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平成29年(2017年)2月7日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第32回議事録)

第32回東京都情報公開・個人情報保護審議会

平成18年9月22日(金曜日)
東京都庁第一庁舎42階 特別会議室B

午前10時00分開会

  • 堀部会長
    ただいまから東京都情報公開・個人情報保護審議会第32回の会議を開催させていただきます。
    今回、渡邊委員が辞任いたしまして、かわりに大澤委員が就任しております。大澤委員に一言ごあいさつをいただきたいと思います。
  • 大澤委員
    ただいまご紹介いただきました大澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    渡邊が今までNTT労組東京の委員長をやっていたわけですけれども、本人が退任をして私にかわりましたので、渡邊の後任ということでよろしくお願いしたいと思います。論議内容は初めてなもので、ぜひ皆さんによろしくお願いをしたいと思います。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、事務局から報告があるということですので、お願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    本年9月4日付で事務局職員に人事異動がございましたので、報告いたします。情報公開担当副参事の志賀薫でございます。
  • 志賀副参事(情報公開担当)
    志賀でございます。よろしくお願いをいたします。
  • 堀部会長
    よろしくお願いいたします。
    それでは、本日の議事に入りたいと思います。お手元の会議次第にありますように、審議事項としまして保有個人情報を取り扱う事務の開始についてがあります。その後、報告事項が幾つもありますので、よろしくお願いしたいと思います。
    まず、審議事項の保有個人情報を取り扱う事務の開始についてですが、これは東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第1条の2の第1項に、実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合は意見を述べることができるというように規定しております。それに基づきましてここで報告していただき、それについて意見を述べるということで審議事項となっております。
    それでは、武市課長から説明をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    それでは、新規分の保有個人情報取扱事務について説明させていただきます。
    今回は青少年・治安対策本部の3件をはじめといたしまして、全部で29件のご審議をお願いいたします。事務の一覧は、資料1の1ページから3ページでお示ししております。5ページ以降は事務ごとの届け出事項となります。保有個人情報取扱事務につきましては本日現在で2,884件の事務をインターネットで公表しているところでございます。それぞれの新規開始事務につきまして簡単にご説明します。
    まず、5ページをお開きください。地域安全マップ作り推進に係る事務でございます。都では、子どもの安全確保のため、都内全小学校で地域安全マップをつくることを目指しております。この事務はマップづくりのための講座の開催、講座を修了した者を指導員として都が認定登録し、学校に派遣あるいは指導員名簿を都内区市町村へ提供する一連の事務でございます。受講生や認定申請者の識別番号、氏名、住所、生年月日、年齢、電話番号、職業、その他として活動可能な曜日、時間帯を記録いたします。
    6ページをお開きください。大東京防犯ネットワークにおける防犯ボランティア活動の紹介に関する事務でございます。青少年・治安対策本部では大東京防犯ネットワークという防犯ボランティア応援サイトを立ち上げておりますが、そのサイトの中で防犯ボランティア活動を紹介しています。ボランティア団体の代表者の氏名、住所、電話番号を記録いたします。これは備考にあります防犯ボランティア団体・活動に関する実態調査を基礎としておりまして、アンケート調査票の回収ですとかデータベースの作成を委託しているところでございます。
    7ページをごらんください。「スムーズ東京21―拡大作戦―」キャラクターネーミング募集でございます。都では、違法駐車が原因で特に渋滞が起こりやすい交差点付近の駐停車禁止区間を赤い舗装でわかりやすく示しておりますが、この舗装の普及啓発を図るためにキャラクターをつくりましたので、そのネーミングを募集しています。募集フォームからも応募できるようになっておりまして、記録項目は氏名、住所、年齢、電話番号、メールアドレスです。ネーミング募集につきましては委託契約を結んでいるということです。
    おめくりいただきまして8ページと9ページですが、総務局のお試し届出、お試し申請でございます。東京都電子自治体共同運営サービスによる手続を都民の皆様に体験してもらうものでございまして、識別番号として利用者ID、それから氏名、メールアドレスがシステムに記録されます。
    10ページをお開きください。都有施設整備ユニバーサルデザインガイドライン策定委員会は、学識経験者委員の氏名、住所、生年月日、年齢、電話番号、社会生活の項目の職業、職歴、学業、その他といたしまして口座情報を収集し、記録いたします。収集先のところで本人以外にチェックがついておりますが、これはインターネット等で公にされている個人情報を収集するとのことでございます。
    11ページをごらんください。東京都工事成績評定苦情審査委員会でございます。監督員及び検査員が行いました工事成績評定について、当該工事の請負者から申し立てられた苦情に関して調査、審議し、契約担当者に意見を表明するために設置された委員会でございます。記録項目はおおむねガイドライン策定委員会と同一です。
    おめくりいただきまして12ページです。都立文化施設のあり方検討会の運営でございます。検討委員の氏名、住所、生年月日、年齢、電話番号、性別、職業、職歴、学歴、学業、メールアドレスを本人及び公表された著書等から収集し、記録いたします。また、民間企業に検討会の運営支援業務を委託しております。
    13ページと14ページでございますが、こちらは構造計算書の偽装によって建設されたマンションの居住者に対する支援を都が国や区市と協力して実施する事務でございます。13ページの区市町村緊急構造計算書偽装問題対策事業補助事務は、区市町村が実施する家賃助成事業に対して都が補助金を交付するものであり、居住者の氏名、住所、その他としては移転費、仮住居家賃の支払い状況を記録します。また、保有個人情報の主な収集先が本人のところにチェックはなく、本人以外、そして他の官公庁となっておりますが、23区内の当該マンションにつきましては区が建築確認を行っておりまして、条例4条第3項7号、他の地方公共団体から収集することが事務の都合上やむを得ない場合といたしまして区から収集します。
    14ページの方は、内容的には同じなのですが、こちらは市部のマンションでございまして建築確認を都が直接行っていることから、構造計算書偽装により建設されたマンション居住者への移転費及び仮住居家賃の助成事務として、市を介さずに直接都が助成を行い、そのために記録項目も13ページと比較しまして若干ふえております。
    15ページの「医学系3研究所の統合整備」に関する説明会、それから16ページの東京都健康づくり応援団特別講演会の聴講者募集でございますが、こちらは説明会、講演会の出席者の氏名、住所、電話番号を本人から収集し、記録するものです。
    17ページをお開きください。花粉症患者の実態調査でございます。都内3区市を対象地区といたしまして実施します。無作為抽出した都民にアンケートを行いまして、氏名、住所、生年月日、性別、それから健康状態、家族状況を記録いたします。本人以外の収集先であります他の官公庁とは、ここにございますあきる野市、調布市、大田区を指しています。アンケートの送付及び回収、検診につきましては委託をしているということです。
    おめくりいただきまして18ページ、石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく救済給付でございます。本年2月3日に石綿による健康被害の救済に関する法律が国会で成立し、石綿による健康被害についての救済制度が設けられました。保健所においても認定申請を受け付けるため、新規事務として届け出があったものでございます。氏名、住所などの基本項目から始まりまして、健康状態、病歴、家族状況、職業、職歴、その他申請・給付に必要な事項など多岐にわたる個人情報が記録されています。認定申請に当たりましては医療機関からの診断書も必要であるため、本人以外の民間・私人というところにチェックがついています。
    19ページのペットボトル「東京水」通信販売事務は、「東京水」の通信販売を行うために、申込書の氏名、住所、電話番号を収集し、記録いたします。なお、一連の通信販売事務を委託しております。
    おめくりいただきまして20ページです。みまもりサービス実地試験に関する事務でございますが、離れて暮らすご家族の毎日の水道使用状況を電子メールで知らせて、水道の使われ方からお食事や入浴などの生活パターンを知って、離れていても家族の暮らしぶりを見守ることができるサービスでございます。このサービスの実地試験を行いまして事業化の判断を行うというものでございまして、見守る人の氏名、住所、電話番号、生年月日、年齢、性別、メールアドレスを、見守られる人の氏名、住所、電話番号、水道お客様番号、生年月日、年齢、性別、家族状況を記録します。見守られる方の同意を得て見守る方が申し込みを行います。メール等の通信環境調査や実地試験の運用業務については委託がございます。
    21ページは自動検針システムの実証試験に関する調査研究事務でございます。自動検針システムとは、検針員が現地に出向くことなく水道の使用量を自動的に読み取って、PHS通信装置を介して検針センターに使用量を伝送するシステムです。実証試験の協力者の氏名、住所、水道メーター検針値、メールアドレスを収集し、記録いたします。
    22ページは都立高等学校専門学校若年者就業支援事務でございまして、若者への就業支援の講座を開催することから、講座申込者の氏名、住所、年齢、電話番号を本人から収集し、記録いたします。
    23ページをごらんください。特別区の消防団員の資格届出事務でございます。震災等の大規模災害において特殊技能を持つ特別区の消防団員に災害活動を行っていただくために、特別区の消防団員の氏名、資格を防災部で把握しておくというものでございます。同じものを各消防署でも取り扱うことから、消防署として事務を届け出ましたのが25ページにございます。
    24ページは、優良防火対象物認定表示制度でございまして、火災予防条例に基づく認定を行うものですが、個人情報といたしましては申請者の住所、氏名、電話番号を本人から収集し、記録するものでございます。また、認定調査者については資格も記録します。
    26ページからは首都大学東京の事務でございます。
    まず、メールマガジンの配信では、氏名、職業、メールアドレスを本人から、27ページの公開講座事務では氏名、住所、電話番号、メールアドレスを参加申込者から、28ページの技術相談、知財相談事務では、相談者の氏名、住所、電話番号、職業、メールアドレスを相談者本人から収集し、記録いたします。
    29ページ以降は、本年4月に地方独立行政法人となりました東京都立産業技術研究センターの事務でございます。製品開発支援ラボは中小企業の製品開発や研究、技術開発を支援するために研究開発室を賃貸するものでございまして、利用を申し込む企業の代表者、担当者の氏名、電話番号、メールアドレス等が記録されます。
    おめくりいただきまして、最後30ページはこのセンターの職員採用事務でございます。氏名から始まりまして、ごらんのようにチェックのつきました記録項目が記載された履歴書を応募に当たって提出してもらうことから以上のように届け出ております。
    説明は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    この保有個人情報取扱事務届出といいますのは、お手元にあります個人情報保護の手引を見ていただきますと、第5条、趣旨とか運用について説明が出ているのでいきますと20ページにあります。20ページに第5条として、「実施機関は、保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは、東京都規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとするときは、変更する事項についても同様とする。」ということで、そこに1号から8号まで出ていまして、それをこうした書式にしてあって、届け出ることになっています。
    先ほど言いましたように、この審議につきましては、22ページに東京都情報公開・個人情報保護審議会規則がありまして、当審議会としますとこの1条の2第1項になりますが、条文を一つ一つ読みませんけれども、1号にあります「実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合」ということで、このような形で届出事項が出てきますので、それについて意見を述べることになります。
    ということですので、どうぞこれをご覧になって何か質問とか意見とかあればお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。
  • 秋元委員
    すみません。聞き漏らしてしまいまして、一番最初の1-5の基本事項の識別番号にチェックを入れている識別番号は何とおっしゃられたでしょうかというのが1つ。
    それから、1-15の「医学系3研究所の統合整備」に関する説明会の説明会出席者のその他のところは「質問事項(質問者のみ)」とあるんですが、こういう場合Eメールのアドレスなどはないんでしょうか、という2つです。
  • 武市情報公開課長
    1点目のご質問の識別番号は、指導員を登録することから、その登録番号を識別番号としているということでございます。
    それから、15ページのその他、「質問事項(質問者のみ)」とありますが、メールアドレスについては、記録しないと聞いております。
  • 堀部会長
    ほとんどの収集先は本人ですが、本人以外というのも幾つかありますけれども、それぞれの事務の性格上必要性があるということなのでしょうね。一つ一つは申しませんけれども、幾つか本人以外のところにチェック、本人と本人以外のチェック欄があって、両方にチェックしているところもあります。そのあたりどうなのかなと思いましたが、それぞれ必要性があってということだと思います。
  • 武市情報公開課長
    本人以外のところで今回チェックがついた項目はインターネット等公表されているもの、それから発表した著作物等から収集するということです。それから、事務の流れといたしまして、区を介して都が補助していくような場合には、直接ご本人から都が個人情報を収集しているわけではございませんので、7号にチェックをつけてございます。
  • 堀部会長
    最後の1-30の新規職員採用の場合なども、本人だけで、本人以外からというのはないのですか。一般に都職員の採用の場合などもそうですか。
  • 武市情報公開課長
    新規採用職員ということであれば、基本的には本人からです。
  • 堀部会長
    今回の分を合わせて届出件数はどのくらいになっていましたか。
  • 武市情報公開課長
    9月1日現在で2,884件でございまして、今回の審議対象が29件、そのほかの新規開始案件を追加して、2,937件です。
  • 堀部会長
    保有個人情報を取り扱う事務はこうだということは、これは先ほどの個人情報保護条例の手引の次の条文第6条、23ページになります。第6条で「知事は、前条第1項又は第3項の規定による届出に係る事項について目録を作成して、公表し、かつ、一般の閲覧に供しなければならない。」というようになっています。そこの運用のところに※印がありまして、目録等の閲覧場所は次のとおりということで、都民情報ルームというのがこの建物北側の3階にありまして、そこで目録を見ることができます。それと、東京都公式ホームページに出ていますので、こういう形でどういう事務でどのような個人情報を扱っているかを公開している、こういうことであります。
    よろしいですか。
    それでは、審議事項は以上で終わりまして、次に報告事項に入ります。
    3の報告事項のまず(1)が情報公開制度及び個人情報保護制度の運用状況で、これは高橋係長からお願いいたします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、情報公開制度の運用状況について説明させていただきます。資料2をごらんください。資料2は平成17年度東京都の情報公開制度の運用状況についてという形で、平成18年7月27日にプレス発表したものでございます。上の1枚両面が概要版となっておりまして、3ページ以降が情報公開制度運用状況年次報告書本体という形になっております。資料2、概要版から説明させていただきます。
    まず、二重線括弧内に書かれていますように、今年度の特徴としまして、開示等の決定件数は過去最高だった前年度とほぼ並んでいること、そして内容別決定件数を見ますと、建築計画概要書が前年度の4倍に伸びているということが挙げられます。
    1、開示請求の処理状況です。平成17年度開示等決定件数は3,467件になっており、内訳を見ますと、開示が1,748件、一部開示が1,239件、非開示が57件、不存在等が423件となっております。開示決定件数のうち開示決定、つまり全部開示のことですが、これが占める割合は50.4%となっております。
    情報公開制度の開示決定件数の推移を下のグラフで示させていただいております。昭和60年に制度が始まりまして、最初は100件から200件程度でしたが、徐々に増加いたしまして、平成7年、8年に一度ピークを迎えたのですが、その後一時少なくなりまして、その後また徐々に盛り返してきまして、昨年、今年と過去最高レベルという形で件数が伸びているところでございます。本年度ちょっと前年度より件数が減ったように感じますが、下の※印にありますとおり、平成17年度から件数の集計方法を変更した関係で少し下がったような形になっております。
    次のページをごらんください。内容別決定件数です。内容別決定件数上位5位を示させていただきました。一番多かった請求内容は食品営業許可申請関係で、昨年度に引き続き1位という形になっております。2番の貸金業登録名簿関係、これも昨年度多かったものですが、今年度の特徴といたしましては3位にあります建築計画概要書関係が前年度の4倍という形になっております。
    2番、不服申立て件数及び情報公開審査会の運営状況でございます。平成17年度の不服申立て件数は40件、審査会は総会2回を含めまして、3つの部会で運営しているわけですが、32回開催しております。新規諮問39件受けまして、答申を平成17年度は47件出しております。
    3番、情報公表・提供の状況は、公表件数470件、提供件数4,110件となっております。
    それでは、情報公開の年次報告書本体も簡単に説明させていただきます。
    まず、資料2-5をごらんください。こちら公文書開示制度の運用状況、開示請求の処理状況が載っております。内容については、先ほど概要でご説明したところでございますが、平成17年度3,467件という形になっております。
    1枚おめくりいただきまして2-6です。こちらは先ほども説明しましたが、請求内容別の決定状況、先ほどはベスト5でしたが、その状況について細かく載っているところでございます。
    2-7は(2)という形で実施機関及び局別の開示請求処理状況が載っております。平成17年度は一番多かった局が都市整備局となっておりまして、先ほど建築計画概要書関係などもございましたとおり、こちらの件数が伸びているところでございます。2番目が福祉保健局、3番目が警視総監となっておりまして、福祉保健局や警視総監は昨年度に引き続きやはり上位を占めているところでございます。
    資料2-9をごらんください。2番として東京都情報公開審査会の運営状況を記載しております。不服申立ての状況としまして、平成17年度の不服申立ては40件、東京都情報公開審査会の運営状況としまして32回開催し、47本の答申を出している旨、記載しております。
    その裏面からは不服申立て、諮問及び答申の件名等の一覧が続いております。
    2-14のところには情報公開審査会の構成として委員の名簿が記載されております。
    資料2-15には、3、東京都情報公開・個人情報保護審議会の運営状況が記載されております。この情報公開・個人情報保護審議会につきましては、昨年、平成17年度は8月、11月、2月と3回開催させていただきました。下の方には審議会の構成が載っております。
    以上、簡単でございますが、東京都の情報公開の運用状況についてご説明させていただきました。
  • 堀部会長
    続きまして、岡本係長からお願いします。
  • 岡本個人情報係長
    それでは引き続きまして、平成17年度の個人情報保護制度の運用状況についてご説明申し上げます。資料3でございます。1ページ及びその裏の2ページが概要版でございまして、その後に年次報告書を14ページにわたってつけさせていただいております。主として概要版に沿ってご説明を申し上げます。
    まず第1に、個人情報を取り扱う事務の届け出の状況でございますが、17年度末で届け出の総件数が2,652件となっております。16年度末では2,563件でしたので、89件ほどふえてございます。
    届出事務の局別内訳でございます。恐れ入りますが、報告書の3-5をごらんいただきたいと思います。特に数の多いところを拾いますと、福祉保健局が658件、都市整備局で266件、産業労働局で253件などとなっております。
    恐れ入ります、概要版にお戻りください。概要版の2、開示・訂正・利用停止請求の状況でございます。17年度は開示請求が850件ございました。訂正請求及び利用停止請求はございませんでした。開示決定の内訳といたしましては、全部開示が682件、一部開示が97件、非開示が23件、不存在等が48件となっております。その下に制度が始まってからの開示請求件数の推移のグラフがございますけれども、昨年度に比べまして30%の大幅な増加となっております。
    おめくりいただきまして、その一番上にどういった開示の請求があり、どういう事案についての案件が多いかということで上位5つを記載してございます。第1位と第2位は昨年度に引き続いて同じでございまして、1位が身体障害者手帳関係、2位が都立病院の診療情報関係となっております。3位に17年度新たに職員情報関係というのが入ってございますが、これは17年度から職員が自己の職員情報の開示請求をすることが可能になったことによって入ってきたもので、この164件の増加が先ほど申し上げました850件、30%伸びたことの主な原因になっているかと思います。
    非開示の理由についてでございます。恐れ入りますけれども、報告書の3-11ページをごらんいただきたいと思います。中段のところにございますが、非開示の理由別状況でございます。1つの案件で2つの理由に該当する場合がございますので重複して掲示をしておりますけれども、どのような理由でどのような対象の個人情報が非開示になったかということで記載しております。目立つところ、多いところを見ますと、2号の開示請求者以外の個人に関する情報ということで非開示にした事案が51件ございます。また、6号の行政運営情報ということで、これは人事評価情報というようなものが多いんですが、84件ございまして、このあたりが目立つところでございます。
    恐れ入ります、また概要版にお戻りいただきます。3の不服申立て件数と個人情報保護審査会の運営状況でございます。17年度におきましては新規の不服申立てが10件でございました。これに対しまして審査会は、総会2回を含めまして24回開催いたしております。前年度以前からの継続案件を含めまして、答申に至ったものが7件、審議中のものが9件となっております。
    詳細につきましては、3-12ページから13ページにかけて表が掲げてございます。この表で一番最初に2件、13年に異議申立てのあった2件がこの表ではまだ審議中になってございますけれども、これは別途裁判が進行していた関係から答申がおくれていたものでございますが、この2つについては今年度に入って6月に答申が出されて終了しております。
    それでは、また概要版にお戻りください。最後に、17年度から開始いたしました個人情報保護に関する相談の受付状況でございます。17年度総計で2,156件受け付けをいたしました。内訳といたしましては、都民からの相談が63%、事業者からの相談が20%、残り17%が行政機関からの相談となっております。その下の表はどういった対象分野で都民からの苦情が多いかということを示したものでございますけれども、金融・信用情報で18%、情報通信で11.6%、不動産業関係で11.5%、医療・福祉関係で6.3%、教育関係で6%などとなっております。
    以上、個人情報保護制度の17年度の運用状況につきまして概要説明をさせていただきました。
  • 堀部会長
    続きまして、本年4月に実施機関入りしました警視庁の状況につきまして河原係長からお願いします。
  • 河原情報公開担当係長
    本年4月に実施機関入りしました警視庁の状況について報告いたします。お手元の資料には載せておりません。8月末現在の数字ですけれども、57件の請求がございました。主なものといたしまして生活相談、それから110番通報内容のものでございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    それでは、続きまして、都立学校における安全管理規程の整備状況につきまして武市課長から説明をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    昨年8月より個人情報の安全管理規程の整備ということで全庁的に取り組んでまいりました。前回の審議会でご意見をいただきました教育庁の取り組み状況でございますが、本日は教育庁学務部の前田高等学校教育課長から説明させていただきたいと存じます。
  • 堀部会長
    それでは、教育庁学務部の前田高等学校教育課長から説明をお願いしたいと思います。
  • 前田高等学校教育課長
    高等学校教育課長の前田でございます。資料4をごらんいただければと思います。前回、特に教育庁関係で個人情報に関する安全管理規程の整備が非常に悪いというご指摘を受けまして、それにつきまして今の教育庁の取り組み状況と課題について簡単に説明をさせていただければと思います。
    まず、現状でございますけれども、教育委員会としては個人情報の取扱事務要綱、それから服務に関する通知等を出しまして、学校に対しても基本的には適正な個人情報の取り扱いについては周知をしているところでございますけれども、学校職員の勤務の特殊性もございます。特に子どもの指導関連の個人情報になるんですが、そういったものの外部持ち出しがございまして、実態としては紛失・漏えい事件が発生していることがございます。
    これについて都教委としても課題として少し整理してございますけれども、もちろん個人情報の持ち出しについては原則禁止というところは押さえなければいけないと思っているんですが、実際には子どもの指導に関して特に熱心に指導されるような先生については外部に持ち出し、自宅に持ち出して成績処理等をするといった実態がございまして、これを一律禁止することはかえって教育活動を妨げるようなこともあるのではないかと考えてございます。
    それで、現状としては、ここに書いてございますけれども、学校で取り扱う個人情報については1個1個点検した上で、原則外部持ち出し禁止のものとか、一定の条件では承認をしていかなければならないもの、こういったものを学校の教育活動の実態に応じて区分していきたいと考えてございます。今その作業をしているところでございます。
    それから、2点目として、ただ、そうはいっても都立学校も当然行政組織の一部でございますから、関連の条例規則等との整合性をとっていかなければいけない。これについては本審議会の所管課でございます情報公開課等との調整を図っていきたいと考えてございます。
    それから、3点目は、少しこれが課題なのですが、当然こういった基準を定めた場合には処分との関係が出てまいります。都立学校の場合は直接問題はないんですけども、区市町村立学校の教職員も任命権は東京都が持っていますので、いわゆる処分発令は都がやるということがございまして、ここら辺との整合性も当然とっていく必要がある、この辺が少し課題としてございます。
    そういったことはあるんですけれども、当然これら諸規程の整備が必要だと考えておりまして、現在庁内の検討組織をつくって、12月ぐらいを目途に都立学校の個人情報取扱安全基準を定めていきたいと考えてございます。
    説明は以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまそれぞれ分担して説明をしていただきました。これは情報公開制度及び個人情報保護制度の運用状況であります。これらにつきましてご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
    最後の都立学校における個人情報の安全管理に関する規程の整備についてということで、今後のスケジュールが出ていますが、本年12月を目途に都立学校個人情報取扱安全管理基準を策定する、こういうことになっています。お話を伺っていて、学校というのはほかの局と違う特殊性があるように思いますが、できるだけ早く策定していただくとよろしいかと思います。
    ここにも出ています課題等がありまして、これは大学でも同じような状況があって、私は、中央大学の個人情報保護委員会の委員長を務めていますが、去年の個人情報保護法の全面施行で私立大学も個人情報保護法の適用を受けますので、そこをどうするのか、いろいろ議論をしました。
    特に試験の採点などになりますと、研究室で採点して、その結果を事務に届けるという人もいますが、家に持ち帰る人がかなりいまして、なかなか実態はつかめません。途中で紛失した場合などどうするのか等々の問題があります。研究室だけでは到底無理だということで家に持ち帰る必要がある、こういう人もいまして、それを全部研究室で採点するというようにできるか。それから、非常勤講師の方もかなりいまして、その場合には、試験が終わったところでそのまま持ち帰る人もいますし、あるいは事務が整理をして後日送るようなこともあります。そうしますと自宅で、学校外で個人情報を取り扱うことになるので、何か問題が起こったときどうするか等々あって、都立学校の状況も大変よくわかります。
    これは大学でも同じですが、何か問題が起こったときにどう対応するのか。また、いろいろ実際に問題が出てくる可能性もあったりして、どうすべきなのかということがあります。いずれにしても、まずこのような管理基準を早急に策定していただくというのが重要な意味を持つのではないかと思います。
  • 藤原委員
    1つ教えていただきたいんですけれども、最後の都立学校における個人情報の安全管理に関する規程の整備についてですが、1の「現状」の最後のところで「指導関連の個人情報の外部持出し等による紛失・漏えい事故が発生している。」という認識なんです。これに関連しまして2の最初の「・」で「特殊性を踏まえ」「実態に即した」と書いてあるんですけど、その場合、この特殊性の中には同窓会だとかPTAだとか出入りの業者だとか、あるいは予備校とか模擬試験とか学校関連のことは入っているんでしょうか。それとも、これは「指導関連」と書いてあるので学校内部のことだけを考えておられるんでしょうか、そのあたりはどうなっているんでしょうか。
  • 前田高等学校教育課長
    それも非常に難しい課題ではあるんですが、ここでは指導関連ということを少し取り上げていますが、PTAとか同窓会関連の個人情報についても学校管理下の中では当然関係してくる部分があるとは考えています。ですから、理想形としてはそういったことも含めて基準がつくれればいいんですが、実際は非常にデリケートな部分がございますので、きれいに整理できるかについては少し検討が必要だというふうには思ってございます。
  • 藤原委員
    きれいに整理できるかどうかはともかくとして、関連の業者とかPTAとかからデータが漏れたり、名簿をつくるかどうかというような問題ではなくて、いろいろ情報公開している過程でなくなったり、あるいは都立の学校でも委託はしていると思うんです。そういったところから紛失、漏えいがあったときに、きれいに整理できていないから事故が起こったというのは多分理由にならないという話になると思うんですけれども、それは大丈夫でしょうか。
    つまり、ここは条例の話もありますけれども、多分個人情報保護法の話も出てくるでしょうし、全体としてどういうふうに動いているのか、どこで問題が生じているのかは把握しておられるんでしょうけれども、把握して一番危ないところはやっぱり押さえておかないとまずいんじゃないかという気はするんですが、いかがでしょうか。
  • 前田高等学校教育課長
    個人業者との契約等の関係は、別に学校に限らず極めて一般的なことですので、これは一般論としては武市課長等でお話しいただくのがいいかと思うんですが、特に学校の関係でいえば、PTAと同窓会というのが個人情報としてはあると考えています。ただ、同窓会なんかの場合は学校とは別個に任意団体として動いていますので、そういったところが個人情報の関係でどうなるかということについては私もまだ十分整理していないところがあるという意味で申し上げました。それについても一定の整理が必要であろうとは考えてございます。できるかどうか、ちょっと難しいところはあるんですが、そういう問題があるということは一応認識してございます。
  • 堀部会長
    同窓会の名簿をどう扱うかというのは大学でもかなり大きな問題になっていまして、申し上げればいろいろありますけれども、都立学校の場合、どうですか。大体、同窓会というのは別の任意団体になっているということでしょうね。そうしますと、東京都の条例適用というよりも個人情報保護法の適用を受ける場合があるかと思います。ただ、学校によっては5,000人を超えないところもあるかもしれません。大抵は超えていると思いますけれども、個人情報取扱事業者にならないとすると東京都の条例、これは事業者についてのところですが、それを適用することもあるかと思います。いずれにしましても、学校はほかの局と違うところもありましていろいろ大変かと思いますが、ぜひ対応していただきたいと思います。
  • 茂木委員
    都立学校に関係なく基本的なことで教えていただきたいんですが、例えば今都立学校の規程の整備という話が出ましたけれども、個々にいろいろなところで規程をつくるときに、ここで書いてあるような形で例えば整合性を図ったりなんか、そういう範疇でつくられるものなんですか。個別に幾つもつくっていくというようなことなんですか。
  • 武市情報公開課長
    昨年8月に安全管理のモデル基準というものを情報公開課で示させていただきました。お手元の藤色の手引304ページになります。こちらは非常に基本的な事項を盛り込んだ形で、最低限これくらいは定めてくださいという形でつくりました。ただ、東京都は非常に広い事務を取り扱っておりまして、旅券課のように本籍情報ですとか、いろんな情報を持っているところ、それから主税局のように税務情報関連、取り扱う個人情報の質に差があるだろうということで、基本的な形をお示しした上で、局、課が個人情報を取り扱う状況に応じて考えて、より厳重にやるところとか考えてつくってくださいという形でお願いをしているところでございます。
    その結果、本年4月現在では、今の教育委員会を除きまして、すべての局において基準が一応はできたという状況になっております。
  • 堀部会長
    そうすると、前回の審議会に出てきた資料で、どこでどの程度規程が整備されているかというのがあって、この前の段階で都立学校の場合には何%ぐらいだったですかね。今、資料が手元にありますか。
  • 岡本個人情報係長
    都の場合、都立学校まで含めまして課の数で大体1,500強の組織がございまして、そのうち都立学校関係を除いては今年3月末までにほぼ規程の整備が終わってございます。ですから、あと都立学校関係が予定どおりできればほぼすべての組織について、課レベルでこういったモデル基準またはそれを加工したその組織に合った規程ができるというふうに考えております。
  • 武市情報公開課長
    教育委員会は学校を含めまして306の対象のうち、未整備が274という状況でございました。
  • 堀部会長
    規定を守るのは当然ですけれども、規程ができたからといって、事故が起きないかということになると、規程が整備されても事故は起きますので、そこはまたさらにどうするのかという問題として個人情報保護の観点から議論をしなければならないところです。まずは必要最小限のものとして規程の整備はしていただく必要があるのではないか、こういうところであります。
    ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
    それでは、次に報告事項の(2)としまして個人情報保護に関する相談の概況につきまして福田係長からお願いいたします。
  • 福田個人情報担当係長
    それではご報告いたします。お手元の資料5をごらんください。平成18年度上半期の相談の概況でございます。
    まず、相談件数でございます。表1をご覧ください。平成18年4月1日から8月31日までの間に合計683件の相談を受け付けました。うち、都民等から432件、事業者から122件、行政機関から129件の相談がございました。相談全体のうち約6割が問い合わせとなっております。
    表2でございますが、最も多い都民等からの相談の半数を占める苦情について見ますと、一番多かったのが不動産業の分野、次いで金融・信用、情報通信分野となっております。
    表3の相談内容では、都民等からは漏えい・紛失に関するものが最も多く、次いで不適正な取得、同意のない提供に関するもの、事業者からは同意のない提供、漏えい・紛失、目的外利用に関するものという順になっています。行政機関からは、開示等、同意のない提供、目的外利用に関するものという順でした。
    表4の処理状況では、相談全体の約半数で指導・助言を行っており、次いでその他情報提供でした。
    次に、相談事例をご紹介いたします。裏面をごらんください。
    まず、事業者とのあっせんを行った事例を2つご紹介します。
    1つ目として、不動産業者に個人情報を登録したところ別の業者から勧誘が来た、その情報の入手先を聞いても教えてもらえない、不正に取得したとしか考えられない、勧誘方法が強引で非常に迷惑している、業者を取り締まってほしいという苦情がございました。これを受けまして、まず相談者に対し、個人情報保護法上入手先を突きとめるのは困難だが、事業者は申し出があれば勧誘をやめるなど誠実な対応を行うべきであり、また宅地建物取引業法により不当な勧誘方法については規制されていることを説明しました。その上で不動産業を所管する都市整備局より指導を行った結果、事業者はこの相談者の個人情報を名簿等から削除し、相談者の納得を得たというものです。
    もう1つは、相談者が土地の所有者で、店舗と幾つかの住戸を取得する条件で業者とマンション建設契約を行ったものです。工事説明会において事業者が近隣住民に対し、この土地所有者の住戸取得の予定など個人情報を話してしまったという苦情がありました。相談者自身が事業者に苦情を申し入れましたが、きちんとした対応がないということでした。都から事業者に連絡して事実の確認をしたところ、社内で報告が行われておらず、対応した部署では、話した内容は個人情報とは考えられないという回答でしたので、個人情報の第三者提供に該当する旨説明し、相談者に対して対応を行うよう指導を行った結果、事業者が相談者に文書によって謝罪を行ったというものです。
    また、このほか幾つか事例を掲載いたしました。
    個人情報の取得・利用に関するものとして、銀行で口座名義の変更手続を行う際本人確認のために免許証のコピーをとられた。必要があるのかというもの。街頭で3,000円が当たるキャンペーンを行っていて、住所、氏名、連絡先を記載して申し込んだが、英会話学校から勧誘があった。利用目的の明示をしていないのではないかというもの。事業者からの相談で、名簿業者から名簿を購入してダイレクトメールを出していいのか、といったものがございました。
    第三者提供に関するものとして、電話会社の代理店から勧誘があって、その勧誘方法について本社に苦情を言ったところ、代理店から直接自分に連絡があった。代理店に情報を提供することについて自分は同意していないというもの。事業者からは、以前やめた社員が再就職するが、その会社から元社員の情報を聞かれたが答えていいかというもの。
    本人関与の仕組みに関するものとして、契約先の事業者で情報漏えいがあった、不安なので自分の情報を削除してほしいというもの。
    いわゆる過剰反応的なものとして、保育園の名簿に関するもの、自動車整備工場が本人に対してダイレクトメールを送るのに個人情報を載せていいか、といったものが寄せられました。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    何か質問、ご意見をお出しください。
    件数としますと、平成17年度、昨年、個人情報保護法が4月1日に全面施行されてから数カ月多かったですね。その後、月平均で百何件とか伺ったような気がしますが、今年に入ってからも、これですとあまり減っていないという状況でしょうか。上半期でいつまでですか。
  • 福田個人情報担当係長
    4月1日から8月31日までの間に683件ですので、月130件程度で推移しております。法施行直後で相談が非常に多かった昨年の4月から6月を除くと、昨年の7月以降ほぼ同じ状況が続いております。
  • 堀部会長
    かなり多いと見ていいのかと思いますが、国民生活センターが個人情報保護の相談として受けているのは、平成18年度になりますと月平均で126件と言っています。もっとも17年度も月平均にすると138件だということで、国民生活センターと同じぐらいの相談件数が東京都にはある、こういうふうにも言えるかと思います。それだけに対応がなかなか大変だろうと思いますが、そういう中で適切に対応していただいているのではないかと理解いたしました。
  • 高橋会長代理
    相談事例の真ん中あたりで、以前やめた社員が再就職することになり、その会社から元社員の情報を聞かれた、答えてよいかという質問が来たということです。これはどういうふうにお答えになったんでしょうか。
  • 福田個人情報担当係長
    本人の同意なく直接情報を提供するのは第三者提供に該当しますので、まず本人に連絡をとってはどうかと話しました。本人と連絡がとれなければ、再就職先の会社から本人に同意をとるよう助言しました。
  • 高橋会長代理
    恐らく雇う側から考えると、新しく雇う人についての情報は欲しいと思うんですよね。そのときに、常に面接のときに調べてもいいかという同意をとらなきゃいけないということになるのか。私も個人情報保護法を多少は勉強したんだけれども、限界事例で何かいろいろな方法がないのかなと考えたことがあるんです。こういう問題もいろいろ考えたんだけど、なかなかうまい方法はないのかなと感じていたものですから、どういうふうにお答えになったのかと聞いたんですけれども。
  • 堀部会長
    藤原委員、これ、どういうふうにしたらよろしいですか。
  • 藤原委員
    外国だと、だめなところと、いいところとあります。アメリカなんかは別に構わないんですね。これはどういう議論をしましたっけ。
  • 堀部会長
    日本だと個人情報保護法23条第1項で「あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」、この規定との関係で答えられたかと思いますが…。
  • 藤原委員
    労働省の指針をつくったときにこの問題が出たんですけれども、何も書いていなかったでしたっけ。労働者のという…。
  • 堀部会長
    行動指針の方ですか。
  • 藤原委員
    そうですね。
  • 堀部会長
    前につくった方ですね。あれは多分まだ生きていると思うのですけれども、どういうふうにしていましたかね。
  • 藤原委員
    いや、原則は今のような考え方に落ちついたのだったかもしれません、使われ方がいろいろあるというので。
    私も1つ聞いてよろしいですか。
  • 堀部会長
    どうぞ。
  • 藤原委員
    1の2番目の箱の、土地の所有者が取得予定だという個人情報を話してしまったというので、個人情報の第三者提供に該当するから謝罪したというんですけれども、この根拠はどこになりますか。
  • 福田個人情報担当係長
    近隣住民に対して個人情報を知らせてしまったという点で第三者提供に該当すると回答しました。
  • 藤原委員
    ただ、第三者提供は個人データですよね。情報でなくてデータです、法律の方は。
  • 堀部会長
    23条は個人データなので、個人情報データベース等を構成する個人情報かどうか。
  • 藤原委員
    いや、これが行き過ぎると結構口頭での説明ができなくなる場合があるので、微妙な事例かなと思いました。
  • 福田個人情報担当係長
    社内で検索できるデータであれば該当するかと思います。
  • 藤原委員
    載っていなければ、23条の義務規定ではないんですね、データではないから。となると、モラル規定だけれども、モラルとして見れば、近隣説明の中だからひょっとしてあり得ることかなと。そこら辺はおっしゃるように微妙なところですけれどもね、その現場の状況で。ただ、確かに個人情報の第三者提供なんですけれども、23条は個人データの第三者提供なんですよね。そこが義務規定にまではできないだろうという前提でなっているので、微妙な事例かなという気がしました。
  • 堀部会長
    23条の条文は個人データですけれども、個人情報というふうに考えていて提供しないというのがよくあるようですし、いろいろ関連して問題が出てくると思います。
    大澤委員、かかわっているかどうかわかりませんけど、組合の場合などは、例えば選挙のとき、どこかに情報を提供するようなことがあるかと思いますが、どういうふうに扱っておられますか。
  • 大澤委員
    組合によっていろいろ違うんでしょうけども、NTT、私どもの組合では個人情報保護の規程を組合でつくりまして、これを組合員に公開していますね。組合員に、こういう規程で情報を使いますと、この場合はこういうふうに使いますというのを明示しています。
  • 堀部会長
    そうすると、本人の同意を得ているというふうに見ているのですかね。
  • 大澤委員
    同意を得ているというふうに。ホームページ上でうちは出していますので、全組合員がそれを見られるという方式をとっています。
    選挙に関しては、同意者の名簿については同意した内容について使用するということですね。それもホームページ上皆さんにお知らせをして、一定期間後に苦情がない限りにおいては、オプトアウト方式で内部だけ扱えると。ただ、第三者のところにそれを提供することはできないというやり方ですね。
  • 堀部会長
    この前も組合の方から、選挙のときにいつも議論になるのでどう考えたらいいかというようなことで意見を聞かれました。各組合ともどうしていいか困っているというような話もありまして、NTT労組はそういう形でやっておられるのですね。
  • 大澤委員
    そうですね。組合独自でデータベースを持っていますので、会社のデータベースを使っているんじゃないので。
  • 堀部会長
    会社のものではなくて、組合独自に組合員のデータベースがありますね。
  • 大澤委員
    ほとんどの組合は会社のデータベースを共用しているんだと思うんです。だから、使い方は非常に難しいと思うんですね。
  • 堀部会長
    ということで、相談内容、相談に対してどう答えるのか、相談してくる側からすると、そこで何らかの解決策を知りたいということにもなりますので、これからもこの役割はかなり重要な意味を持つようにも思います。ぜひ適切に対応していただくとよろしいかと思います。
    よろしいでしょうか。
    それでは次に、(3)個人情報取扱事務要綱に基づく報告の概況と(4)個人情報に係る事故報告につきまして岡本係長からお願いいたします。
  • 岡本個人情報係長
    それでは、ご報告いたします。資料6をごらんください。個人情報取扱事務要綱に基づきまして、庁内における個人情報の取り扱いの状況をまとめてございます。
    まず、1の本人外収集でございますが、保有個人情報取扱事務の届け出におきまして、もともと本人外収集の届け出をしていない場合に、例外的に個人情報を本人以外から収集したときに報告を求めているものでございます。個人情報保護条例4条3項に1号から7号の該当事項がございまして、1号は本人同意がある場合でございますけれども、7月までに13件となっております。例示を挙げれば、職員の安全衛生事務におきまして休職とか復職にかかわる診断書を本人の同意を得て医療機関から収集した事案でございます。2号から4号までは該当事案がございません。5号の本人から収集することはできないという事案1件は、生活再建資金貸付金に関し、本人が行方不明になったため、公用で住民票等を取得したものでございます。6号の事案でございますが、争訟等、本人から個人情報を収集したのではその事務の適正な執行に支障があるような場合で9件という数字になっております。事例としましては、生活資金貸付金の債権回収手続のために戸籍、住民票、不動産登記簿等を収集したものでございます。
    続きまして、2の目的外利用・提供についてでございますが、保有個人情報は本来の取得目的のみに使うのが原則で、例外として条例10条2項1号から6号まで定めがございまして、それに該当する場合は例外的に当初の目的以外の利用・提供が可能となっております。まず、1号は本人の同意がある場合でございます。数字的には308件報告がございました。事例としましては、育英資金貸し付けにかかわる未返還額を本人の同意の上で自己破産申立てのため法律事務所に提供したもの等でございます。2号でございますが、法令に定めがある場合でございます。件数が非常に多くなっておりますけれども、税の課税関係の情報で、水道局の給水契約に関する情報を税務署や都税事務所、区市町村等に提供した事例や旅券発給に関する情報を捜査機関に提供したものなどの事例がございます。3、4、5号については7月までに報告はございません。6号でございますが、同一実施機関内で利用する場合や国や他の地方公共団体に提供する場合で事務に必要な限度で利用し、かつ利用することに相当な理由があると認められる場合でございまして、62件の報告がございました。事例としては、診療所台帳、歯科診療所台帳、薬局台帳等の情報を、地域の医療機関リストを作成するということで市に提供したものでございます。
    続きまして、3番目は開示、訂正、利用停止請求の件数でございますが、今年度は7月末までに開示請求が356件ございました。そのほかに利用停止請求が2件ございました。ちなみに、昨年度の同時期の開示請求件数は307件ですので、昨年度に比べれば今のところ16%の増加となっております。
    続きまして、4番目でございますが、個人情報の漏えい等の事故でございます。表にあるように、これは9月半ばまでとっておりますが、5件の事故が報告されております。個々の内容につきましては、1枚おめくりいただきまして資料7をごらんいただきたいと思います。
    1番目は発生が4月7日になっておりますが、報告が上がってきたのが7月ですので、前回の審議会ではご報告していない案件でございます。都立学校の教諭が児童から提出のあった個人情報が記載された書類を学校内で紛失したという事故でございまして、当初、保護者と教諭との間だけでやりとりをしておりましたが、らちが明かず、2カ月ほどたってから保護者が学校に相談して公になったものでございます。学校では書類の受け渡しに関する校内体制を検討するとともに、全教員に対して個人情報の取り扱いについての再確認と、問題発生時の上司への速やかな報告について徹底を図ったところでございます。
    2番目の事故については、前回審議会で報告済みですので、省かせていただきます。
    3番目の事故でございますが、都立養護学校におきまして児童1名の個人情報がインターネット上に流出したものでございまして、新聞にも報道されております。教員が自宅のパソコンに一時的に保存していた教育指導資料がファイル交換ソフトを介して流出したものでございます。5月ごろに流出したものと思われますけれども、7月になって国からの連絡で気がついたものでございまして、すぐに児童、保護者に謝罪するとともに、都立学校の校長会を開きまして、改めて個人情報の管理について周知を図ったところでございます。
    4番目の事故でございますが、都立学校の指導員が自分のパソコンを職場に持ち込んで仕事をしていて、そのパソコンを自宅に持ち帰る際に車上荒らしに遭いまして、車からパソコンを盗まれたものでございます。パソコンには児童生徒等の個人情報が18件入っていたということでした。学校では、個人情報流出の可能性のある児童生徒全員に謝罪をするとともに、全教員に対して個人情報の管理、記録媒体の学校外への持ち出しの禁止等について再確認をし、再発防止に努めたところでございます。
    5番目は、つい最近発生した事故でございまして、新聞でも報道されているんですが、都税事務所の職員が未納都税の徴収のため複数の納税者宅を訪問した際、持っていた納付書、滞納金額内訳書1名分をなくしたというものです。すぐに警察署に届けまして、また事務所を挙げて移動経路をたどって探したところですが、発見はできませんでした。主税局におきましては全都税事務所の課長会を招集して注意喚起を行っております。
    それから、最後の参考として記載しておりますものは、実施機関で発生した事故ではありませんが、都の公の施設の管理運営に関して指定管理者が起こした事故でございますのでご報告させていただきます。事故の概要ですが、財団法人東京都歴史文化財団が指定管理者として管理運営を行っている都立現代美術館において、メールニュースを配信登録者に配信する際、アドレスをbccに入れるべきところを誤ってあて先の方に入れてしまったために、配信登録者全員258名分のアドレスを表示させてしまったという事故でございます。配信後すぐに誤りに気づきまして、おわびメールを送信いたしました。また、今後このような事故が起こらないように、送信システム上の対策の検討を行うとともに、財団全職員を対象とした個人情報保護研修を実施することとしております。
    ご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまの報告につきましてご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
    事故もいろいろなところで起こっているのと類似のものでありまして、かなりいろいろなところで注意をしているのですが、どうしてもこのようなことが起こってしまうということかと思います。それだけにこのような事故が起こらないように細心の注意を払う必要がある、こういうことかと思います。
    よろしいでしょうか。
    それでは次に、報告事項の(5)存否応答拒否事案につきまして高橋係長からお願いいたします。
  • 高橋情報公開係長
    それでは、情報公開制度の存否応答拒否事案11件についてご報告させていただきます。時間も押してまいりましたので、簡単にご説明させていただきます。
    存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例10条、桜色の手引の56ページに載っておりますが、「開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否――あるかなしか――を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」という規定でございます。この存否応答拒否案件につきましては、情報公開条例施行についての通達及び情報公開事務取扱要綱の規定により審議会にご報告させていただくことになっております。11件の内訳といたしまして、生活文化局1件、福祉保健局2件、病院経営本部3件、警視庁3件、首都大学東京2件となっております。
    それでは、資料8を順番に説明させていただきます。
    まず、資料8-1です。初めは福祉保健局の保健所の案件でございます。こちらは保健所に対して特定の個人が食中毒の検便を行った際の結果報告書についての開示請求でございます。こちらにつきまして、5の存否応答拒否を行った理由にありますとおり、本件対象公文書が存在するかどうかを明らかにしますと、特定個人が検便を行ったか否か、食中毒の検査を行ったかどうかという個人に関する情報が明らかになるため、情報公開条例7条2号個人情報に該当するとして存否応答拒否案件としたものでございます。
    1枚おめくりいただきまして8-2、これは生活文化局の案件です。こちらも特定の個人名を挙げての請求でございます。特定の学校に教諭として勤務する特定の個人に関しまして、私学部――これは私立学校を所管している部署なんですが、そちらが保有する告訴状ということでございます。こちらも5の存否応答拒否を行った理由欄にありますとおり、本件対象公文書が存在するかどうか明らかにしますと、特定の個人が告訴を受けたか否かという個人に関する情報が明らかになるため、同じように条例7条2号個人情報に該当するとして存否応答拒否としたものでございます。
    1枚おめくりいただきまして、次の2件は警視庁の案件です。
    まず、8-3は、日時を指定しまして特定の警察署に対し、子どもを誘拐しようとしている旨の110番通報の概要を請求したものでございまして、5の存否応答拒否を行った理由欄にありますとおり、こちらの情報を非開示にしますと、特定の時間にある情報を認知したという捜査活動に関する情報が明らかになり、類似の請求があると対象公文書が存在することが容易に推測されることとなり、結果としてこの情報があることが判明してしまうということもありまして、2号の個人情報、4号の捜査活動情報、6号の行政運営情報に該当するとして存否応答拒否としたものでございます。
    8-4、これも同じように特定の日時を指定して、特定の場所で特定の個人が死亡した、それについての情報を請求したものでございます。こちらについても条例7条2号、個人情報に該当するとして存否応答拒否としたものでございます。
    資料8-5をごらんください。次の2件は首都大学東京のものでございます。首都大学の特定の教授が特定の会社から受け取った研究奨励寄附金や受託研究費の金額、それの年度や種別がわかる文書の開示請求でございます。こちらにつきましては、5の存否応答拒否を行った理由欄にありますとおり、まず特定の企業が特定の専門家に対して研究費を支出したかどうかが判明し、これによって企業間競争や事業運営上の利益を損ねるおそれがあるため、条例7条3号、事業運営情報に該当します。また、契約において守秘義務を課して企業との信頼関係の上に行われているため、このような情報が明らかになりますと企業等から信頼を失い、資金調達に影響を及ぼし、ひいては大学における研究の自由が損なわれるおそれがあるため、6号行政運営情報に該当するということで存否応答拒否としたものでございます。
    8-6も、年度と会社名が違うだけで、全く同じ内容の請求になっております。
    8-7は警視庁案件の3件目となります。こちらは特定の事件名、係属庁及び事件番号を指定しまして、その個別の訴訟につきまして職務上知り得た秘密、職務上の秘密に属する事項を公表することを地公法34条2号に基づき任命権者として警視総監が許可したことがわかる文書という開示請求でございます。この地方公務員法34条ですが、いわゆる守秘義務と呼ばれているものでございまして、34条2項に「法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者の許可を受けなければならない」ことが定められております。このような情報の存否を明らかにしますと、特定個人が特定の訴訟で職務上の秘密を発表するために命令権者に許可申請をしたか否かという個人の行動に関する非開示情報が明らかになるため、条例7条2号、個人情報に該当するとして存否応答拒否としたものでございます。
    1枚おめくりいただきまして、資料8-8から8-9、8-10と病院経営本部3件、こちら請求年月日が同じ日となっております。3件、類似の案件ですのでまとめて説明させていただきます。
    まず、8-8、請求件名のところをごらんいただきますとわかりますとおり、自分の情報、「私」に対する受診拒否についてということで、開示請求者本人にかかわる資料についての開示請求を行ったものでございます。9番目も10番目も同じように、具体的な内容を書きながら開示請求者本人にかかわる受診拒否に関する資料について開示請求をしております。情報公開条例上は何人が請求した場合においても同じ扱いをするということになっておりますので、このように特定個人の情報につきまして、対象公文書の存否を明らかにすることによりまして特定の病院に特定の個人が受診したか否か、個人に関する情報が明らかになってしまうため、7条2号個人情報に該当するとして存否応答拒否を行ったものです。
    8、9、10、3枚おめくりいただきまして、8-11です。最後は福祉保健局の案件でございます。これも先ほどの病院経営本部のものと請求年月日が一緒となっております。これも同じように「私」ということで開示請求者本人にかかわる資料についての開示請求でございます。この情報を明らかにしますと生活福祉部に係る特定個人の公費支給の有無が明らかになってしまうということで、7条2号個人情報で存否応答拒否とさせていただいたものでございます。
    以上11件、説明させていただきました。
  • 岡本個人情報係長
    続きまして、個人情報関係の存否応答拒否事案についてご報告いたします。8-12ページでございます。個人情報保護条例17条の3には、開示請求に対し、請求に係る個人情報が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することとなるときは、当該文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否することができるという規定がございます。
    本件は警視庁関係のものでございますが、開示請求者に関する110番通報の開示請求でございます。本人以外の特定個人及び特定個人に関する捜査活動等にかかわる請求でございますので、開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、東京都個人情報保護条例16条第2号、開示請求者以外の個人情報、第4号捜査情報、第6号行政運営情報、これは110番通報が公開されないという前提で通報を受けているものですから、これが漏れるということになりますと以後の110番通報にも影響が出るということで16条6号で、当該文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否したものでございます。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    何かご質問、ご意見があればと思いますが、いかがでしょうか。
  • 藤原委員
    情報公開と個人情報保護の110番通報の概要というのは――いや、結論はこれで結構だと思うんですが、概要というのはそもそも通信の秘密とは関係がないという整理なんですか。通信の秘密の話とは関係がないという整理なんですか、わざわざ7条だなんていうのは。
  • 河原情報公開担当係長
    はい。通常どおり情報公開でもこれまで警視庁では110番通報の内容のわかるものという開示請求を受け付けまして、110番処理簿という公文書がございますが…。
  • 藤原委員
    じゃ、通信の秘密に当たるからということで、法令秘で非開示とするわけではないということなんですか。
  • 河原情報公開担当係長
    そうです。
  • 藤原委員
    あと1つだけ。だれだれ先生がというものは、何々教授の方では特定されているけれども、企業の秘密で守るということなんですか。
  • 高橋情報公開係長
    一応公務員であるということもございまして、2号ではなく、まさに事業運営情報の方、あとは逆に大学側の行政運営情報、6号という形で今回は存否応答拒否とさせていただいたものでございます。
  • 藤原委員
    公務員というのは確かによくわかるんですが、企業がだれだれに研究をしてもらっているというのはそれだけで存否になる、そういうご判断だということですかね。
  • 高橋情報公開係長
    はい。
  • 堀部会長
    研究費の問題というのはいろいろ大学ではありますので、どうするか。
  • 藤原委員
    それから、さっきの事件リストの方は、公務員だけれども、個人情報だけれども、公務員の例外には当たらない。それともこれは公務員ではないということですか、地公法34条2項の話は。
  • 河原情報公開担当係長
    地公法34条では、公務員、現在も職員である者、それから退職者も含んでいます。
  • 藤原委員
    ただ、7条2号では公務員は例外であるというまず原則が来ますよね。「7条第2号に規定する個人情報を開示することとなるため」と書いてありますけれども、公務員はハ号に当たりますよね、理屈の上では。
  • 河原情報公開担当係長
    これは結局のところ、警視庁に請求されたので、警察職員あるいは元警察職員の特定の個人、つまり氏名と。氏名はハでは判断せずにイで判断しています。
  • 藤原委員
    そのイの慣例がないという判断だ、そういうことですね。
  • 河原情報公開担当係長
    そうです。警視庁は、イの氏名については、慣行として公の職員録等を作成していませんので、慣行として公にされていないという判断でございます。
  • 藤原委員
    そうですか。僕は訴訟で何かを言ったということについての慣行を判断したんだと思うのですが、職員録だと、去年の夏、国からその職員録基準で判断するのはやめろという話になっていると思うんです。もし職員録基準でやったのだとすると。発言したこと自体に慣例がないという判断だと、多分そうなのかなと思ってちょっと考えていたんですけど。職員録基準だと、もし最近の事件であると変わっているんじゃないですか。
  • 河原情報公開担当係長
    今例示で職員録と申し上げましたが、これは請求の事件リスト、民事訴訟法というところで、この請求、別添事件番号、それから特定の事件名を指定してやってきたと。さらに、請求書のところには地公法の、今先生がおっしゃられました法令等による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密を公表する場合には許可を受けなきゃいけないと。この条文を引用して2つを探索的にやった場合に、結局のところ名指し請求と同様な形になってしまうというところで存否応答拒否というふうに判断いたしました。
  • 藤原委員
    結局名指し請求であるというのならば理屈はわかるんですけれども、この理由からそれは
    わからなかったので伺った次第です。
  • 堀部会長
    存否応答拒否はよかったのかどうかということ自体も議論になるところがありますので、ここではこういう形で報告していただいて、いろいろ意見を述べることになっています。ちなみに、存否応答拒否処分について不服申立てが出た例というのはあるんでしょうか。
  • 高橋情報公開係長
    存否応答拒否について何件か事例はございます。
  • 堀部会長
    何件か出ていますか。審査会はどういうふうに判断しているのが一般的ですか。
  • 高橋情報公開係長
    幾つか記憶にある範囲では…。
  • 堀部会長
    今日は時間がないからまた別の機会にでも、どういうふうになるのか。本当にあるのかどうかもわからないので、どう判断するか難しいところもあろうかと思います。そういうこととも関連してくると思います。では、また別の機会に少しいろいろな意見交換をできればと思います。ありがとうございました。
    それでは次に、(6)の住基ネット関連報告事項ということで、総務局行政部の河野課長から説明をお願いいたします。
  • 河野振興調整担当課長
    それでは、住基ネットの関連事項につきましてご報告させていただきたいと思います。資料9をごらんください。
    東京都が関連しております住民基本台帳ネットワークシステムに関します訴訟につきましては、本年3月及び4月に東京地裁において2件の都側の勝訴判決が出ております。この内容につきましては前回の審議会においてご報告させていただいたところでございますが、それについては資料の下段に参考ということで記載させていただいているところでございます。本日は前回のご報告以降さらに東京地裁において1件の判決が出ましたので、その内容についてご報告させていただきたいと思います。
    今回の裁判は、住民による住民基本台帳ネットワークシステムの差し止めを求める請求に対するものでございました。都を被告とする差し止め訴訟は当初6件が東京地裁で争われてきましたが、その後5件が併合されましたので、現在の事件数といたしましては2事件となっております。そのうち既に単独事件が平成18年4月7日に判決が下されて、これは既にご報告させていただいている内容でございますが、今回は併合事件について7月26日に判決が言い渡されたところでございます。
    この裁判の訴えの内容につきましては、住基ネットはプライバシーの権利、自己情報のコントロール権を侵害しているので、住基ネットからの自己の本人確認情報の削除、それから慰謝料の支払いなどを求めるというものでございました。
    判決といたしましては、原告の請求をいずれも棄却ということになっておりまして、その理由といたしましては、住基ネットの住民の便益向上等の目的には必要性、合理性が認められるということと、プライバシーの侵害については、住民基本台帳法に基づく住基ネット運用によるプライバシー侵害の危険性は公共の福祉によって許容される範囲のものであるということでございました。
    同様の差し止め請求にかかわります地裁の判決が全国でも幾つかございまして、これまでに金沢地裁での被告一部敗訴以外では、名古屋、福岡、大阪、千葉、東京、和歌山の各地裁において国及び県らの被告側勝訴というふうになってございます。都を被告とする訴訟3件とも既に控訴審に移っておりますが、引き続き都の主張を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
    続きまして、資料10をごらんください。住基ネットの利用拡大についてお話しさせていただきたいと思います。住基ネットにおける本人確認情報については、住民の利便の増進と行政事務の効率化を目的といたしまして、法律または条例に定めのある事務に限り利用されることになってございます。言いかえますと、法律、条例に規定する場合を除き利用提供をしてはならないということになるわけでございます。法律で規定されている事務は、パスポートの発給や恩給年金の支給など、平成17年4月現在で275事務ほどございます。一方、条例を定めて住基ネットによります本人確認情報を利用している団体でございますけれども、平成18年4月現在で10県で条例制定がされておりまして、恩給年金の支給や県税の賦課徴収事務で利用されてございます。
    東京都においても条例による本人確認情報の利用に関して検討を行ってきたところでございます。平成18年7月に発表されました行財政改革実行プログラム、これを資料10という形でおつけしてございますけれども、これは東京都が21世紀にふさわしい新たな行財政システムの構築を目指しまして、平成18年度から20年度の3カ年の取り組みを明らかにしたものでございますが、この中でこの条例制定について明記されたところでございます。
    それについては資料10-3にお示ししておりますが、このプログラムのページ数としては130ページでございます。そこにIT化などによる手続改善の部分がございまして、この中の210ということで、住民基本台帳ネットワークの活用という形で記載がなされているわけでございます。事務局といたしましては、住民の利便性の向上及び行政の効率化の推進のために早期の条例制定を目指していきたいと考えているところでございます。
    条例制定作業以外にも、セキュリティ研修の実施や実態に即した住基ネットの管理規程の見直しなどが実際の利用の際には必要かつ重要なことになるかと思いますので、今後、部会におきまして委員の先生方のご意見をお聞きしながら、個人情報の扱いには引き続き十分留意していきたいと考えているところでございます。
    私からは以上でございます。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。
    住基ネット関連で報告していただきましたが、何かご質問はありますでしょうか。
    これは、住基部会がありますので、またそこでいろいろ検討することになるかと思います。どうもありがとうございました。
    それでは、(7)情報セキュリティ対策の強化に向けた新たな取り組みということで、これは武市課長から、続きまして総務局IT推進室の高橋IT企画主査から説明をお願いいたします。
  • 武市情報公開課長
    昨年度、情報セキュリティ個人情報保護状況緊急点検といった形で実施いたしまして、本審議会でも報告させていただいたところでございます。本年は情報セキュリティ対策強化に向けた新たな取り組みを行う予定でございまして、IT推進室の高橋IT企画主査より詳細については説明させていただきます。
  • 高橋IT企画主査
    総務局IT推進室IT企画主査の高橋でございます。
    それでは、資料11をごらんいただきたいと思います。情報セキュリティ対策の強化に向けた新たな取り組みということで、私どもIT推進室で今年度の取り組みまたは今年度以降の取り組みについて定めたものをお手元に配付してございます。この資料に従ってご説明いたします。
    まず、1番でございますが、これまでの対応でございます。東京都は情報セキュリティポリシーというものを現在定めてありますが、こちらが平成14年4月に策定したものでございます。また、情報セキュリティ委員会の設置、こちらは平成17年4月に設置をいたしまして、現在まで活動を継続してございます。さらには個人情報保護・情報セキュリティハンドブックの発行、こちらも昨年度の9月に発行してございます。また4)、先ほども武市課長からありましたとおり、情報セキュリティ緊急点検実施ということで、こちらも昨年度、今年1月から3月にかけて実施をしてきたところでございます。しかしながら、これまでの対応を行ってきましてもさまざまな課題が山積してございます。こちらに主たるものを載せてございます。
    まず、1)情報セキュリティポリシーが現在の時代に適合していない。例えば情報漏えいあるいは不正アクセス、サイバー攻撃等に対応していない、さらには情報重要度による区分がされていない、個人情報の位置づけも不明確であるという問題がございます。また、2)システムあるいはホームページに脆弱性がある、情報システムの脆弱性やホームページの管理が徹底されていない。これによって事故に至っているケースもございます。それから、セキュリティ点検が確実に実施されていないという現状もございます。3)職員の意識が低い。情報セキュリティリスクに対する自覚の欠如、職員への教育が不足している、また教育内容や位置づけが不明確、さらに局による取り組み状況や姿勢にばらつきがあるというような課題がございます。
    下に、参考までに国の計画ということで内閣府の計画を引用させていただいておりますが、2006年6月、情報セキュリティ政策会議決定ということで、セキュアジャパンという名前で計画が打ち出されているものでございます。こちらの方で2006年、2007年、2008年の3カ年の動きを示しておりますが、2006年は官民のセキュリティ対策の体制構築、2007年に官民におけるセキュリティ対策の底上げ、そして2008年は、政府統一基準というものが示されておりますが、それの達成、世界トップクラス、2009年初頭には事故ゼロにするというような内容が盛り込まれているものがございます。
    私ども東京都としてはこれを受けまして、右側に移りますが、情報セキュリティ事故をゼロにするという目標を掲げまして、2008年には情報セキュリティ事故をゼロにするということで、国の動きよりも1年早く達成しようという目標を掲げてございます。他自治体のモデルとなる管理体制の構築を目指していくという大きな目標を定めさせていただきました。
    この目標に向かっての取り組みでございますが、4番になります。今年度、来年度、さらには20年度までの3カ年の計画と位置づけさせていただきまして、こちらに明記してございます。今年度の取り組みに関しましては、情報セキュリティポリシーを14年度に定めたとご説明いたしましたが、こちらの改定を今年度予定してございます。さらにはセキュリティ評価あるいはセキュリティ点検の実施、それから意識啓発活動の実施、セキュリティ教育の実施を今年度予定してございます。
    19年度でございますが、情報セキュリティ実施基準の改定、セキュリティポリシーと呼んでいるものは、細かく申し上げますと東京都情報セキュリティ基本方針と東京都情報セキュリティ対策基準という2つの規定がございます。これらを総称してセキュリティポリシーと呼んでおるのですが、さらにその下位の規定でございます実施基準をポリシーの改定を受けて19年度に改定していく予定でございます。それから、各局全システム、ホームページのセキュリティ点検の実施、さらには教育内容の強化を19年度に実施していきたいという考えでございます。
    それから、20年度でございますが、これら規定類の整備が整った段階で最終的にはセキュリティ監査体制の確立及び実施を予定してございます。
    18年度の取り組みにつきましてもう少々詳しくご説明をいたします。5番でございますが、まず1)情報セキュリティポリシーの改定、基本方針、対策基準の見直し、全面的な改定を予定してございます。さらに、これらの改定に伴いまして情報セキュリティ管理体制の明確化を図っていきたいと考えているところでございます。
    2)ですが、情報セキュリティ評価、点検の実施で、各局重要システムのセキュリティ外部評価、一般的にセキュリティ監査と呼ばれているものを今年度24システムで予定してございます。それから、一部主要ホームページのセキュリティ診断、これは約20サイト程度を計画してございます。これも今年度実施ということで現在取り組みまして、着々と進行しているところでございます。
    3)職員の意識を高めるということで、まず情報セキュリティ強化月間の設定で、今年10月を強化月間と定めまして全職員に意識啓発活動を行っていくところでございます。そのプレイベントという形で、2番目になりますが、セキュリティシンポジウム、これは先週の9月15日の金曜日に開催させていただいたところでございます。シンポジウムの内容といたしましては、基調講演、パネルディスカッション等、各界セキュリティ対策にかかわりの深い著名な方にお越しいただきまして、講演あるいは議論等を行って活況を呈したところでございます。
    情報セキュリティ対策の強化に向けた新たな取り組みの説明につきましては以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    ただいまの説明につきましてご質問、ご意見がありましたらお出しください。
    情報セキュリティ対策は個人情報保護の観点から大変重要なことですので、このような取り組みが実効的なものとなることを期待したいと思います。
    今日予定しました議事は以上ですけれども、何か委員の皆様からご発言があればと思いますが、いかがでしょうか。
    それでは、特にないようですので、次回の開催時期等につきまして武市課長から説明をお願いします。
  • 武市情報公開課長
    次回の開催でございますが、来年3月ごろを予定させていただければと思います。細かい日程につきましては別途調整させていただきますので、よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    ということですが、よろしいでしょうか。
    それでは、第32回審議会を以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時55分閉会

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