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平成29年(2017年)2月6日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第35回議事録)

第35回東京都情報公開・個人情報保護審議会議事録

平成19年9月12日(水曜日)
東京都庁第一庁舎42階 特別会議室B

午前10時00分開会

  • 萩原参事(都政情報担当)
    定刻になりましたので、第35回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開会させていただきます。
    本日は大変にお忙しい中、また風雨も激しいなか、お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。
    本日は、新規開始事務のご審議をいただきまして、その後、報告事項といたしまして、第2回都議会定例会で成立をいたしました住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例についての報告、平成18年度の情報公開制度及び個人情報保護制度の運用状況の報告などを予定しております。
    また、(5)の議題である都政情報の公表・提供の充実に関連をいたしまして、会長からのご指示がございまして、現在全国的に話題となっております営業目的の大量請求の資料についても資料を添付させていただいております。
    盛りだくさんでございますが、どうぞご審議の方、よろしくお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
    お手元の議事次第の2としまして、審議事項、保有個人情報を取り扱う事務の開始についてであります。前回もこういう形で議論していただきましたが、東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第1条の2の第1項に、実施機関が保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合は意見を述べることができると定められております。それによりまして、意見を述べるということであります。
    それでは、新規開始事務につきまして、北原課長から説明をお願いいたします。
  • 北原情報公開課長
    新規に保有個人情報を取り扱う事務についてご説明いたします。座ったままで説明させていただきます。
    本年3月の審議会におきまして、届出様式の変更をご審議いただきまして、その後、8月1日に規則改正を行いましたので、今回は新様式でご報告させていただきます。
    右上に資料1-1と書いてありますけれども、それをごらんください。
    新規開始事務は、今回22件ございます。前回の審議会が5月23日でしたので、それ以降に開催した事務を中心に開始予定の事務を含めてございます。
    それから14枚おめくりいただくと、資料の1-2というのがございます。これは届出が遅れました事務が16件報告されましたので遡及分として載せてございます。今後も各局に対しては、事務の開始前に届出をするように指導を継続してまいります。
    それでは、具体的にご説明いたします。
    まず資料1-1でございますが、右下に目次と書いてございますものが2枚ございますので、3枚目をお開きください。
    これからが届出事項の個票となっております。本日は報告事項も多く、時間も限られておりますので、保有個人情報の記録項目のうちの基本的事項以外の心身の状況、家族状況、社会生活などいわゆるセンシティブな情報を収集するものについて少し詳しく説明をさせていただきます。
    まず1-新規1でございますが、中央卸売市場における食育推進計画の一環で、生鮮食品等の知識を有する人材を活用しまして、都民が行う食育事業を支援する事業であります。事業にご協力をいただける卸売市場の事業者、個人の方から「いちば食育応援隊」への登録の際に、基本的事項のほかに、職業、職歴、資格を収集いたします。
    次に1-新規2でございますけれども、「海の森募金」事務です。これは、海の森公園に植樹する苗木の購入等に充てるために、募金を都民、企業等から募る際に、基本的事項と募集金額を収集いたします。また、同意を得られた方の氏名を東京都ホームページ等により公表する予定でございます。この募金口座の開設、募金の保管・集計等は外部委託しております。
    次に1-新規3でございます。これは音楽を通じた広報活動のために女性職員で編制された東京消防庁カラーガーズ隊による「ふれあいコンサート」への来場希望者から基本的事項のみを収集いたします。
    次に1-新規4でございます。これは病院・医院に患者を搬送するときに利用する民間の患者等搬送事業者を東京消防庁が認定する際に、事業者から管理責任者や乗務員等の基本的事項のほか、乗務員が患者等搬送乗務員適任証を有するかどうか資格を収集いたします。
    次に1-新規5でございますけれども、ただいま説明いたしました患者等搬送事業者、この事業者が事業内容を変更する際に、基本的事項のほか、乗務員が適任証を有するかどうかの資格を収集いたします。
    次の1-新規6から1-新規10まで5件でございますけれども、これは119番の自動通報制度に関するものでございます。
    火災予防条例では、自動火災報知設備等と連動して通報を行おうとする場合には、あらかじめ消防庁に申請して承認を得る必要があると規定しております。そのために、申請者や通報装置の試験実施者等の基本的事項を収集いたします。
    このうち、社会生活の中に資格とありますけれども、これは通報装置の試験実施者が有しております防火管理者、自衛消防技術、消防設備士等の資格を指しております。自動通報のシステムが消防庁本部と各消防署とがオンラインでつながっておりますから、保有個人情報の処理形態のところのオンライン結合にチェックがついております。これらの事務では、現場に急行する事業者等から本人の個人情報を収集する場合があるため、本人以外からの収集にチェックがついております。
    これら自動通報制度に関しましては、通報の種類が4つございますけれども、それによって申請様式が異なるため分けて届出をしております。
    次に1-新規11でございます。これは、男女平等推進・両立支援企業データベース、これに登録しております企業の事業主、それから雇用されています女性の方々に対しましてアンケート調査を実施いたします。この調査では、基本的事項のほかに、家族状況、職歴、学歴、収入について収集いたします。調査の集計とヒアリング対象者の抽出につきましては外部委託をしております。
    次に1-新規12でございます。これは地方自治法に規定がございます「地縁による団体」が実施しております地域の取組みに対しまして、都が助成金を交付することにより地域力の向上を図るという「地域の底力再生事業」を行っておりますけれども、その助成事業を審査するための助成審査委員会の委員から、基本的事項のほか、職業、学歴を募集しております。
    次に1-新規13。これは男女平等参画を推進するために、ウィメンズプラザにおきまして、NPO法人、民間団体と東京都が共同しましてオープンプラザ事業を行っておりますけれども、この際、応援団体の構成員である役員、会員、事務担当者、それから講師の方から基本的事項のほかに、職業、職歴、口座情報を収集いたします。
    次に1-新規14ですが、これは「見る」スポーツの振興を図るために、トップアスリートによる競技大会等の観戦機会を都民の方々に提供するスポーツ観戦事業というのがございまして、この場合に、観戦希望者から基本的事項のみを収集いたします。
    次に1-新規15でございます。障害福祉サービス受給者が介護施設を利用した場合、市区町村に対しまして介護給付費を請求する際に、利用者から基本的事項のほかに障害程度区分、負担上限月額、契約支給量を収集いたします。この場合、利用実績データの作成に関しましては指定管理者による代行を行っております。
    次に1-新規16でございます。自殺総合対策東京会議がございまして、ここでは、医療、福祉、教育、産業など様々な分野の方々が参画いたしまして、社会全体での自殺対策を推進しておりますけれども、この場合、委員の方から基本的事項のほかに、職業、職歴、学歴を収集いたします。
    1-新規17でございます。救急搬送サーベイランス事務であります。これは、東京消防庁と連携いたしまして、救急搬送情報を迅速に収集・分析しまして、新興感染症、天然痘、バイオテロ等、これらの発生をいち早く察知しまして、被害の広がりを最小限に抑えるというものです。消防庁から、患者の年齢、性別、健康状態、その他救急車の出場先住所、それから収容先医療機関名等の情報を収集いたします。なお、この事務は平成19年度中に開始する予定のものでございます。
    次に1-新規18でございます。今年の7月と8月に小中学生を対象にいたしまして、将来のものづくり産業を支える人材を育成するということをねらいにいたしまして、工作スタジオ実践講座を数回開催いたしましたので、その際、事務の講座申し込みに際しまして基本的事項と家族状況等を収集いたしました。
    次に1-新規19でございます。これは、東京都公安委員会の留置施設視察委員会委員の任命に関する事務でございます。刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律によりまして留置施設視察委員会が設置されることになりました。この委員会の委員を任命するに当たり、基本的事項のほか、職業、経歴等を収集いたします。
    次に1-新規20でございます。探偵業の届出に関する事務でございます。探偵業の業務の適正化に関する法律が本年6月1日に施行されまして、探偵業を営もうとする者は事前に届け出ることになりました。届出者につきまして、基本的事項のほか、職業、職歴、学歴、学業、資格、賞罰、顔写真等を収集いたします。また、この場合、本籍地所在地の市区町村に対しまして、身上照会をするために収集先に他の官庁ということで含めてございます。
    次に1-新規21でございます。届出対象病原体等の運搬届出事務でございます。これは1種から3種までございますけども、届出の対象となっております病原体等、これにつきましては感染症法で規定されておりまして、所持や輸入、取り扱い等については、当事者の資格を含めまして厚生労働省に届け出ることになっております。この中で、届出対象病原体を運搬する場合には公安委員会に届け出ることになっております。そのため、申請者から氏名、住所、電話番号等を収集いたします。
    次に1-新規22でございます。建物防犯協力員の運用等に関する事務でございます。建物防犯協力員は、警察署等の要請に基づきまして、都民に対しまして、住宅の防犯対策に関する正しい知識の周知、防犯意識の向上等を図っております。この制度は、本年6月1日から始まりまして、委嘱に際しまして、協力員から、基本的事項のほか、職業、資格、顔写真、経歴等を収集しております。
    新規の届出は以上でございます。
    それから、資料1-2をお開きください。
    先ほど申し上げたとおり、届出の遅れた事務が16件ございました。このうち、本年4月1日開始の事務、それから5月の審議会の直前に開始になった事務が11件ございました。前回の審議会での報告には間に合わず遡及での届出となったものでございます。また、このほかに、平成18年中に開始していたものが4件、平成17年に開始していたものが1件ございます。
    このことに関して、8月13日に各局の担当者を対象に事務の届出についての説明会を実施いたしまして、今後も機会ある毎に事前の届出の周知を図ってまいります。
    遡及分につきましては、届出の多かった産業労働局、福祉保健局、生活文化スポーツ局の事務について説明させていただきます。
    まず、1-遡及4から1-遡及7の産業労働局の4件の事務でございます。
    このうち、1-遡及4でございます。各職業能力開発センターでは、求人事業所が求職者を対象にいたしまして実践的な訓練コースを実施いたしまして、必要な能力を身に付けた訓練生を採用することができる「求人セット型訓練」を実施しております。この際、訓練生の基本的事項のほかに、職業、職歴、学歴、資格、成績、収入、公的扶助、顔写真等を収集いたします。
    次に、1-遡及8から1-遡及12の福祉保健局関係の5件の事務でございます。
    このうち1-遡及8の障害児施設受給者証発行業務についてご説明いたします。
    障害児が福祉型施設とか医療型施設を利用する際には、障害児施設給付費の支給を申請することができます。申請の際に、「支給申請書兼利用者負担額減免・免除等申請書」及び「世帯状況・収入・資産等申告書」を提出していただいておりますけれども、対象児及びその家族の基本的事項のほかに、心身の状況、家族状況、財産、収入、納税状況、公的扶助、口座情報、その他障害手帳番号、健康保険証の名称及び番号等、これらを収集いたしております。
    次に1-遡及13から1-遡及16の生活文化スポーツ局の4件でございます。いずれも消費生活部の事務となります。
    後ほどご報告をいたしますが、消費生活部において、本年6月に個人情報の紛失事故がございましたので、事故を契機に個人情報の取扱いについて見直しました。そうしたところ4件の未届けの事務があったことから、ご報告をさせていただきました。
    以上で届け出の説明を終わらせていただきますが、報告させていただきました個人情報取扱事務につきましては、個人情報保護条例4条2項により収集の制限がなされております思想、信教及び信条に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報、これらを収集する事務はございませんでした。
    以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。北原課長からご説明いただきました件につきまして、ご質問ご意見をお出しいただきたいと思います。
  • 高橋委員
    よろしいですか。
  • 堀部会長
    どうぞ、高橋委員。
  • 高橋委員
    新規の20番目の探偵業の届出等に関する事務ですが、これは具体的にはどういうことですか。探偵業をする場合に届け出よという条例があるということですか。
  • 堀部会長
    探偵業法という法律ができたのですね。
  • 北原情報公開課長
    探偵業の業務の適正化に関する法律というものが今年の6月1日から施行されています。
  • 高橋委員
    わかりました。ありがとうございます。
  • 堀部会長
    これは登録制ですか届出ですか。
  • 谷口個人情報係主任
    探偵業法を営む者は公安委員会に届け出ることになっております。
  • 堀部会長
    わかりました。探偵業をどうするかというのは、前からいろいろ議論があったと伺っていますけれども、ようやく法律になったというところです。
    東京都ではないのですが、探偵の業務は個人情報保護法の直接適用がある5,000件を超える個人を扱うかわかりません。そうなったときに、集める場合に利用目的の特定はするでしょうけれども、一般的には第三者から集めるので、そのあたりの個人情報の取り扱いはどうなのかなど、いろいろ議論が今後は出てくるかもしれません。
    ほかにいかがでしょうか。
  • 高橋委員
    個人情報保護法をつくったときに探偵業にも適用があるのだという理解でしたよね。そうではなかったですか。
  • 堀部会長
    探偵業といいますか、取り扱う個人の数を政令で5,000を超えないものは除きましたので、その探偵業を営む方がたくさんの個人情報データベースを持っていれば適用になるのですけども、ちょっと実態がわからないので何とも言えないのですが、藤原委員、そのあたりいかがですか。
  • 藤原委員
    わかりませんけれども、適用するという議論はあったと思います。
  • 堀部会長
    探偵業にも適用する必要はあるだろうというのは、前からよく議論としてはあるのですね。
  • 藤原委員
    あのときの議論は、適正取得がどうなるかという議論をしたのです。そもそも適正に取得していたら商売にならないのではないかという。
  • 堀部会長
    個人情報保護法17条の問題でもあります。
    どうなのでしょうか。ホームページなどで、さっき言った利用目的も出すのかどうか。いずれにしても、5,000を超える件数のものを扱って、過去6カ月いずれにもということになりますので、そのあたりが具体的にどうかはわかりません。
    何か萩原さんからありますか。
  • 萩原参事
    個人情報保護法が適用になるということで、この業界を指導していかなければならないわけでございますが、その第一弾として法律を整備して、届出ということが行われるようになったもの理解をいたしているところでございます。
  • 堀部会長
    これも個人情報保護法51条で、地方公共団体が取り扱う事務に入ったのでしょうか。
  • 高橋個人情報係長
    地方公共団体で取り扱う事務自体の数は、165法令ということでありましたが、探偵業が新たに入って166になりました。
  • 堀部会長
    前回から新規開始事務と遡及とに分けていただいて、遅れていたところというのが非常に明確になりました。前回は新規が22件、遡及が19件だったかと思います。今回も遡及が16件ですか。この遡及も大いに進めていただいて、どういう個人情報を取り扱う事務があるかということを明らかにしていく必要があろうかと思います。
    ほかに何かありますでしょうか。よろしいですか。
  • 北原情報公開課長
    ありがとうございました。引き続き各局に事前届出を徹底するために、様々な機会を通じまして周知いたします。
  • 堀部会長
    では、議事次第の審議事項は終わりまして、次に報告事項になります。
    1番目は、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために、住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例の制定についてでありまして、これにつきましては、河野課長から説明をお願いいたします。
  • 河野振興調整担当課長
    総務局行政部振興調整担当課長の河野でございます。
    私からは、住民基本台帳ネットワーク部会での審議を行いまして、本年6月の定例都議会に提案し、可決成立いたしました住基ネットの利用拡大のための条例の概要につきましてご報告させていただきたいと思います。
    資料の説明に先立ちまして、一言お礼を申し上げたいと思います。本条例の制定に当たりましては、委員の先生方、とりわけ住基ネット部会の委員の皆様方には、大変お忙しい中、貴重なご意見を賜りまして、まことにありがとうございました。議会の質疑におきましては、積極的に住基ネットの活用を進めていくようにとご意見がございましたけれども、同時にセキュリティ対策を十分に図るようにというふうなお話もございまして、この点、部会でのご議論をもとに制度を構築していきましたものですので、十分ご理解をいただいて、可決成立というふうな形に結びついたのかなと思ってございます。住基ネットの運用につきましても、今後とも委員の皆様のご意見をいただきながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
    それでは、資料の説明をさせていただきます。資料2をごらんください。
    項目として「住民サービスの向上と行政事務の効率化のために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例」の制定についてです。
    前回の審議会におきまして、住民サービスの向上及び行政の効率化の推進のため、住基ネットの利用拡大を図ることを検討しているというふうにご報告申し上げましたけれども、今述べましたように、住基ネット部会において、委員の皆様からいただいたご意見を踏まえまして条例案をまとめまして、6月の都議会定例会に提案して、賛成多数で、この条例につきまして可決成立ということになってございます。今回は、その条例の内容につきましてご説明させていただきたいと思っております。
    まず、条例の目的でございます。これについては、住民サービスの向上、行政事務の効率化を図るということになってございます。住基ネットにつきましては、平成14年の第1稼働、それから平成15年の第2稼働以降、安定した運用がなされているわけでございまして、法律で利用が認められた事務につきましては、全国レベルで年間約3,000万件の本人確認情報の利用の実績がございます。また、東京都においても、旅券の発行事務などですが、年間約60万件に及ぶ利用がなされている次第です。
    稼働から3年以上が経過しまして、住民サービスの向上と行政事務の効率化の実績のある住基ネットの利用拡大を図るというのが今回の条例制定の目的でございます。
    法律の根拠でございますが、住基ネットの利用は、法律に基づく場合と条例に基づく場合がございます。住民基本台帳法第30条の8に、知事が条例で定める事務に住基ネットの本人確認情報を利用することができると規定がされているところでございます。地方自治体で行う事務の中においては、旅券の発行事務のように、法律に根拠がある事務については、既に住基法の別表で規定して住基ネットの利用ができるようになっておりますけれども、条例、あるいは規則に根拠がある事務については法律で規定することができないわけでございますので、これらについては新たに条例を設けて、その中で利用対象となる具体的な事務の内容を規定する必要がございました。
    この住基ネットの利用による効果でございますけれども、住民にとっては、区市町村の窓口に行って住民票の写し等の交付を申請する手続等が不要になることから、費用の負担、あるいは手間の軽減につながりまして、また行政側、都や区市町村にとっては、例えば公用のために都が区市町村に請求していた住民票の写し等が不要になりますので、事務処理時間の短縮や経費の節減ということにつながってまいります。
    今回条例に規定いたしました事務は、恩給条例等に基づく年金の給付時の現状確認などの事務。それから、直接住民サービスの向上につながる事務のほか、納税通知書があて名不明で返送された場合に、住所確認や貸付金の回収のための住所確認に当たるような事務が内容になっております。
    前者の方は、厚生年金等については、従来現状確認のはがき等の提出が必要だったものが、現在では住基ネットによる確認によって不要になっておりますけれども、恩給条例に基づく年金給付につきましても、同様になくすことができます。また、後者につきましては、転居先の確認作業が必要となるわけなのですけども、転居先の記載のある住民票を市町村に請求して、その新しい住所に送付する必要があった場合でございますけども、住基ネットから直接新住所の確認を行うということができますので、事務の効率を高めることができるようになります。
    今回住基ネット部会でご議論いただきましたのは、(5)の条例制定によります利用拡大に向けたセキュリティ対策でございます。部会では、条例の施行によって住基ネットを利用する範囲が広がっていくことから、セキュリティがどれだけ確保されるのかということで議論の中心になったと記憶しております。特に事業所などによりまして多数の利用者が見込まれる部署においては、これまで以上にそのセキュリティについて留意する必要があるということのご意見を踏まえまして、それに対する対応といたしまして、まずそうした部署においては、責任者のレベルを引き上げるなど、組織的な管理体制の強化を図っていくというふうに今考えているところでございます。
    また、利用拡大に当たっては、不正アクセスをいかに防止するかということが重要でございますので、多数の利用者が見込まれます事業所等での利用につきましては、従来原則一人1枚で配布しております操作者のカードについて、カードの管理を組織的にチェックできるように、係単位で配布するという対応もできるように規定の方を改正するようなことを考えているところでございます。
    条例の施行時期ですけれども、10月1日とさせていただいておりまして、現在その施行に向けまして、規則や要綱等の見直し作業を進めているところでございます。
    それから、最後でございますけれども、参考までに他県での条例制定の状況でございます。都以外では13県という状況になってございます。
    以上、簡単でございますけれども、住基ネットの利用状況に関する説明を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。河野課長から説明のありました条例の制定につきまして、ご質問ご意見をお出しください。
    東京都の住基ネット利用条例は、既にある13県とは違った特色を持っているわけですが、東京都型の条例制定の動きは、ほかにはまだ出てきていないのでしょうか。
  • 河野振興調整担当課長
    東京都が条例を制定したというふうな情報が流れておりますので、幾つかの県から、今うちの方で条例制定を考えているのだが、参考にさせてほしいということで、内容について幾つか質問が来ております。
  • 堀部会長
    よろしいでしょうか。10月1日施行ということで、これで住民基本台帳ネットワークシステムの利用がまた進むということになるかと思います。
    それでは、報告事項の(1)は以上にさせていただきまして、次に報告事項の(2)情報公開制度及び個人情報保護制度の運用状況についてということで、これは宮島係長から説明をお願いします。
  • 宮島情報公開係長
    お手元の資料3をごらん下さい。東京都では、前年度の情報公開制度・個人情報保護制度の運用状況を毎年夏に発表しております。今年は7月26日にプレス発表いたしまして、全文をホームページにも掲載しております。
    情報公開制度の運用状況ですが、最初に2ページ、表裏で概要版がついておりまして、それをもとに昨年度の傾向をご説明させていただきます。
    まず、開示等決定件数が大幅に増加しました。下のグラフをごらんいただくとわかりやすいかと思いますが、平成17年度が3,467件、これに対して平成18年度が4,621件ということで1,000件以上の増加。率としても33%の増加を見せています。過去最高という件数になっております。
    裏側をごらんいただきまして、どういう請求が多く来ているのかということですが、昨年度は、例年と少し違う結果が出ておりまして、例えば1位の入学式・卒業式関係、これはいわゆる日の丸・君が代の関係です。それから、4位、5位の出張関係。出張経費が多過ぎるのではないかとか、そういった報道等があったものでございます。2位、3位の食品営業許可ですとか、建築計画概要というのは毎年必ずと言っていいほど上位5位に入ってくるものですが、18年度につきましては1・4・5位に見られるような、例年には見られないようなものの請求が多かったという傾向がございます。
    ちなみに17年度は、食品営業許可が1位。建築計画概要書は3位。こういった商用に係る請求というのは、昨年度も多くありました。
    少し下の方に行っていただきまして、2番の不服申立て件数ですが、これも平成17年度と比べまして14件増えており、増加の傾向を見せています。
    内訳は、続く資料に載せてございますが、局としては教育庁関係が多かったという傾向を示しています。
    最後に、情報公表・提供です。都では、情報公表・提供を積極的に進めていくという姿勢でありますので、17年度に比べても件数が増加しております。ホームページ等を使い、今後とも情報公表・提供を積極的に進めていこうと取り組んでおります。
    情報公開につきましては、昨年度の状況はおおむねこのようなになっております。
  • 堀部会長
    高橋係長から個人情報保護制度の運用状況につきまして、お願いします。
  • 高橋個人情報係長
    個人情報保護制度の運用状況等について説明させていただきます。
    資料は、4番、5番、6番、7番とございます。4番が平成18年度東京都の個人情報保護制度の運用状況で、宮島から説明させていただきましたとおり、7月26日に1年分を公表させていただきました。
    資料4の1枚目にあります概要に基づいて説明させていただきます。
    1番が保有個人情報を取り扱う事務の届出状況で、審議会では毎回審議事項ということで届出事務の確認をしていただいておりますが、平成18年度は届出事務の総数が3,138件で、前年に比べて増加しております。ちみなに、前年は2,652件でした。
    2番目の開示、訂正、利用停止請求の処理状況ですけれども、下のグラフを見ていただきますと、件数が前年850件だったものが998件となっており、148件、17.4%増と大幅な増加になっております。
    大幅に増加した理由ですが、実施機関別に開示請求等の件数を見ますと、警視庁が152件でした。平成18年度から個人情報保護法の開示の対象となりました警視庁に対する請求の分、増加したと考えております。
    開示請求は993件でしたが、平成18年度は訂正請求と利用停止請求というのもございました。訂正請求は1件で、これは多摩の市でございますが、そちらの市に住む中学生の親御さんが、学校の子供に対する対応に不満があり、市の教育委員会の方に苦情を申立て、東京都に対しても苦情を申立てたところ、東京都が市に状況を説明された際、市から東京都に提出された資料についての訂正請求ということでございます。
    市の教育委員会が申立人の話を聞いて作成した資料の訂正の請求でしたが、市では既に訂正しておりますので、市から提出された資料で東京都が持っている資料の訂正請求を受けて訂正しております。
    利用停止については4件ございまして、そのうち2件は、中学校が作成する成績一覧表に関するもので、成績一覧表を教育庁で全部とって利用するのはいかがなものかというようなことです。とること自体が不当な収集であるということを理由にして利用停止請求の申立てをしております。これは、教育庁に対する利用停止と、それから教育庁の方で収集いたしました進路状況についての資料を私立学校に提供するために、生活文化スポーツ局私学部にも提供しておりますので、私学部で持っているものに対しても利用停止請求が出され、2件になっております。
    その他の2件は、先程ご説明させていただいた訂正請求を行った御両親がご夫婦で1件ずつ利用停止請求を行ったもので、合計4件になっております。このうち進路状況についての2件は平成18年度の審査会にかかりまして、答申が行われております。また、市の教育委員会への苦情の申立てについての2件は、平成19年度の審査会でご議論いただく予定です。
    開示請求は、どのような内容のものが多いかということでございます。1番目は診療情報関係、カルテ等です。2番目は身体障害者手帳関係、3番目が職員情報で、以上が上位のものでございます。4番目と5番目の警視庁については、18年度初めて開示対象となりました。110番通報の内容について、あるいは警察の方に相談に行ったその内容についてのう開示請求が多くなっております。
    次に3番、不服申立て件数及び個人情報保護審査会の運営状況でございますが、平成18年度は17年度に比べ非常に多く、前年まで10件だった不服申立件数が24件で、平成17年4月1日に個人情報保護審査会に三部会ができましたが、そちらの開催件数も非常に多く、審査会の開催件数も前年に比べて5回ほど増えております。
    増加の内訳ですが、警視庁関係が純増で6件ございます。教育庁関係は17年度が7件だったのが11件、福祉局関係が3件だったのが5件となっています。
    次に相談の受付状況ですが、平成18年度は平成17年度に比べまして件数が減っています。平成17年度は、平成17年4月1日に個人情報保護法が施行になったため、4月、5月、6月と非常に相談件数が多くなっておりましたが、7月以降は月100件ほどで、それ以降の傾向は、平成17年度と平成18年度で変わりません。
    相談者の内訳ですが、平成17年度は事業者が2割だったのが、平成18年度は15%程度ということで若干減っております。しかし、都民からの相談は62.9%から67%と増えております。
    苦情の主な対象分野は、不動産業に関するもの、情報通信、金融信用が多くなっております。
    資料5ですけれども、これは個人情報取扱事務要綱に基づく報告の第1・四半期分でございます。本人外収集につきましては、1号の本人同意とともに、今回7号というのが7月に大量に出ております。これは都市整備局で行う調査がございまして、東京都市圏総合都市交通体系調査というものがございまして、この調査に関しまして世田谷区と中央区に対して個人情報の提供を求めたもので2,774件となっております。
    目的外利用・提供につきましても、いつもと同じような状況でございまして、本人同意については、労務災害などの給付に関する情報をとるということ。法令等の定めにつきましては、税務署とか他自治体からの課税に関すること。あるいは固定資産税に関することで、都市計画部に建築確認の申請書を請求するようなものでございます。国等への提供につきましても、自立支援医療費のことなどが多くなっております。
    次に3番、開示、訂正、利用停止でございますけれども、開示の件数につきましては、4カ月で290件ということで、単純計算しますと、去年よりは少し減っていると感じております。訂正、利用停止についての請求はございません。
    次に、4番の事故ですけれども、これが非常に多くなっておりまして、5月に行いました審議会のときに、既に教育庁の方で事故2件ということでご報告いたしましたけれども、その後も事故が続いております。ここに挙げておりますのは、個人情報取扱事務要綱に基づきまして事故報告を受けたものでございますけれども、後ほど、事故につきましては、また別の資料でご説明させていただきます。
    次に資料6になります。個人情報保護制度に関する説明会の開催でございますが、個人情報保護制度を運用するに当たっては、個人情報保護法の趣旨を十分理解するのが難しいということもあり、誤解に起因しての過剰反応等があるということで、先般行われた国民生活審議会の個人情報保護部会においても、非常に議論されたところでございます。この法律の趣旨を周知徹底して、そういう過剰反応を何とか抑えていかなければいけないということで、個人情報保護制度に関する取りまとめでも、広報等に努めることが非常に重要であるというのが強調されたところでございます。
    それに対応いたしまして、東京都でも、11月5日に個人情報保護制度に関する説明会を開催いたします。午前中は、東京都の場合、条例で5,000件を超えない個人情報を保有する事業者も対象としておりますので、中小の事業者対象の説明会を、午後は内閣府と国民生活センターの方をスピーカーとしてお迎えして、都民を対象とした説明会を開催いたします。ただ、この場合に、都民といいましても一般的な都民ということではなく、過剰反応で特に問題が起きている分野に集中的に周知を図っております。例えば、町会、自治会ですとか、民生委員、消防団、PTA、学校というところに個別に資料を配布して参加をただいま呼びかけているところでございます。
    それから、先ほど165法令所管ということでございますけれども、これにつきましても、平成17年の法施行のときに、そのときは163法令だったのですが、所管課長会を行いました。その後時間がたちましたので、再度所管課を確認するとともに、事業者指導をきちんと行っていただくための説明会を開催する予定にしております。
    次に、「東京くらしねっと」というパンフレットを1部入れさせていただきました。消費生活総合センターで配布している資料でございます。こちらの後ろから2枚目、6ページに先般私どもで作成いたしました名簿作成などの問題を解説した「地域のくらしと個人情報」というパンフレットの概要を載せて周知を図っております。
    それから、資料8でございますけれども、個人情報に係る事故ということで、前回審議会以降の事故を6件載せています。1枚目の概要書で説明させていただきますが、以降にプレス資料を付けてございます。
    1件目が都立上野高校における5月28日の事故でございます。国語科の教諭がその日に中間考査を行いまして、答案を自宅で採点するために持ち出しましたが、その日は歓送迎会に出席し、帰宅途中にバッグの紛失に気がついたというものです。教諭が持ち出していた答案は2クラス81名分で、そのほかに自分の担任のクラスの住所録と先生方の電話連絡網70名分、これが対象個人情報になっております。
    次は、新聞でも大変な問題になった警視庁の流出事故でございます。判明日が6月12日となっていますが、いつからこれが出ていたのかはっきりしておりません。北沢警察署の巡査長が私用パソコンでファイル交換ソフトウィニーを使用した結果、パソコンがウイルスに感染し、当該パソコンに保存されていた警察情報等がインターネット上に流出したということです。個人情報は、捜査報告書、供述調書、被害届等約6,400ファイル。個人情報が識別できるものは約1万500件でございます。
    警視庁では、ウィニーに関係する流出事故がないように非常に注意しておりまして、全職員に対して、パソコンにウィニーが入っていないか検査するソフトを使ってその結果をプリントアウトして提出させるということで、徹底してウィニーが入っているパソコンは使わないということをやっていたところでございますけれども、この巡査長はパソコンを2台所有していて、1台については検査ソフトを使用し、もう1台の自分で使う分については検査ソフトを使用せずにいたということだそうでございます。
    次が6月15日、生活文化スポーツ局の個人情報の紛失事故でございます。
    生活文化スポーツ局では、架空請求メール都民通報制度を設けておりまして、架空請求などの怪しいメールが来たら、都民の方から東京都にメールでそのホームページのURL等を送っていただきますと、翌日に職員が通報されたホームページを開き、法律上問題があるかどうかを判断し、問題がある場合には、すぐ修正しなさいという通知をする制度がございます。6月15日の朝、前日に届いたメールをチェックしようとしたところ、保存しておいた都民からの通報メールの平成19年1月1日から6月14日分までの平成19年分のデータがないことに気がついたということです。
    個人情報の内容は、送ってきた方のメールアドレスと、それからお名前等でございます。件数は、1月から6月13日までの間に受信した7,013件です。それから、6月14日の受信件数につきましては15日に確認することになっており、15日に開いたときにはもうなかったために、14日の受信件数は不明でございます。
    次が都立神経病院の紛失事故でございます。紛失に気がついたのが6月20日ですが、いつからなくなっていたのかはわからないということです。手術室のナースステーション内の事務机の引き出しに保管していたバックアップ用のUSBメモリの紛失です。メモリの中には手術患者延べ743人の氏名と診察券番号と手術時の使用機器が入っていたということです。この引き出しには、かぎをかけることになっていたのですが、職員も交代制でございますし、随時いろいろな人が交代するということなので、かぎはそのときはかけていなかったということでございます。
    5件目が水道局の7月9日の事故で、水道メーターの検針員が顧客宅を自転車で訪問していたときに、表に置いてある自転車に点検票19枚を挟んだバインダーを置いていたところ、戻ってきたらバインダーがなくなっていたということで、含まれている情報は、水道所在地、氏名、電話番号、使用水量などです。
    最後も水道局で、8月6日に判明したということですが、対象となるのは水道週間作品コンクールに応募されたポスター1点です。ポスターの裏面には、応募者の住所、氏名、電話番号、学校名、学校の住所、学年が記入されていました。ポスターの応募は、基本的には郵送ですけれども、この方は、水道局の事業所に直接ご持参されたということです。その際、ご本人が受領書の発行を求めましたが、所定の書式がないので、職員が受領書を手書きで発行したということです。その方のご家族が、受賞作発表の日に、私の家族の作品はどうなったのかと問い合わせしたところ、その作品が応募者一覧に記載されておらず、作品自体も見つからなかったということでございます。
    水道局では、今後は直接お受けしたものは一覧表を作成し、その場で記載するとともに、ポスター用の保管場所等も改善していくというふうに聞いております。
    個人情報に係る事故については非常に多かったのですけれども、以上で報告を終わらせていただきます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。情報公開制度の運用状況、個人情報保護制度の運用状況をご報告いただきました。ご質問ご意見をお出しいただきたいと思います。
    藤原委員、どうぞ。
  • 藤原委員
    1つ教えていただきたいのでが、多摩の市の訂正事例ですが、実務的には、訂正した事実がわかるように文書から抹消するのか、あるいは何月何日訂正と書くのでしょうか。完全に書きかえるのでしょうか。電磁ファイルになったときは、訂正したという事実はわからないような書き方になるのでしょうか。もしご存じなら。
  • 高橋個人情報係長
    申し訳ございませんが、即答できませんので資料を確認いたします。
  • 堀部会長
    ほかにいかがでしょうか。
    情報公開制度は、先ほどもありましたように、件数は増えていますが、内容別には、資料3の最初のところにまとめられています。大量請求の問題はいろいろご意見等も伺いたいと思いますので、最後にご検討いただきたいと思います。
    個人情報制度の運用状況は、警視総監が実施機関になりましたが、多少減ってきているというところもあるようです。
    前から問題になっていますのは、個人情報に係る事故でして、これがなかなか減らないということがあります。先週の金曜日、7日に、内閣府の1年間にわたる運用状況の公表もありましたけど、事故について見る限りでは、民間は減ってきているのですが、総務省の方の公表ですけれども、公的部門も社保庁の数字が出ていました。東京都におきましても、事故がなかなか減らないので、毎回申し上げていますように、十分今後とも注意していただく必要があります。特に、警視庁の北沢署のウィニーの問題は、私もメディアからコメントを求められたりしていまして、これは、特に捜査関係資料で、東京都の条例でいきますとセンシティブな情報でもあります。こういうものが出たことについては大変遺憾であると思いました。
    ということで、これもどういうことだったかということを公開することによりまして、それをもとにして今後同種の事故が生じないように、ぜひ都全体としても取り組んでいただきたい、そういうふうに思います。
    何かほかにございますか。
  • 高橋委員
    情報公開で、増加したトップで、入学式・卒業式関係というのが言われて、日の丸・君が代関係だとおっしゃったのですが、どのようなことの公開を求めてきているのが多いのですか。
  • 宮島情報公開係長
    卒業式において、日の丸・君が代の演奏なり起立の問題が取り上げられており、それに関する請求で、数多くの方が請求したということではなくて、ごく少数の方のご請求なのですが、少数の方が大量に請求をされたという案件です。
  • 高橋委員
    どういう内容、何を公開せよという請求したのでしょうか。
  • 宮島情報公開係長
    教育庁の方で、卒業式等に関しては強い指導がありまして、さまざまな通達等が出されたということで、その通達の中身ですとか教育庁の指導にかかわる文書の請求というものが多くありました。
  • 高橋委員
    わかりました。どうもありがとうございました。
  • 堀部会長
    細かいことですが、さっき資料を見ていて、資料4の個人情報保護制度の運用状況の7ページの表下から5つ目、ここだけは「警視庁」となってほかは「警視総監」になっているのですが、ここも「警視総監」になるのではないかと思うのですが。これは何か意味があるのでしょうか。
  • 高橋個人情報係長
    おっしゃるとおりです。実施機関は「警視総監」でございます。申しわけございませんでした。
  • 堀部会長
    他は「警視総監」となっています。ここだけ「警視庁」となっていましたので、直しておくとよろしいかと思います。
    ほかにいかがでしょうか。
    それでは、次に、報告事項の(3)としまして、存否応答拒否事案につきまして、それでは、河原係長から説明をお願いします。
  • 河原情報公開担当係長
    今回は3枚の報告がございます。情報公開条例に基づくものが2枚、個人情報保護条例に基づくものが1枚。
    まず、これは1枚目と2枚目は同内容の請求でございまして、指定暴力団員か右翼団体員かという違いであります。伏せ字のところ、特定の個人を名指しいたしまして、その者が指定暴力団員かどうかわかる文書と。これが6件分、(1)から(6)というのがあります。それで、警視総監は存否応答拒否なのですが、2号、4号、6号の非開示情報を開示するということで存否応答拒否をいたしました。
    2枚目の事務担当課、公安部も同じです。ここは指定暴力団員か右翼団体員かどうかというものにかわっただけです。6件の請求をいたしまして、前と同じ理由ということで存否応答拒否をいたしました。これが情報公開条例に基づく存否応答拒否です。
    3枚目、福祉保健局でございますけども、請求内容が父親からの虐待ということで、○○区立○○中学校が児童相談所に提出した書類。存否応答拒否なのですけども、その理由として、児童虐待防止法の6条1項というのは、児童虐待を発見した者は、児童相談所に通告しなければならぬと。そこで、通告を受けた児童相談所、福祉事務所というのは守秘義務が課せられている。これが7条の規定でございます。通告をした者を特定させる事項についての守秘義務ですね。文書のあるなしを答えるだけで、この7条の守秘義務違反に抵触するということで存否応答拒否という事例でございます。
    以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。存否応答拒否については、いかがでしょうか。こういうことで報告していただきまして、どういうものが存否応答拒否であったかということが明らかになるようになっております。
    次に、報告事項の(4)としまして、郵政民営化法等の施行に伴う情報公開条例及び個人情報保護条例の一部改正につきまして、北原課長から説明をお願いいたします。
  • 北原情報公開課長
    それでは、資料10をごらんください。郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律が施行されまして、それに伴い、情報公開条例及び個人情報保護条例の一部改正を行ったものでございます。報告いたします。
    条例改正の概要でございますけれども、これは郵政民営化法の施行に伴いまして、日本郵政公社が平成19年10月1日に解散いたします。また、同時に、日本郵政公社法も廃止されます。これを受けまして、東京都情報公開条例及び個人情報保護条例にあります日本郵政公社に関する規定につきまして改正を行ったものでございます。
    条例の内容でございますけれども、該当条文を枠内に掲げてあります。情報公開条例におきましては7条2号ハ、個人情報保護条例におきましては16条2号のハでございます。いずれも、開示請求のあった場合に個人情報として非開示とする情報のうち、公務員等の情報といたしまして開示することを定めた規定でございます。
    これらの中の「公務員等」という定義につきまして、現在は、日本郵政公社の役員及び職員は、国家公務員としてではなく独立行政法人等の役員及び職員とされているところでございますけれども、日本郵政公社の民営化に伴いまして、当該下線が引いてある部分、「及び日本郵政公社」いう文言を削除したものでございます。
    この一部改正条例につきましては、本年の6月の第2回東京都議会定例会におきまして可決成立しておりまして、施行は本年10月1日となっております。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。条例の改正ではありますが、法律の廃止に伴いますいわば形式的な改正ということですが、これはよろしいでしょうか。
    それでは、こういう報告があったということで扱わせていただきます。
    次に、資料11で用意していただいておりますが、報告事項の(5)としまして、都政情報の公表・提供の充実について、宮島係長から説明をお願いいたします。
  • 宮島情報公開係長
    本件につきまして、説明をさせていただきます。
    都は情報公表・提供を積極的に行っていくという方針で取り組んでいるのですが、前回の審議会でも少しご説明させていただきましたけれども、4月からIT・業務改革会議というものが立ち上がりまして、主にその場でこういった情報公表・提供の充実についても取り上げまして検討を進めております。
    都政はさまざまな情報があるわけですが、それらを計画的・重点的に情報提供していこうということが挙げられていまして、例えば、東京オリンピック招致といった、都が積極的に知らせていきたいもの、それから豊洲の新市場整備等、都民の興味が高いと思われるようなもの、こういったものを重点的にいろいろな手法を通じて都民の方にお伝えしていこうということで、例えば、都のホームページを用いて、そこに情報提供の窓口を開設するといったことを検討しております。
    ホームページについては、都民がアクセスしたい情報等に簡単にたどり着けるように改善を図っていこうということで、この秋にホームページをリニューアルする予定でございます。その後も引き続き戦略的な情報提供ですとか、都民が利用しやすいホームページをつくっていく努力を続けていくということで検討しています。
    それから、年報のご説明でも少し出ましたが、毎年複数回請求がある、件数が多い案件というものがございまして、そういうものについては、条例でも積極的に公表をしていくのだということでうたわれております。このIT会議の中でも、例えば、台帳のデータベース化及びホームページでそのものを公開していくとか、それから、ITを用いる以外の方法で、例えば、今、第一庁舎の3階にございますが、都民情報ルームに一覧を置くとか、そういった工夫によりまして事務改善と都民へのサービスの向上を図っていこうということで検討しております。
    それから、3番の開示手段の多様化ですけれども、複数回請求が多いような案件で、これまで情報公開請求をしてもらって交付をしていたものについて、閲覧できる場所に複写機を置いて、請求者が好きなところを複写できるようにするとか、それから、デジタルカメラの撮影を許可して、好きなところを請求者が撮れるようにするといったようなことを検討しております。しかし、デジタルカメラ等につきましては、国内でもほかの自治体等を含めて意見が分かれているところですので、試験的に少数の部署で導入をして、効果や課題等を検証していこうということで考えております。
    このIT・業務改革会議ですが、年度内に一定の結論を出しまして、それ以降も検討を進めていくということになっておりますので、また進行の状況につきましては、随時審議会の中でご報告をさせていただきたいと考えております。
    おめくりいただきました後に、最近の情報公開をめぐる現状についてご参考までに資料をつけさせていただきました。どういった資料をつけたかということだけ簡単にご説明させていただきますけれども、やはり情報公開をめぐる状況の中で、営業目的の請求が多いということが話題に上げられています。その中でも大量請求、営業目的の大量請求で対応に苦慮している自治体も多いということで、自治体同士が集まる会議等でも必ず話題に上るといった状況になっております。
    都では、情報公開条例で、請求の量が多いからというだけで請求を却下できるということにはなっておりませんので、大量の請求の場合は、補正により請求者と相談しながら文書を絞り込んでいくといったことで対応している状況です。
    国ですとか、ほかの自治体等での大量請求につきまして、参考に新聞記事等を別紙で載せさせていただきました。
    横須賀市が条例の改正を検討しておりまして、改正案のパブリックコメントを実施しているということで、それについて、商業目的ですとか、大量請求の部分を抜粋して、別紙4ということでつけさせていただきました。
    それから、大量請求について裁判となっている事例もございまして、近年、判決が出たものにつきまして、こちらの方でまとめまして、別紙5ということで、そのあらましをつけさせていただきました。
    それから、大量請求とも少しかかわってくるのですが、複数回請求があるもの。先ほどからのご報告でも申し上げておりますが、特定の商業目的のものにつきましては、複数回開示請求をされるということが多くありますので、東京都におきましても改善のための検討を行っています。大まかな対応の方針なのですが、全部開示できる文書は積極的に情報公表・提供の枠組みで対応していこうということで、データベース化が可能なものについてはネットで公開していくとか、データベース化にはなじまなくても、都民情報ルームに置けるとか、複写機で対応できる、デジタルカメラの撮影を許可する、そういったいろいろな方法を通じて対応していくことを検討しております。
    ただし、全部開示できるものではないもの、個人情報が記されているもの等につきましては、単純に情報公表・提供の枠組みで対応は必ずしもできないだろうということで、例えば、建築計画概要書を例として、ここに様式等も載せさせていただきましたけれども、こういったものについては、やはり個別の開示請求で対応していくべきではないかというふうに考えております。
    情報公開請求の中での個人情報の保護につきましては、国もいろいろと検討を進めておりまして、例えば建築計画概要書ですとか住民基本台帳、選挙人名簿、これの閲覧の仕組みを変えていくということをしておりますので、その国の動きについても、別紙でつけさせていただきました。ご参考までにお読みいただければ幸いです。
    以上です。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。情報公表・提供の充実に関連しまして、最近さまざまな自治体で議論になっていますこと、それから法律の改正などについても資料を用意していただきまして、その説明をしていただいたところです。これにつきまして意見交換できればと思いますが、いかがでしょうか。
  • 高橋委員
    開示手段のところで、デジタルカメラ等については自治体でも意見が分かれているとおっしゃったのですが、どういう議論がされているのですか。
  • 宮島情報公開係長
    これだけデジタルカメラが普及してきたのは最近の状況ですので、条例なり法律なりに明記をされていないということで、果たしてこれを認めていいものかどうか。例えば、閲覧をされているようなものについてデジタルカメラで撮って、当然印影等も含めて撮影されるわけですが、そういったものまでデジタルカメラで撮影して持ち帰っていいものかどうかですとか、そういったことで認めるところと認められないというところで意見が分かれているという状況です。
  • 高橋委員
    それは、コピーとは違うのだという理解なのですか。そういう議論をしているところは。コピーもだめだという議論になっているのですか。コピーの場合と写真の場合は違うのだということなのでしょうか。
  • 宮島情報公開係長
    そうですね。
  • 堀部会長
    複写機の場合は有料で、デジカメの場合は自分でカメラを持ってきて写していくという違いがあるわけですね。デジカメの場合に印影などがあるものも対象にするということなのでしょうか。
  • 猪俣情報公開担当係長
    お答えいたします。複写機の場合ですと、写しの交付という形になろうかと思うのですけども、通常、デジタルカメラの場合ですと、制度導入しているところにつきましては、閲覧及び視聴の延長線上ということです。閲覧の中で、閲覧したことに対してデジカメで撮影するという概念ですので、写しの交付とは別の概念、写しの交付の範疇ではなく、閲覧及び視聴として認めているという現状です。
    それから、意見の分かれるところなのですけれども、補足させていただきますと、通常、問題がよくあるのが、庁舎管理上、防犯的な問題という意味で使用を認めにくいといったところが議論になり、データ的なものを改ざんされるのではないかという理由により導入に消極的なところはございます。認めているところについては、そういったものをクリアして、一部の部屋についてだけ使用を認めているなどで制度化をしているという自治体等もございます。そういった状況です。
  • 堀部会長
    そうですか。
  • 高橋委員
    デジカメは小さいものですが、庁舎管理上、どういう問題が生ずるのですか。
  • 萩原参事
    この問題は藤原先生がおまとめになっていらっしゃいますので、藤原先生から解説をいただくのが一番的確かと思いますが、補足をさせていただきます。1つは、法律の中に、資料を閲覧させる、縦覧させるという規定がございましても、写しの交付の規定がないという法令が多くございます。そのようなものは、情報公開条例を適用することになっております。自治体は写しの交付の手数料を徴収して、実施をすることになっております。しかし、これは閲覧できるのだから、自分が持参してきたデジカメで撮ってもいいじゃないかということになりますと、写しの交付を無料としている自治体というのはございませんので、写しの交付手数料の規定を無効化するものとなります。そういう点で、法律が閲覧を認めていても、自分でデジタルカメラを持ってきて全部撮ってもいいというところまで法律が認めているのかどうか。やはり情報開示の決定をして、写しの交付の手数料を徴収して交付をしていくべきではないかというところが一番議論になるところです。裁判所等で訴訟資料というのは縦覧できることとなっておりましても、基本的には、メモをとることは許すが、デジタルカメラで撮影を許可はしていないとも聞いております。
    それからもう1つの問題といたしまして、デジタルカメラで撮影したものは画像でございますので、現在ITが非常に進歩したということで、その画像をデータとして取り込んで、それを加工・修正するということも、技術的には可能になっているようでございます。デジタルカメラで撮りましたものを、データの加工・修正をされて、インターネット上に公開されていくというようなことが起きるとすると、手書きでメモをすることを許しているときとは違った問題が発生して参ります。その2点が自治体で意見の割れるところではないかと理解をいたしております。藤原先生、説明が間違っておりましたでしょうか。いかがでしょう。
  • 堀部会長
    では、藤原委員、お願いします。
  • 藤原委員
    今の説明に尽きていると思いますけれども、さっき印影とおっしゃいましたけど、複写等で全部開示と同じであれば問題は生じないわけですよね。全部開示してしまったものを撮ればまた一緒のことですので、その前段階のお話で、今のご説明のとおりだと思うのです。高橋先生がおっしゃった庁舎管理の側面というのはあまりよくわからないのですけど、要するに、そのために一部の自治体では特定のスペースに限定しているというお話がありました。通常の窓口等でやり出すと、デジカメでいろんなところを、どこを撮っているかわからないということがありますよね。ということなんかも、まさしく気にされる自治体もあるということだと思いますが。
  • 高橋委員
    議論の内容はよくわかりました。全然納得はしないのですけれども。
    私も詳しくは知らないのですけど、今、検察庁ではデジカメを許しているのです。検事のつくった書類なんかを読みに行ったときに、デジカメでも携帯で撮ってもいいということになっているのですよ。ですから、裁判所では、割合、そういうふうに応じているのではないかなという印象はありますけど。
  • 萩原参事
    そのような実態を承知しておりませんでした。ありがとうございます。
  • 藤原委員
    高松高裁の判例なのですけれども、もしご存じなら教えていただきたいのです。これは上告しているのでしょうか。確定しちゃったのでしょうか。というのは、私は、考え方が分かれるところだろうなと思っています。さらに、手数料5万円で、人件費・用紙代71万円というところがぴんとこないところがあって、計算の仕方にもよりますけれども、もう少しお金がかかるのではないかという気がしないでもない。上告等とか、東京都でこういうものの大量請求が来たときに本当にこの程度のコストなのか、もしおわかりになればちょっと教えていただきたいなと思います。
  • 宮島情報公開係長
    上告につきましては、市側は、この判決を受けまして即上告するというのではなくて、上告も含めて検討をするというようなコメントを出しております。
  • 藤原委員
    71万円というのはちょっとぴんとこなかったところがあったのですが。
  • 萩原参事
    高松高裁の判決は8月31日で、堀部会長から、この建築計画概要書については、高松高裁の判例が出たので、今日の討議資料としてはどうかというご指示をいただいたところで、私共も詳細には内容を承知はしていないところでございます。
    営業目的と思われるこういう請求が全国に寄せられているということと、堀部会長から実際どういうものなのかということで、建築計画概要書そのものの様式を資料とさせていただきました。これは、非常に機微な個人情報を含んでおります。
    そして、次の資料に、国の方で出されました考え方を付けております。
  • 藤原委員
    これは行政相談ですね。
  • 萩原参事
    行政相談の事例でございますが、建築計画概要書が大量に閲覧されて、販売名簿のようなものが作成をされ、電化製品、引っ越し等の販売の勧誘のための訪問やダイレクトメールの送付につながっているということで、高松高裁の判旨とは違う意味で、これらについてあまりに容易に情報が入手できることはいかがなものかという結論となっております。
    この審議会で相談の事例をご紹介してまいりましたが、ダイレクトメール等で勧誘を受けて非常に困っているというご相談が多くて、個人情報保護はどうなっているのかというご指摘もよくいただくところです。
  • 茂木委員
    営業目的の開示請求のところなのですけれども、都の場合に、補正により文書を絞り込むよう請求者と相談するということですが、具体的にどんなやりとりをやっているのかということと、具体的な効果としてどんなことがあるのか、この辺を教えていただければと思いますが。
  • 宮島情報公開係長
    情報公開請求に慣れている方は、ある程度絞ってから請求されるのですが、あまり情報公開請求をされたことがない方で、ある局の支出状況といった漠然とした形で請求をされる方がいらっしゃいます。その場合、そのまま受けとめるとかなりの大部になりますので、どういう資料をごらんになりたいのか、支出状況でしたらどういう関係の支出を知りたいのか。最近1年間のものでいいのか、もっと近日のもがいいのか、ご本人が知りたい情報に応じて、それでは、この部署の1年間の支出関係の資料を用意しましょうとか、そういった形で絞り込むというのが一般的です。
  • 茂木委員
    それは慣れていない方に対してやれると思うのですけども、例えば、明らかに営業目的ではないかと疑われるケースについて、その場合についての補正とか何かということでの具体的な効果というのはどうなのでしょうか。
  • 宮島情報公開係長
    例えば、建築計画概要書等で大量の請求があった場合、都市整備局というところで対応しております。建築計画概要書では、建築基準法に閲覧制度というのがございまして、その中で営利目的など、明らかに閲覧の制度の趣旨を逸脱してまで閲覧を認めた規定ではないというふうに解されています。この趣旨を踏まえて、建築物または工作物を特定しないものは閲覧を停止、または禁止することができるというふうに建築基準法施行規則でも規定されておりますので、情報公開条例によって写しの交付を求める場合でも、建築物または工作物の段階まで特定をしていくという姿勢で、請求者に対してできるだけ特定をするということをお願いしている状況です。
  • 堀部会長
    東京都では、そういうふうに請求を絞っていただくことで比較的対応が順調にいっているようにも思いますが、高松市の例のように、公開があってというようなことやもっと件数の多いところもほかにもあるわけで、いろいろなところで対応を苦慮しているという状況があります。大量請求は、制度が始まって比較的早い時期から議論になってきましたが、一方で、目的を問わないということ、どういう目的でこの情報開示を求めてきているのかということを問いませんので、なかなか対応が難しいというようなこと等があって議論がずっと出てきていたところです。
    こうした状況があるということを、ここでも明らかにしておいて、今後また機会がありましたらどのようにすればいいのかということで議論をしていきたいと思います。
    横須賀市の条例改正案は出ますが、これは、ここで何か話題にするというわけにもいかないと思いますので、ご意見があれば横須賀市の方に意見を出していただくということはあるかもと思います。
  • 藤原委員
    高松の例は、いわゆる共有財産の強調的な考え方ですけど、横浜高裁は、条例の文言でいえば説明責任のお話であるというところで、一応断り方を考えてはいるのですよね。そのあたり本当は議論すべきところなのだとは思うのです。条例の改正、東京都の12年の時に商業的な大量請求というお話は当然議論には出ているのですが、なかなか決め手がなかったわけです。ただし、先ほどのご質問のような補正がきくかというと、建築計画概要書とか道路位置指定図とか、廃棄物の処理の関係だったと思いますけれども、データベース化して地図さえつくれればいいというので、そうすると全部なければいけないということだから、多分なかなか指示には従ってくれない人たちですので、それをどう考えるかというのは1つの問題ではありますよね。
  • 堀部会長
    住民基本台帳法の昨年の改正、それから公職選挙法も昨年改正しましたが、東京都の行政部長にも委員になっていただいて議論をしてきたところであります。この住民基本台帳などの大量閲覧というのは各地で問題になってきて、そこをどうするのか。これをめぐっては、住民基本台帳法自体が昭和60年(1985年)の改正のときに、請求事由を明らかにしなければならないというふうにして、これは当時、一方では情報公開の議論、東京都なども80年代の前半に議論があったわけです。そのころは情報公開一般というのは請求目的を問わないということで来たのですけれども、住民基本台帳については目的を明確にするということで、その目的が不当であることが明らかな場合には、市町村長はこれを拒むことができるということで閲覧拒否できる。その不当の目的は何かというようなことが当時の自治省の解釈でいろいろ示されていまして、それに従って運用してきています。不当な目的でない形での閲覧請求でも、それが極めて大量になってきている。またそれがいろいろ議論になってきて、昨年の改正では一般の閲覧は廃止ということになりました。
    いろいろ説明することもありますけれども、概要とすると以上のようなことです。
    公職選挙法につきましても、この選挙人名簿というのをどうするのかということで、あわせて議論をしていったところであります。
    ほかにいかがでしょうか。
  • 高橋個人情報係長
    先ほどの藤原先生からのご質問についての回答をさせていただきます。訂正請求の件でございますけれども、請求があった部分について削除し、スペースをあけたままです。見え消しではございません。以上でございます。
  • 藤原委員
    ありがとうございました。
  • 堀部会長
    本日予定しました議事は以上ですが、全般にわたって何かご発言があればお願いします。
    それでは、事務局から何かありますでしょうか。
  • 萩原参事
    本日は貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
    次回の開催でございますが、年が明けましてからということで予定をいたしております。細かい日程につきましては、別途調整をさせていただきたいと思います。
    本日はまことにありがとうございました。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。
    以上をもちまして、本日の審議を終わらせていただきます。

午前11時49分閉会

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