするケースもなくはないと。特に悪いところは。そういった面で、会社の名前を変えて出てきたとしても、いろいろな面でチェックができるような、個人名という面で1つは最低限あるんでしょうけれども、そういった部分で特定すると、その人が関係している会社だなという面からすれば、こういった生年月日なんかを把握しておく必要があるかなというふうには感じますけれどもね。
  • 堀部会長
    それぞれの事務の必要性に応じて個人情報の項目を収集している、こういうことだと思いますけれども、場合によると、先ほど言いましたように特定の事務、それぞれ見てみないとわかりませんが、本当に必要なものかどうかというのは出てくる場合もあるかもしれないですね。例えば、思想信条等のところにチェックがついているとすると、そこまで必要なのか、屋外広告物の事業の登録申請を行うのにそこまで必要かというふうなことは、一般論としては議論になるとは思います。もちろんついていませんので、そういう部分は収集していないということになるわけです。国の方で、1988年、昭和63年の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律で、事前通知というふうに法律では言っていますが、その事前通知を当時ですと総務庁長官にいたしまして、官報で公示していました。そういう中で、ある項目について、本当にこれは必要なのかというのがメディアから問題提起されて、議論をしたことがあります。官報を見てみたら、その項目にチェックがついていなかった。チェックなのか、あるいは項目が具体的に挙がっていたのだろうと思うのですけれども、それを見て、一方で国への届出に必要な項目として出ているのに、官報で公示した場合には出ていないのは問題ではないか、こういう議論になったことがあります。省令で項目を決めていたのですが、本当にその項目が必要なのかというふうな議論からだったと思うのですけれども、後に省令を改正して、その項目を削除したということもありますので、場合によると、これをインターネットで公開していますから、それを見てそれぞれの関係の方がチェックすることは可能です。そういう機能を果たすということになります。
  • 渡邊委員
    これは新規開始事務ということで、開始時期、年月日がばらばら、5月から今年2月1日までというすごい範囲になっていますよね。先生が先ほど言った東京都側でチェックするようなときに、時期というものが事前チェックなのか、事後で来てチェックするのか、その辺がちょっと理解できないんですが。
  • 堀部会長
    開始年月日が入っていますけれども、そのところはどうなっているんでしょうか。
  • 武市情報公開課長
    説明が不足しておりまして、申しわけございません。今年度から、この事務の届出をご審議いただくということを新たに始めたわけですございますが、まだ若干混乱しておりまして、届出漏れというものが幾つか生じております。そのために、5月というものも出てきてしまったというのが正直なところでございます。基本的には、やはりその事務を始める前にご審議いただくのが筋だと思いますので、できる限り事前に出していくように努力したいと思います。
  • 堀部会長
    今の渡邊委員のようなご意見をいろいろ出していただくことによって、今後そのあたりのチェックの仕方もいろいろ変わってくるかと思います。
  • 秋元委員
    その他のところで、Eメールアドレスということでチェックの入っているところがあります。例えば、1ページと11ページの、かなり個人的な方になるわけなんですが、入るんですが、2ページのオリンピックのところには特にそういうものは入っていないんですね。それは、特に記録しないということなのですか。
  • 武市情報公開課長
    はい、記録しないと聞いております。
  • 堀部会長
    当審議会、情報公開・個人情報保護審議会の場合はどうだったですかね。Eメールアドレスはどうだったか、ここにはありませんので、一度チェックしてみていただくといいかと思います。一般的には最近、記入してほしいというのがありますので、出しているかもしれません。それぞれの原局原課なりで、やり方が違うのかもしれません。特に備考のところですと、上に項目としてないものですから、そこに入れるか入れないかというのもまたそれぞれの判断でなされているのかもしれませんけれども、一般的には、最近ですと、懇談会の委員などですと、連絡用にEメールアドレスを記入していただくというのはあるかもしれないですね。そういう点も今後少し見ていただくとよろしいかと思います。
  • 武市情報公開課長
    承知いたしました。
  • 堀部会長
    よろしいでしょうか。
    それでは、最初の審議事項は以上で終わらせていただきまして、このように活発に質問、意見などが出ますと、規則でこうしたことについて意見を述べることができるという趣旨が生かされているかと思います。
    報告事項で、第1が東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例附則第1項ただし書に規定する東京都規則で定める日を定める規則の公布ですが、引き続き武市課長から説明をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、東京都規則第8号、東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例附則第1項ただし書に規定する東京都規則で定める日を定める規則につきまして、報告させていただきます。
    お手元にあります水色の個人情報保護の手引きの197ページをお開きいただければと思います。
    こちらの中ほどに、条例附則第1項がございまして、「この条例は平成17年4月1日から施行する。ただし、公安委員会と警視総監を加える部分は、公布の日から起算して1年4月を超えない範囲内において東京都規則で定める日から施行する」旨が既定されております。これまで準備を進めてまいりまして、昨年の第4回都議会定例会において、警視庁の設置条例及び警視庁関係手数料条例の一部改正が議決されたのを踏まえまして、施行日を定める規則を整備し、1月31日に公布いたしました。
    資料2をお開きください。1月31日の東京都公報ですが、下段の中央に規則第8号がございます。「東京都規則で定める日は、平成18年4月1日とする。」とございまして、これにより公安委員会及び警視総監は今年4月1日より実施機関入りすることになります。
    報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    資料2を見ていただきますと、「東京都公報」でそのことが、規則の公布がされております。何か質問などあればと思いますが、こういうことで東京都公安委員会、警視総監については、今年4月1日から実施機関になるということです。その部分についての条例の規定は4月1日から施行することになります。これは全国的に見て、宮城県、あとどこだったですか、既に1年ぐらい前に…。
  • 三森参事
    宮城県が平成17年4月から、愛知県が平成18年1月から施行されています。
  • 堀部会長
    愛知県ですか。そうすると、今年4月1日というのは、ほかの道府県も大体今年4月1日だったですかね。
  • 古畑副参事(情報公開担当)
    今年4月1日の施行がほとんどです。
  • 堀部会長
    そういう状況です。よろしいですか。
    それでは、報告事項の2としまして、東京都における個人情報保護の取組状況ということで、これも武市課長から報告をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、東京都における個人情報保護の取組状況について、報告させていただきます。
    前回、11月の審議会におきましては、庁内における個人情報保護の徹底ということで、職員向けに説明会や研修を開催してまいりましたこと、また個人情報の安全管理に関するモデル基準を作成し、それぞれの組織においても保有する個人情報の状況に応じて適切な管理に取り組むよう、安全管理に関する規程の整備を全庁的に取り組んでいること、それから東京都職員のための個人情報保護・情報セキュリティハンドブックを作成し、個々人にも徹底していることを報告させていただきました。
    資料3をお開きいただければと思います。個人情報の安全管理規程の整備状況でございます。前回の報告以降、本当に少しずつではございますが進めてまいりました。2月1日現在で100%整備済の局は、前回の11局から、網かけをしてあります16局となりました。整備済の課の割合でいきますと、下の方に合計数字が出ております整備済の課163プラス新たに規程を整備した課492、212をすべてトータルいたしまして、合計867、課の総数のパーセンテージでいきますと56%という規程の整備状況でございます。
    未整備のところは右側に、検討中と記載しておりますが、このうち幾つかは最終的な調整段階に入っていると聞いております。
    続きまして、資料4をお開きいただけますでしょうか。情報セキュリティ・個人情報保護の緊急点検についてでございます。後ほど事故報告もございますが、インターネット攻撃・侵入、情報漏えい事故の多発など、今般、情報セキュリティに関連するリスクが増大してきたこと、それから個人情報保護法や改正条例の施行、都民の情報セキュリティに関する意識の向上を背景といたしまして、東京都における情報セキュリティ・個人情報保護の意識の向上、対策強化を図るため緊急点検を実施いたします。
    今年度は、パイロット的な点検といたしまして、点検対象は各局の重要度やリスクの高いシステム、または部署、それからすべてのホームページといたしまして、情報セキュリティと個人情報保護の両面から点検をしてまいります。
    点検の内容、方法でございますが、情報セキュリティについては、点検者が現場に出向き、事故要因として多くを占める盗難、紛失、ウイルス感染、不正アクセス、パスワードの設定など、主要なリスクについての基本的な事項を点検いたします。また個人情報については、個人情報管理責任者、これは各課の課長が当たっておりますが、個人情報管理責任者が安全管理規程の整備状況や保有個人情報の保管状況、プリンタ、ファクシミリなどの出力書類等の管理状況、書類の廃棄状況、委託の契約内容やその履行状況等の点検をすることとしております。
    この点検の実施、また点検後の対策の検討に当たりましては、総務局のIT推進室と私ども情報公開課が共同で事務局となり、対応してまいります。
    報告は以上です。よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。質問、ご意見などをお出しください。
    資料3の個人情報の安全管理規程の整備状況、先ほどのお話で56%の整備状況ということですが、100%になるのはいつごろでしょうか。どういうふうに予測されていますか。
  • 三森参事
    これについて、モデル基準を当方が各局にお示ししたときに、早い時期に100%到達という目標を掲げておりましたが、現時点におきましてはこの56%という内容になっています。特に福祉保健局、東京消防庁、また教育庁、これらの大きい局につきまして、保護管理は行っておりますが、いろいろなセクションがありまして、なかなか基準を統一的にできないというのがありまして、各部署からの意見を聞きながら調整しているという内容を聞いております。当方といたしましては、年度内にもできる限り100%に近づけていきたいということで、これから短い期間ですけれども、積極的に働きかけながら早い時期に各局で基準を作成していただきたいと考えてございます。
  • 藤原委員
    今の点ですけれども、教育委員会の数字は学校が多いということですか、高等学校等の。
  • 三森参事
    そうです。今のご質問ですが、教育委員会で、8~10月のところに「1」と入っております。これは全体を管理する総務部で1つつくっていただきまして、これをもとに本庁の各部と各事務所、また学校、都立高校等を含めまして、どういう形が統一的にできるのかと。統一にならなくても、ある幾つかのパターンもできるかなとは思うんですが、その辺、学校等も含めて今調整していただいている最中ですので、よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    現場での対応というのは…。
  • 藤原委員
    学校というのは事故が多いので、念のためと思って…。
  • 堀部会長
    そうなんですよ。実際に事故も時々起こっていますし、実際にはなかなか難しいのかもしれないですね。そこを教育委員会の方でもぜひきちんと対応していただく必要があると思いますね。この状況からしますと、どうなっているのかなという感じもしないでもありません。よろしくお願いしたいと思います。
  • 渡邊委員
    関連して、東京都の18年度の予算編成を見させてもらっていたら、個人情報という言葉が見えてこないんですよね、予算的のところで。その辺の関係とこういう整備関係、この関連性というふうなところはあるんですか。
  • 三森参事
    予算上で個人情報の名前は恐らくないか少ないと思います。内部的に、先ほどの事務取扱、届出にありますように1つ1つの届出の中では、事業を進める中でアンケートをとったり、いろいろな人の意見を聞いたりするときに、個人情報として意見等、名前、住所等をとって集計表をつくったりする場合があります。それは全部、事業の中に盛り込まれていると思います。個々の事業の中には、届出事務にありましたように個人情報を適用する部分はあると思いますが、個人情報という名前で予算化されている部分は非常に少ないと思います。
  • 渡邊委員
    今、各企業でいくと社会倫理、やはりその中で必ずこの個人情報ということできちんとうたってやっているわけですけれども、意外と東京都の場合、表に出るPRというか、そういうものもちょっとどうなのかなという気がします。
  • 三森参事
    今回のこの事務取扱の届出をホームページ上であらわすこととしました。それ以前は都民情報ルームなどで閲覧できましたが、1つの方法としましてホームページ等で広く、個人情報を収集した場合にはこういう形で収集して適用していますということを広めていく方向は考えてございます。
  • 堀部会長
    ほかにございますか。
    では、次に報告事項の3、個人情報に関する相談の概況及び説明会の開催状況につきまして、磐井係長から説明をお願いいたします。
  • 磐井個人情報担当係長
    それでは、ご報告いたします。
    初めに相談の概況ですが、資料5をごらんください。
    まず、都における個人情報保護関係の相談件数でございますが、昨年4月から12月までの相談件数は、東京都全体で1,851件でございます。相談機関別の内訳は、私ども情報公開課が1,373件、消費生活総合センターが313件、都民の声課が60件、各局窓口への問い合わせが105件でございます。
    次に、私ども情報公開課における相談の状況でございますが、情報公開課で受け付けた相談件数1,373件の内容は、都民からの相談が728件寄せられました。その47%の342件が苦情に類する内容でございます。また、事業者からは366件ありました。第2四半期以降は相談件数が減少している状況でございます。
    次に、相談における主な業種別の内訳ですが、都民の皆様からの相談では、金融クレジット関係業者に対し81件、不動産業関係が72件、そして情報通信関係、医療福祉関係と続いています。事業者からの相談では、不動産業関係からが47件、医療福祉関係が40件、そして各種団体、教育関係の分野と続いています。
    1ページめくっていただきまして、最近の主な相談の事例ですが、都民の皆様からの相談2例と事業者の皆様からの相談事例をご紹介したいと思います。
    初めに、都民の方からいただいた教育関係事業者に対する苦情でございます。苦情の内容は、資格取得の通信講座をA社に申し込んだところ、A社のグループ企業から別の商品の売り込みで、自宅に頻繁に電話をよこすようになり、困っている。A社にやめるよう言ったが、はっきりしない対応であった。都から自分が今後どうしたらよいか助言がほしい。また事業者に対する指導をしてもらえないかというような相談でございました。
    これに対し、私どもの方では、この事例が自分の情報が無断でグループ企業の商品勧誘に使われた事例であるということで、個人情報保護法にかかわる説明を行いました。具体的には、グループ企業で総合的なサービスを提供するために利用目的の範囲内で情報を共同利用する場合は第三者への提供の制限に当たらないことを説明し、私どもから直接A社へ連絡をとりました。その結果、相談者から、A社からの謝罪並びに説明があったことなど、また今後の勧誘中止や自分の情報についても削除することになったことが報告されてきたところでございます。
    2番目の事例ですが、不動産事業者に対する苦情でございます。2つのマンションに区分所有物件を持っている方から寄せられた苦情でございます。両マンションとも管理会社が同一であるという状況において、一方の物件のことで管理会社のお客様相談室に苦情を申し入れたところ、管轄営業所から連絡があったが、その営業所の担当者が、苦情を申し入れたのとは異なる物件のことを知っていた。お客様相談室がその物件のことを知っているのはわかるが、営業所は知らないはずだ。これは個人情報保護法に違反するのではないか、との内容でございました。
    これに対しては、会社内で苦情業務を引き継ぐ際、お客様を特定するため付随する情報を伝えたのであれば、個人情報保護法の問題は生じないであろうと回答いたしたところです。
    さらに、東京都庁内の不動産業主管課と連携し、都内の宅地建物取引業者を対象として説明会など広報啓発活動を実施していることを説明したところでございます。
    事業者からの相談ですが、医療機関からの問い合わせでございます。当院に入院していた患者に関し、民間保険会社から保険請求に関する患者の状況聴取書の記入依頼があり、個人情報なので、どのように対応してよいか困っている、という内容です。
    これに対し、私どもは厚生労働省のガイドラインを説明しました。厚生労働省のガイドラインでは、医療関係事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないことを定めており、本人の同意を得る必要があることをうたっている。そのため、民間保険会社からの本人に関する病状等の情報照会については、患者自身に対する保険金支払いのためとはいえ、当該患者自身の同意を得ずに回答してはならないとされているので、慎重に対応するよう助言したところでございます。
    1ページめくっていただきまして、次の内容は過剰反応的と思われる相談の内容でございます。福祉医療現場や教育現場における事例が目立つところでございます。各項目から1例ずつ紹介したいと思います。
    福祉・医療現場における事例でございますが、上から3つ目の事例でございます。病院に対して、自分の子ども(2歳)の病状を尋ねたところ、個人情報であることを理由に教えてくれないが、どういうことか、というものです。
    また、教育現場における事例で、幼稚園で子どもの手形をとられたが、個人情報保護法に違反するのではないか、というものです。
    具体的に事業形態は不明ですが、ある事業者から料金支払いの督促があったので、連絡をとった際、担当者名を尋ねたところ、個人情報保護法を理由に回答しなかった。保護法では、そのようなことが決められているのか。担当者名がわからないために支払い手続がとまってしまい、迷惑している、というものです。
    その他、一番最後の事例ですが、見知らぬ人から道を尋ねられた場合に個人宅の場所を教えることは違法なのか、というものです。
    このような相談が寄せられたところでございます。
    次に、説明会の開催についてご報告いたしたいと思います。資料6をごらんいただきたいと思います。
    今年度、個人情報保護法・個人情報保護条例説明会の開催についてですが、これから開催を行うものも含めて合計30回でございます。参加人数につきましては延べ5,815人でございます。
    主な対象別内訳でいえば、職員を対象としたものが14回、2,075人です。また事業者関係を対象としたものが13回、3,040人で、この表の網かけをしている部分でございます。うち、訪問し説明を行うものが6回でございます。なお、都民の皆様を対象にしたものが3回、700人でございます。
    以上で報告を終わります。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。個人情報に関する相談の概況、説明会の開催状況について、説明していただきました。ご質問、ご意見などお出しください。
    資料5を見ますと、10月以降は少し減ってきているというふうに見られますか。
  • 磐井個人情報担当係長
    若干ずつ、100をちょっと超える程度が相談件数です。
  • 堀部会長
    1月はいかがでしたか。まだ集計していないのかもしれませんけれども、先月ですね。
  • 磐井個人情報担当係長
    97件でございます。
  • 堀部会長
    それは情報公開課で97件、そうですか。
  • 藤原委員
    資料5の相談件数はかなり、劇的というほどではないんですけれども減ってきているんですけれども、これが減った割合に比例して、過剰反応的な事例というのも減っているんでしょうか。それとも過剰反応的な事例はコンスタントにあるんでしょうか。もしご存じならば。
  • 磐井個人情報担当係長
    コンスタントにあるというふうに受けとめています。
  • 藤原委員
    事例は減っているけれども、過剰反応の方は横ばいという感じですか。
  • 磐井個人情報担当係長
    そこそこ、過剰反応的なものはございます。
  • 中村委員
    資料6の説明会の表を拝見しますと、都民一般が3回ほどあるようですが、これはどういう内容のものが主なのでしょうか。というのは、過剰反応の話もございましたけれども、事業者ではなくて都民一般は、教育関係とか医療関係とか、そういうところで一番そういう反応をしやすいところではないかと思うんですが、都民一般の場合はどういう内容のご説明がされているんでしょうか。
  • 三森参事
    都民一般の人は、比較的、後期になって説明会を始めたのですが、法律と条例の制度を若干説明いたしまして、経済産業省が作成した約25分のビデオをご覧いただきました。このビデオは、事業者向けに作成されたものですが、裏を返せば、事業者がそれだけのことをちゃんとやっていないと困る、ということになります。その後に、先日お示しいたしましたリーフレット、先ほどの事例や過剰反応、先生が先ほどご指摘されたような教育の関係、同窓会名簿の取扱い、地域の連絡網等の名簿の取扱いなど、制度から始まって生活の身近なところまでのご説明をいたしました。また、12月2日開催の説明会では、事業者向けと一般向けとわけて実施いたしましたが、参加資格を限定した受け付けは行いませんでしたので、希望された一般の都民の方には、両方に出席していただいています。
  • 堀部会長
    最近の状況をどうごらんになるか、一言感想でも述べていただくとよろしいかと思うのですけれども、いかがでしょうか。この相談状況とかいろいろありますし、新聞などでもいろいろ報道されている中でいかがでしょうか。
  • 高橋委員
    ここを見ていて、私自身もどっちかなと考えないとすぐには判断できない、わからないものもありますから、限界線上の問題というのは結構難しいのがあるなという印象を持ったんですけれども、しかし、こういった事例なんかもお話しして、一緒に考えながらやっていく以外にないなという気がしているんですけれども。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。藤原委員いかがですか。一般的にほかでもいろいろ議論されているわけで、どう見られるか。
  • 藤原委員
    法律が施行後、まだ1年たっていないので、余り過剰、過剰と言う必要はないのではないかというふうに思ってはいるのですが、今のご報告でコンスタントにあるということですので、典型事例は現場の方に周知徹底して、グルーピングして、理解をしていただく必要があると思っています。特に過剰反応は、高橋先生おっしゃったように十把一からげに言うことはできなくて、限界事例もあれば、ひょっとすると過剰反応でない事例もありますし、挙げていただいたような典型的な過剰反応事例もありますので、その関係の人たちにある程度事例が蓄積した段階で、広報活動を含めてお知らせすることが必要なのかなと今考えているところです。
  • 広瀬委員
    ちょっと質問ですが、過剰反応の中でも、特に病院・医療関係が多いと。よく新聞等にも出ていますけれども、そこまでいくと行き過ぎではないかと思いますが、こういった相談が直接こちらに寄せられた場合、個人からでしょうけれども、その後のフォローアップ、当該の病院に対する指導とか情報提供というのはされておられるのかどうか。それから、あわせて質問すれば、説明会で一連のスケジューリングといいましょうか、実績が書いてありますけれども、予定まで入っていますけれども、この中を見ると、病院関係者というか、そういった対象に対しての説明会が見当たらないというか、福祉関係が一部入っていますけれども、既に実施しているから十分ということなのか、そこら辺はどういう理由によるものか、ご説明いただければと思いますが。
  • 三森参事
    病院関係をはじめ、特に業種ごとという形で、都の方から打診しているわけではありません。病院の場合は特に、私がこの法律の施行前、また条例ができる前に20団体程訪問いたしましたが、そのときに病院の方も、医師会、歯科医師会とありまして、全国は全国医師会、地方は東京都なら東京都医師会と、いろいろな流れがありまして、そういう中で一貫して教育なり方針を決めていくという話がありました。その中で民間の医師会は動いていると思います。
    東京都の場合は、東京都の中で病院を持っておりますので、先ほどありましたような福祉保健局、病院経営本部が担当しておりまして、そこの担当職員、管理職の説明会がありますが、そこになるべく出ていただいて、説明を聞いていただくというところで実務に反映させていくという方法をとっております。
    特にこの中でありますのが、不動産関係は、自分たちで説明会をするときに、都の個人情報保護担当者に声をかけられて、説明会を行っているところもあります。
  • 広瀬委員
    対象者のグループといいましょうか、団体というのは、要するに専門から必要に迫られて、ぜひここら辺について説明会を開いてほしいというケースと、東京都のご担当の方から、この団体というか、業界というか、あるいはそういったグループに対して、もっと徹底しておく必要があるという判断で、こちらから仕掛けていく場合と両方あるかと思うんですけれども、そこら辺はどうなんですか。必要であると思われるものは、大体こちらからも仕掛けてやっておると、こういうふうに理解してよろしいですか。
  • 武市情報公開課長
    どちらもありまして、両方対応させていただいております。
    1点目のご質問の相談があった際のフォローアップの件でございますが、実際にどこの事業者かという名前がわからないことにはお話もできませんので、相談があったご本人から希望があって、その事業者と話をしてほしいということであれば、私どもからお電話して、こういう苦情がありましたが、きちんと本人に説明してもらえないか、というようなフォローをさせていただいております。
  • 広瀬委員
    わかりました。
  • 中村委員
    やはりちょっと気になるのは、先ほどの安全管理の表の中などで拝見しても、病院関係、福祉関係の整備が大変遅れているように思うわけですが、しかし、やはりそういうなかで対処していかないといけないという、非常に危うい実態になっているかと思うんです。ここでは、例えば相談内容の過剰反応的なという言葉は、いわゆる都民の過剰反応が使われているのですが、実施機関側の過剰反応もあると思うのです、個人情報の管理案件とか。第三者的にもそういう扱い方がチェックできるようなことがあればいいのかなと思いますし、そこら辺はどうなんでしょうか。つまり、実施機関側がつくったものを事前に検討する、第三者の目で検討するということはあり得るのでしょうか。
  • 三森参事
    今のケースですと、病院の場合は、民間、東京都立病院を含めていろいろケースがあるようです。1つは、都の方で方針を出したのは、なるべく本人の名前を出す場合、例えば入院した場合、本人の名前を出すか、名前を呼ぶときに本人の名前を呼んでよろしいかどうか確認しているようです。他には入り口のガラスの窓ですとか見やすいところに本人の名前を呼ばれたくない人は申し出てくださいと、いろいろなケースを考えながら病院単位で対応してまいりました。民間の幾つかの病院を見た場合も、いろいろな対応の仕方をしているようでございます。どうしても名前を呼ばなければいけないというのは、最後の精算といいますか、料金をいただくところは名前を呼ばないとなかなかわからないということがありまして、番号札を出しながらも最後は名前を呼ばれるようなケースがあると聞いております。
    人によっては番号札で管理されるのは嫌だというような反応もありますし、1つの病院の場合をとりましてもいろいろなケースがありまして、なかなか難しい部分があるということで、我々も病院経営本部等と話をするような場合には、患者の意向を汲みながらの運営の仕方を考えていっていただきたいという要望等はお願いしています。
  • 堀部会長
    この問題、いろいろな意見があるかと思います。今年3月末で個人情報の保護に関する法律が施行1年ということで、このところ、メディア関係者も10カ月ぐらいの運用状況について非常に大きな関心を持っていまして、意見を求められています。
    東京都の場合には、1991年、平成3年4月1日に個人情報保護条例を施行していますので、これで15年ということになりまして、今の病院なども、恐らく今までですとあまり、病院でどうするかということまで議論していなかったかもしれませんけれども、全体として個人情報保護法が施行されたことに伴いまして、改めて条例の解釈との関係をどうするのかというふうなことも都立病院などでも議論になっていますし、都立高校などでもそういうところがあります。先日、ある都立高校の先生方と話をする機会がありましたけれども、個人情報保護法が昨年4月1日に全面施行されたということで、個人情報保護への関心が高まってきたという側面もあるようです。
    自治体の場合には、それぞれの自治体に条例がありますし、昨年4月1日現在で全自治体の98.1%で制定されて、総務省自治行政局によりますと、この3月末で100%になるのではないかということでありますので、自治体がむしろこの問題では先行してきたというところがあります。その自治体の条例の運用をどうするのか、まさにこの審議会でいろいろご意見を出していただいて、よりよい運用が図られるようになる必要があろうかと思いますが、全体として見ますと、先ほど言いました個人情報保護法が昨年4月1日に全面施行されて、個人情報やプライバシーの保護意識は格段に高まったように思うのです。これを数量的にどう評価するのは難しいのですけれども、事業者側といいますか、個人情報取扱事業者となる事業者の側も本人の側も、この個人情報保護法ができたということで、この問題に真剣に、以前よりもはるかに真剣に取り組むようになったように思います。以前ですと、民間についても、東京都でもガイドラインを定め、いろいろな省庁でガイドラインを定め、またそれぞれの業界団体などでガイドラインを制定して、それぞれのところで個人情報の取扱いのルールを定めてきましたけれども、その段階ではなかなか、個人情報保護といいましてもいま一つ熱意がないところもあったように思いますが、法律が施行されたことによって、相当変わってきているかと思います。
    そういう中で、法律自体をきちんと読んで対応されている方というのはほとんどいなくて、いろいろな講演会とか研修会とか、そういうところで話を聞いてどうするのかとか、あるいはメディアの報道を通してどう対応するのか、こういうことが一般的ですので、そこには法律の趣旨も含め、的確に理解していないこともかなりあろうかと思います。
    そのために、これも去年の4月に入ってすぐにメディアから、過剰反応について、いろいろ意見を求められて、自治会の名簿ができないとか、商店会の名簿ができないとか、学校の緊急連絡網ができなくなったとか、いろいろ言われました。そのときにそれは過剰反応ですねと言ったこともありまして、それ以降も、昨年4月25日のJR西日本の福知山線の事故のときにも随分問い合わせがありました。先ほども厚生労働省のガイドラインがありましたが、病院、医療機関の場合、県立病院であれば兵庫県の条例の適用を受けますし、尼崎市立病院であれば尼崎市の条例の適用を受けますし、国立病院があれば国の行政機関、場合によっては独立行政法人個人情報保護法の適用ですし、それ以外の医療機関については個人情報保護法の適用だというような説明なども随分しまして、厚生労働省にも問い合わせてみてほしいというふうなことで、厚生労働省はQ&Aも出していますので、そういうものも説明したりもしました。その段階でも過剰反応、過剰反応ということがかなり出てきて、今日かなり広く言われています。
    どの法律でも、すぐに、運用がスムーズにいくというものでもありませんので、個人情報保護法はだれもがかかわりを持つ法律でもあるというふうなことで、あるいはほかの法律よりもより一層関係者やステークホルダーが多いというようなことで議論が起こっているという側面はあるかもしれませんが、今の状況というのは過渡期なのかなというふうにも思います。今後、できるだけ法律の趣旨が理解されるように、当審議会としても努力を重ねていかなければなりませんし、東京都の果たす役割はこの条例において非常に大きいものですから、ぜひそのあたりを今後とも引き続き努力していただきたいと思います。
    いろいろ申し上げたいことはありますけれども、今の係長の報告があって、そのような印象を持ちましたので、一言述べさせていただきました。
    何かほかにありますでしょうか。
    それでは、報告事項の4に移らせていただきます。個人情報保護取扱事務要綱に基づく報告の概況につきまして、伊藤係長から説明をお願いいたします。
  • 伊藤個人情報係長
    個人情報取扱事務要綱に基づきまして、庁内における個人情報の取扱の状況をまとめております。資料7でございますけれども、1、2が例外的な個人情報の取扱い、3が開示請求等の件数の推移、4が事故でございます。順次ご説明申し上げます。
    本人外収集というのは、保有個人情報取扱事務の届出は、先ほどご審議いただきました14枚の取扱事務の届出でございますけれども、本人外収集の届出がない場合に、例外的に個人情報を本人以外から収集した場合に報告を求めておるものでございます。1号から7号まで該当事項がございまして、例えば1号は本人同意でございますけれども、職員の安全衛生事務において職員の休職とか復職にかかわる診断書を本人の同意を得て医療機関から直接収集した事案でございます。7号の事案は、国や他の地方公共団体から取得する事務において、権利者に関する情報を法務局から収集した事案でございます。以上が本人外収集の報告でございます。
    2番としまして、目的外利用・提供でございますけれども、保有個人情報は本来の取得目的のみに使うのが原則で、例外として10条2項に1号から6号まで定めがございまして、それに該当する場合は例外的に当初の目的以外の利用・提供が可能となっております。
    その内容でございますけれども、1号は本人の同意でございます。報告されておりますのは、心身障害者の診断等に関する情報を本人の了解を得て、年金受給申請のために住所地の年金担当局部課へ提出したものでございます。
    2号は件数として非常に多くなっておりますけれども、ほとんどが税金、課税関係の情報でございます。主税局、都税事務所で集めました情報を東京国税局、あるいは市町村の固定資産税所管課に提供するものでございます。
    飛びまして6号は、国とか他の地方公共団体に提供するものでございます。建築計画概要書に関する情報を市の住宅マスタープラン策定のための資料として提供する場合等が報告されております。
    続きまして資料3は、開示、訂正、利用停止請求の件数でございます。推移を見ていただければ、四半期で200件ちょっとで、12月末現在で646件の開示請求がございます。ちなみに、平成16年4月から17年3月までの1年間でちょうど同数の646件の請求がございましたので、本年度はあと3カ月ございますので、総件数で3割強ぐらいの増加、これも都民の方の関心の高まりがあるのではないかと考えております。
    どういう事案についての開示の請求が多いかでございますけれども、前回ご報告申し上げたことと大きく変わりございませんけれども、身体障害者手帳交付に関する診断書等の請求、都立病院等のカルテ、診療録の請求がございます。これらが一番多い請求件数となっております。
    4番は、個人情報の漏えい等の事故の発生です。第3四半期におきましては、新たに報告はないのでございますけれども、1月に事故が2件報告されております。これは、次のページをおめくりいただけますでしょうか、資料の2ページでございますけれども、平成18年1月18日付で「東京都公報」のインターネット掲示板への流出という事故がございました。本日の資料2に「東京都公報」がたまたま資料としてありますけれども、条例、規則の制定、改正、告示、公告事項を都民にお知らせするものでございます。従来は新聞のような紙で配布しておりましたけれども、現在は都庁のホームページでも閲覧できるシステムにもなっております。
    今回の事故でございますけれども、ホームページに翌日分の「東京都公報」が掲載されたというわけではございませんけれども、一定の方法によって翌日分の「東京都公報」のデータが閲覧できる状態になっておりました。インターネット上のある掲示板にそのページへのリンクが貼られておりまして、容易にアクセスできるような状態になっていました。その中に行政書士試験の合格者名簿などの個人情報が含まれてたものでございます。
    都では、直ちに当該アドレスをデータから削除するとともに、謝罪等のプレス発表、あるいはホームページ等の掲載を行ったところでございます。
    3ページ目をおめくりいただけますでしょうか。東京都ナースプラザWEBサイトへの不正侵入についてでございます。同じく先月20日に起こった案件でございますけれども、東京都ナースプラザというのは、医療施設に勤務される看護職員の方を確保するために、離職中の看護職の再就職相談やあっせん、再就職に役立つ研修とか、一般的な看護につきます普及啓発事業を行う都の施設でございます。管理運営は委託されております。そこのホームページのサーバーにある企業の疑似サイトが不正に構築されました。その企業からサーバーの管理会社に対して連絡がありまして、ナースプラザでは、その不正に構築された疑似サイトの削除を行い、現在、不正ファイルの分析を行っているところでございます。
    疑似サイトの不正構築に伴いまして、個人情報が閲覧されたというわけではございませんけれども、閲覧された可能性の否定できない個人情報があるということで、先月20日にプレスに公表したところでございます。
    閲覧された可能性の否定できない情報としましては、四角い枠で囲ってございますけれども、ナースプラザが行っています看護職員に対する研修関係の記録、それから高校生に対して一日看護体験学習の情報、合わせて約5,000件が閲覧された可能性が否定できないということでございます。
    これまでの対応としまして、その疑似サイトを削除するとともに、ID、パスワードを変更し、警察への被害届を提出するとともに、現在、原因の確認を行っているところでございます。
    先ほど資料4で情報セキュリティ・個人情報保護状況の緊急点検というところでホームページの点検等というものが項目に挙がっておりますのは、すべてのホームページが挙がっておりますのはこういった事故等を踏まえてのことでございます。
    ご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    こういう事故があったということですが、何かご意見ありますでしょうか。
  • 藤原委員
    意見ではないんですけれども、ナースプラザのWEBサイトの不正侵入は、これはナースプラザ自身が運営していたんですか。それとも、ナースプラザの方でどこかに運営を委託していたんでしょうか。
  • 伊藤個人情報係長
    ナースプラザから委託していたと聞いております。
  • 藤原委員
    ということは、その会社のセキュリティが低かったということですかね。ナースプラザがセキュリティ関係を自分で運営していないのならば、きちんと把握しているとも思えないので、委託していたところが脆弱性を見つけられなかったということなんですかね。
  • 伊藤個人情報係長
    それも含めて調査中でございますけれども、確かに先生のおっしゃることが相当予想されるのではないかということでございますけれども、それも含めて原因を調査中でございます。
  • 藤原委員
    申し上げたいのは、委託関係になったときにきちんと把握しておかないとまた起こる可能性がなくはないという、そういうことだけです。
  • 伊藤個人情報係長
    わかりました。
  • 堀部会長
    都条例ですと、第8条に委託等に伴う措置という規定がありますので、これが実際どういうふうになされていたのかというあたりも調査していただいて、また報告していただければよろしいかと思います。
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、続きまして報告事項の5、存否応答拒否事案につきまして、高橋係長から説明をお願いします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、お手元の資料で資料8になります。存否応答拒否を行った情報公開制度の3件についてご報告させていただきます。
    存否応答拒否につきましては、情報公開条例第10条に、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することになるときは、実施機関が当該公文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否することができるという規定がございます。
    その存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例施行についての通達及び取扱要綱の規定によりまして審議会にご報告させていただくことになっております。
    3件の内訳といたしましては、資料の順に産業労働局2件、建設局1件となっております。資料に基づきまして、簡単に説明させていただきます。
    まず初めに、産業労働局の案件2件でございます。これらはいずれも技術専門校の生徒日誌の記載に関する請求でございます。この技術専門校の生徒日誌の案件につきましては、ほぼ同じような内容にて昨年2月及び8月の審議会でもご報告させていただいております。
    資料8の1枚目でございます。4のところに請求件名が載っておりますが、生徒日誌の中の生徒欄に特定の病名がある文書についての開示請求を求めたものでございます。この生徒欄の記載というのは、技術専門校としましては、生徒の活動状況を把握し、生徒と指導員の意思疎通を図るために、生徒に自由な記載をさせている、そういったものでございまして、このような生徒日誌を対象とする開示請求があった場合にも、ここの生徒記載欄の部分については、こちらを公にすると生徒が率直な記載をためらうようになると専門校の事業運営に支障を生じるという理由で、通常非開示としているところでございます。
    したがって、本件のように具体的な記載内容を示して、こういう記載が含まれるものというような請求がされますと、それに対して該当する記録の有無を答えた場合、本来非開示とすべき生徒記載欄の記載内容を公にすることと同じ見解になるという判断から、存否の応答を拒否したものでございます。
    こちらの6号、行政運営情報該当につきましては、8月にご報告した際、藤原委員より、2号の個人情報も必要ではないかというご意見をいただきましたところでございます。実施機関にお話ししたんですが、この生徒日誌の開示請求につきましては同様の請求が数件出ておりまして、異議申立てなども行われておりまして、答申も出ているところでございます。その答申におきましても、6号該当性ということで認められていることから、本件も6号該当による存否応答拒否とさせていただきましたということでございます。
    1枚おめくりいただきまして、資料8の2枚目です。こちらにつきましては、技術専門校の特定の職員が病気であったこと等がわかる記録という請求でございます。このような記録についても、その有無を答えますと、職員の病気等の状況という公務員の職務遂行情報ではない私的な事項である個人情報を明らかにすることになるため、2号該当、個人情報ということで存否応答拒否を行ったものでございます。
    もう1枚おめくりいただきまして、次に、建設局の案件でございます。これは都立霊園の特定の墓地を特定の方から別の方へ承継、相続された際の申請書類ということで、特定個人を指定した請求でございます。本件開示請求に関する公文書が存在しているか否かを答えるだけで、特定個人がこの霊園を利用しているかどうかも含めました個人情報が明らかになるため、2号、個人情報該当として存否応答拒否を行ったものでございます。
    以上、情報公開制度の存否応答拒否事案3件についてご報告させていただきました。
    なお今回は、個人情報保護制度につきまして存否応答拒否の案件はございません。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。質問などありましたら、お願いします。
  • 藤原委員
    結論は結構なんですが、最初のものは本人開示ではないんですか。1枚目の、これはご本人ではないんですか。
  • 高橋情報公開係長
    ご本人ではなくて、他の生徒のものというふうに聞いております。
  • 堀部会長
    情報公開条例に基づくのか、個人情報保護条例に基づくかによっても、また本人であれば個人情報保護条例で自己情報の開示請求権がありますが、そういうものではないということですね。
    それでは、報告事項の5は以上で終わらせていただきまして、最後に報告事項の6、その他につきまして、お願いいたします。
  • 三森参事
    本日は、大分足場が悪く、天候の悪いところご出席いただき、またご審議いただきましてありがとうございました。
    次の審議会につきましては、新年度に入りまして、5月ごろを予定したいと考えております。また細かい日程につきましては、事前に委員の皆様方にご都合等をお聞きしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
  • 堀部会長
    ほかに、委員の方でご発言等あればお出しいただきたいと思いますが、特にありませんでしょうか。終わってよろしいですか。
    それでは、以上をもちまして、第30回東京都情報公開・個人情報保護審議会は終了させていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時38分閉会

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