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平成29年(2017年)2月6日更新

情報公開・個人情報保護審議会(第54回議事録)

第55回東京都情報公開・個人情報保護審議会議事録

平成25年7月8日(月曜)
東京都第一庁舎42階 特別会議室B

午前10時00分開会

1 開会

  • 梅田都政情報担当部長
    皆様おはようございます。都政情報担当部長の梅田です。どうぞよろしくお願いします。
    それでは、定刻になりましたので、東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催いたします。議事に入りますまで、私が進行を務めさせていただきます。
    なお、東京都では地球温暖化対策の一環としまして、5月から10月まで冷房時の室温28度ということで設定させていただいておりますので、皆様におかれましても、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
    まず、本日は大変にお忙しい中、審議会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、委員の皆様には、常日頃より東京都の情報公開・個人情報保護につきまして、専門的なお立場からご審議をいただき、有益なご助言を賜りますことを、厚く御礼申し上げます。
    本日、1名、高野委員が遅れていらっしゃいますけれど、6名の方が出席の予定ということになっておりますので、審議会規則第4条の規定によりまして、本会議は有効に成立しております。
    また、本審議会は、情報公開条例、個人情報保護条例に基づきまして設置されており、委員の方々の任期は2年間とされております。今期の委員につきましては、7名の委員の皆様方に前期に引き続きましてご就任をお願いし、快くお引き受けいただきました。委嘱状につきましては、既に郵送にてお届けさせていただきました。今後とも2年間どうぞよろしくお願いいたします。

2 会長及び会長代理の選任

  • 梅田都政情報担当部長
    それでは、最初に議題の2、会長の選任及び会長代理の選任に入らせていただきます。会長の選出につきましては、審議会規則第3条によりまして、委員の皆様の互選により選出していただくということになっております。改めて、選任手続をお願いしたいと思いますけれども、皆様いかがいたしましょうか。
  • 藤原委員
    大変僭越でございますが、私からご推薦申し上げたいと存じます。
    堀部先生は、日本の情報法学の分野における第一人者であられ、情報公開制度、個人情報保護制度の両分野について極めて高い識見をお持ちです。また、本審議会の会長を既に長年務められ多大な実績をお持ちですので、ぜひ引き続き会長にご推薦申し上げたいと存じます。いかがでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 梅田都政情報担当部長
    皆様異議なしということですので、それでは、堀部委員に会長にご就任いただくことになりました。
    では、これ以降の議事進行につきましては、堀部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
  • 堀部会長
    それでは、引き続き会長を務めさせていただきます。
    私は、東京都の情報公開条例、個人情報保護条例の制定の過程からかかわっておりまして、今年2013年ですので、東京都で検討を始めましたのが1983年でしたので、ちょうど30年前ということになります。その旧条例は、1985年に施行されました。その後、個人情報保護条例をどうするか、丸の内の庁舎からこちらに移るのに合わせまして、当時の鈴木知事がこの新しい庁舎で多くの個人情報を扱うことになるので、それまでに条例をつくってほしいということで新たに懇談会ができまして、そこで検討をして、平成2年に個人情報保護条例が制定され、平成3年から施行ということになりました。これは1991年ですから、もう22年ということになります。
    最近、オープンデータとかビッグデータというようなことが盛んに言われておりますが、オープンデータというのは、その情報公開条例に基づいて東京都で進めてきたものでして、最近、そういう言葉で言っていますが、それをもう既に30年前から検討を始めて条例化して今日に至っているという状況があります。個人情報、パーソナルのデータをどう扱うかというのも条例との関係もあるし、また、それが情報公開条例との関係で議論があるところでありまして、これなども以前から検討してきて、実際に運用してきたことが、現在いろいろなところで論じられています。そういうことで、いろいろ関わってまいりましたので、今後ともこの東京都の情報関係の条例の適用につきましてはそういう観点からチェックもしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
    それでは、会長代理の選任ということで、これは審議会規則の第3条によりますと、会長代理は会長が指名することになっております。前期に引き続きまして、高橋委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 堀部会長
    それでは、そのようにさせていただきます。
    高橋委員よろしくお願いいたします。ぜひ一言ご挨拶いただければと思います。
  • 高橋委員
    ご指名ですので、微力でありますけれども務めさせていただきたいと思います。きょうはネクタイをし、上着も着てまいりましたが、特に指名されることを想定したわけではございませんで、2年ぐらい前に、もっと前だったかもしれませんけれども、この会に出てきたときに、都庁の職員の方々男性全員がネクタイと上着をされておりました。私はもう半袖のシャツ一つで来ましてびっくりしたのを思い出しまして、今朝、今日猛暑だったらどうするのかなと思ったんですけれども、念のためにと思いまして、暑いから上着を着るのは嫌だから手に持ちまして、ネクタイもかばんに入れまして、ここに着いてから下でネクタイをして会議に出てきたんですけれども、皆さん全員、もう今回はクールビズをおやりになってる。どうも状況判断ができない、そういう能力がない、こういう職務に適任かどうか自信がありませんけれども、一生懸命務めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、議事次第の2が終わりましたが、ここで事務局からご報告があるということですので、梅田部長お願いいたします。
  • 梅田都政情報担当部長
    それでは、4月の人事異動によりまして事務局職員がかわりましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
    情報公開課長の高橋です。
  • 高橋情報公開課長
    高橋葉夏でございます。ちょうど6年ぶりに戻ってまいりました。またお世話になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    6年ぶりですが、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 梅田都政情報担当部長
    続きまして、情報公開係長の真田です。
  • 真田情報公開係長
    真田でございます。よろしくお願いいたします。
  • 梅田都政情報担当部長
    人事異動の紹介は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。

3 住民基本台帳ネットワーク部会委員及び専門調査員の選任

  • 堀部会長
    それでは、次の議事に入らせていただきます。
    議事次第の3ですが、住民基本台帳ネットワーク部会委員及び専門調査員の選任に移らせていただきます。
    部会委員は、情報公開条例第34条第6項に基づきまして審議会委員の中から指名し、また審議会規則第7条に基づきまして専門調査員を置くことができることになっております。現在の住民基本台帳ネットワーク部会は、審議会委員3名及び専門調査員1名の計4名で構成されております。これまでのメンバーは、私と高橋委員、藤原委員の3名と、それから専門調査員に東京工業大学の山口調査員にお引き受けしていただきました。引き続きこの4名で行っていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 堀部会長
    特に異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
    また、審議会規則第6条によりますと、部会の部会長は会長が指名することになっております。ご了承いただければ、引き続き部会長を務めさせていただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 堀部会長
    それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
    なお、本審議会に先立ちまして、部会を開かせていただきました。いつも審議会の前に開いて、ここにまたご報告するということをしております。先立って行われました部会の決議の効力につきましては、部会において事務局より説明がありましたとおり、ただいまの部会委員の選任をもって確定とさせていただきます。

4 報告事項

(1)住民基本台帳ネットワーク部会からの報告について

  • 堀部会長
    それでは、住民基本台帳ネットワーク部会からの報告ということで、これにつきましては、木元課長から説明をお願いいたします。
  • 木元振興調整担当課長
    総務局行政部振興調整担当課長の木元と申します。よろしくお願い申し上げます。
    それでは、失礼ですが、座って説明させていただきます。資料に沿いましてご報告させていただきます。
    まず、資料1、認証機能の変更及び都道府県サーバの集約に伴う運用管理規程の見直しについては、先だって行われました部会においてご審議いただいた事項になります。
    初めに、項番1、認証機能の変更に伴う運用管理規程の見直しでございます。
    平成24年2月に住基ネット推進協議会において、セキュリティの向上を目的として、職員の操作者認証方法の変更が決定されました。各自治体は、平成26年5月までに、現在のICカードと暗証番号による認証から、職員の手のひら静脈パターンによる認証に切り替える必要があります。認証方式の変更に伴い、権限の付与について、システム管理者が権限付与したICカードを操作者に貸与する方法から、端末で職員の生体情報を登録する方法に変更となります。その対応といたしまして、権限付与に係る運用体制を変更し、セキュリティを確保したいと考えております。
    現在は、セキュリティ責任者からの申請に基づきまして、システム管理者が一元的に権限を付与しております。変更後は、操作者の生体情報を登録する拠点管理者権限を操作者と異なる課に設定し、その登録後、システム管理者がシステムの登録内容をチェックすることで適正な権限付与の確保を図る予定となっております。
    次に、項番2、都道府県サーバの集約に伴う運用管理規程の見直しでございます。
    平成24年6月に行われました住基ネット推進協議会において、職員の負担軽減と経費削減を目的として都道府県サーバの集約が決定されました。現在は都庁舎に設置してありますサーバを外部データセンターに移設することで、サーバの運用管理主体が都から集約センター事業者に変更します。都が直接関与できなくなるため、現行と同等のセキュリティレベルを確保する必要がございます。その対応といたしまして、現在都が実施している自己点検及び外部事業者による監査について、集約センター事業者にもこれを実施させましてセキュリティの確保を図ります。この自己点検、外部監査項目については、総務省と住基ネット推進協議会が定めましたセキュリティ基準及びチェックリスト約70項目について実施する予定となっております。
    最後に、項番3、今後の予定についてご説明いたします。
    7月のシステム管理者及びセキュリティ責任者で構成いたしますセキュリティ会議の審議を経まして、12月までに規程等を改正いたします。その後、平成26年1月に集約後サーバが稼働し、生体認証につきましては、事前に利用部門へ登録マニュアルを配付した上で、平成26年2月に切り替えを行います。
    本審議事項につきましては、先ほどの部会にてご承認いただきましたことをご報告させていただきます。
    それでは、引き続きまして資料2をお開きください。資料2は、住民基本台帳ネットワークシステムの現況についてでございます。資料に沿いましてご報告をさせていただきます。
    初めに、項番1、都における本人確認情報の利用または提供件数でございます。ここでは、直近3カ年の実績数字を、住民基本台帳法に基づく利用・提供と条例に基づく利用・提供に分けて掲載しております。
    上から順にご説明いたします。
    まず、表の一番上でございますが、国の行政機関等への提供件数でございます。平成24年度は、4,651万件余りの提供がございまして、平成23年度と比較し、771万件ほど増加しております。これは、平成23年7月から開始されました日本年金機構における住所変更届の届出省略に伴う照会事務が、年度を通じて実施されたことによるものでございます。4,651万件余りのうち、4,366万件余りが日本年金機構に対する提供となっております。
    次に、他の地方公共団体への提供件数でございますが、平成24年度は8,607件となっております。平成23年度とほぼ同水準でございますが、平成22年度と比較すると大幅に増加しております。これは、平成23年度及び平成24年度に東京都知事選挙及び東京都議会議員補欠選挙が実施されまして、都内区市町村での公職選挙法に基づく利用が一時的に増加したことによるものでございます。
    3つ目の、都の本人確認情報の利用件数でございます。平成24年度の利用は、56万件余りとなっております。このうち、およそ52万8,000件がパスポート関係の件数になってございます。また、都の条例事務利用または提供件数でございますが、平成24年度につきましては11万3,000件余りとなっております。このうち都税の賦課徴収関係の事務で約8万件、下水道の料金徴収事務で約2万6,000件となっておりまして、2つの事務で、条例による利用・提供件数のほとんどを占めております。これらは平成23年度と比較いたしましてやや減少しておりますが、大きな変動は生じていないといった状況でございます。
    以上、平成24年度の都における利用または提供件数の合計は約4,720万件となっております。
    続きまして、項番2、都内自治体における住基カードの交付枚数についてでございます。
    平成24年度には約14万7,000枚を交付いたしまして、累計の交付枚数は約111万3,000枚となっております。これは、平成24年3月31日現在の住民基本台帳上の東京都の人口を用いて人口比としてお示しいたしますと約8.8%となります。ご覧いただきますとおり、交付枚数は減少傾向を示しておりまして、全国においても同様の傾向が見られます。想定される減少理由として、平成19年分の所得税申告から創設されました電子証明書等の特別控除によりまして、電子証明書の格納媒体である住基カードの申請件数が増加いたしましたが、平成23年度から特別控除の金額が逓減したことが考えられます。
    都内自治体における住基カードの交付枚数については以上でございます。
    最後に、項番3、住基ネットに関連した最近の動きについてご報告いたします。住民基本台帳法の一部改正についてでございます。
    平成21年7月に改正されまして、平成24年7月9日に施行されました改正住基法によって、都内では約38万5,000人の外国人の方が住民票に登録されてございます。そして、本日7月8日から外国人住民に対する住基ネット関連規定が適用となってございます。これによりまして、一部行政手続で住民票の写しの提出が不要となるとともに、住民票の写しの広域交付や住基カード等の取得が可能となります。こちらで把握している限りでは、都内区市町村で特段大きな支障はなく制度移行がなされていると聞いております。
    私からの説明は以上でございます。
    (高野委員 着席)
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見をお出しください。
    よろしいでしょうか。特にご発言ありませんので、次の議題に入らせていただきます。

(2)平成24年度情報公開制度の運用状況について

  • 堀部会長
    次は、平成24年度情報公開制度の運用状況であります。これにつきましては、高橋課長から説明をお願いします。
  • 高橋情報公開課長
    それでは、情報公開制度運用状況についてご説明させていただきます。
    資料、右下の通し番号で3ページ、資料3「平成24年度東京都の情報公開制度の運用状況について」をご覧くださいませ。
    改めてではございますけれども、この資料の位置付けでございますが、情報公開条例37条、そして個人情報保護条例32条に実施状況の公表という定めがございまして、これに基づきまして、毎年1回、例年この7月頃に公表しているものでございます。こちらは、ちょうど先週の金曜日7月5日にプレス発表をさせていただいたものです。
    最初の1枚目は概要版となっておりまして、4ページ目以降が情報公開制度運用状況年次報告書、通常「年報」と呼んでおりますが、こちらの本体という形になっております。
    まず、3ページの概要版でご説明させていただきます。上の枠内に記載されていますとおり、今年度の特徴としましては、開示の決定件数は、過去最高だった前年度からはやや減少はしておりますが、今年も1万件をオーバーしておりまして、4年で倍増という高止まりの状況となっております。
    「1開示請求の処理状況」でございますが、24年度の開示等決定件数1万1,314件、内訳としましては、開示が8,556件、一部開示が2,141件、非開示が57件、不存在等が560件となっております。開示決定件数のうち、開示決定、いわゆる全部開示と呼ばれていますが、それと一部開示の決定が占める割合が94.5%となっております。
    下の方、開示決定等件数の推移をグラフでご覧いただければと思います。昭和60年にこの制度がスタートしまして、当初は100件から200件程度でございましたが徐々に増加しまして、平成7年、8年に一度ピークを迎え3,000件近くなったのですが、その後また少なくなりまして、だんだんそれが盛り返してきまして、昨年、今年と過去最高レベルという形になって件数が伸びている、そんな状況でございます。
    続けて、年報本体も簡単にご説明させていただきます。おめくりいただきまして8ページをご覧ください。実施機関及び局別の開示請求の処理状況が載っております。平成24年度は一番多かった局は建設局となっておりまして、こちらは4年連続1位となっております。続けて、都市整備局、水道局、福祉保健局、下水道局、こちらの5つの局で全体の約7割を占める、そんな状況でございます。
    次の9ページ上の表ですが、内容別の決定件数でして、今年度も圧倒的に工事設計書が多く、半分以上を占めている、そんな状況になっております。2位の建築計画概要書、3位は食品営業許可台帳となっておりまして、このベスト3は4年連続変わらない状況でございます。9ページの下の表にございますとおり、開示請求者の区分別で見ますと、6割以上が法人関係ということで、これはこの上の請求内容とリンクしている、そんな状況でございます。
    おめくりいただきまして、11ページをご覧ください。東京都情報公開審査会の運営状況でございます。24年度の新規諮問は110件と、前年度の69件から大変増加して、41件も急増しております。そのため新規案件も増えている、そんな状況でございます。答申は33件となっておりまして、昨年度までもご説明しましたとおり、特定の方の申立てに係るものが多いのですが、審査会のご協力をいただきながら、審議の促進を図っているところでございます。その裏面からは、不服申立て、諮問及び答申の件名等の一覧が続いております。
    22ページには、本審議会の運営状況が記載されておりまして、昨年度は7月、2月と2回開催させていただきました。
    23ページには、情報の公表・提供の状況が載っておりまして、公表件数913件、提供件数6,970件と、前年度よりも増加している状況となっております。
    以上、簡単ではございますが、東京都の情報公開の運用状況についてご説明させていただきました。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
    以前から議論になってきましたように、9ページのところで工事設計書の請求件数が多いということがあるわけですが、提供の仕方は今どういうふうになっているんでしょうか。
  • 高橋情報公開課長
    以前もご説明させていただいたかと思いますが、工事設計書については、情報提供をするべく実施機関と協力しながら、今年度にはスタートできるよう準備を進めているところでございます。
  • 堀部会長
    そうですか。この9ページの下のところで、表4の開示請求者の区分別の決定状況で、一番上の東京都の区域内に住所を有する者というのは、これは個人ですね。その次に、都の区域内に事務所または事業所を有する個人及び法人その他の団体とあって、この個人というのは事業を営んでいる個人というような意味ですか。
  • 高橋情報公開課長
    その意味も含めまして、会社として請求されているところもありますし、法人にお勤めの方というのもございます。
  • 堀部会長
    そうすると、つまり法人等といいますか、事業を営んでいる方の請求は、ここでいくと7,164件ということで、非常に多いということが特徴として出ていると、こういうふうに見ていいですね。
  • 高橋情報公開課長
    そのような状況でございます。
  • 堀部会長
    そうですか、はい。
    ご質問、ご意見いかがでしょうか。このあたりは前から当審議会でもずっと議論をしてきたところで、その傾向が昨年度も続いているというふうに見てよろしいわけですね。はい。ありがとうございました。

(3)平成24年度個人情報保護制度の運用状況について

  • 堀部会長
    それでは、次の報告事項に入らせていただきます。
    平成24年度個人情報保護制度の運用状況についてということで、これについては高野係長からお願いいたします。
  • 高野個人情報係長
    それでは、ご報告いたします。25ページをご覧いただきたいと思います。平成24年度東京都の個人情報保護制度の運用状況についてということで、25ページ、26ページが概要版となっておりまして、27ページ以降本体がついておりますので、適宜あわせながらご説明をさせていただきます。
    まず、概要版25ページをご覧いただきながらご説明をさせていただきますが、平成24年度の個人情報保護制度の運用状況です。まず、開示・訂正・利用停止請求の決定件数が2,011件で、前年度と比べて279件増加したという特徴がございます。また、開示決定等の件数が1,994件で、内容別の決定状況を見ますと、110番処理関係462件、診療情報関係267件、生活安全相談関係244件が上位となっております。
    1番目といたしまして、保有個人情報を取り扱う事務の届出状況でございます。これは、本体のページですと通し番号の29ページからとなりますので、あわせてご覧いただきながらお願いしたいと思います。
    保有個人情報を取り扱う事務の届出状況でございますが、実施機関、これは各局等ですが、保有個人情報を取り扱う事務を開始、変更、あるいは廃止しようとするときは届け出ることとされておりまして、平成24年度の状況がそちらに記載されております。開始147件、変更42件、廃止98件の届け出がございまして、24年度末時点での届け出事務の総数といたしましては、3,799件となっております。局別等の届け出件数につきましては、29ページに記載のとおりとなっております。
    続きまして、2番目といたしまして、開示・訂正・利用停止請求の処理状況でございます。これは、本体の通し番号33ページ以降をご覧いただきたいと思います。平成24年度の決定件数は、トータル2,011件で前年度に比べて279件増加いたしました。警視庁、福祉保健局、病院経営本部の上位3局で全体の8割を占めているところでございます。2,011件のうち、開示、一部開示、非開示、不存在等の決定が1,994件、訂正、一部訂正、非訂正等の決定で16件、それから利用停止、一部利用停止、利用非停止等の1件、合わせて2,011件という内訳でございます。昨年度に引き続き、全体の傾向としましては、特定の請求者の繰り返し請求という傾向が多いように思われます。決定件数のこれまでの推移につきましては、25ページのグラフをご覧いただきますと、ここ数年非常に増加傾向が著しいということがおわかりになると思います。
    続きまして、26ページをご覧ください。開示決定等の内容別の決定状況でございます。本体の35ページからになりますので、あわせてご覧いただきたいと思います。開示決定等の内容別の状況でございますけれども、これにつきましては、110番処理関係が大幅に増加しております。昨年度236件から今年度462件に増加いたしました。この上位に出てまいります関係のものにつきましては、例年も上位になる項目でございまして、年によって若干順位の変動があるというような状況でございます。また、35ページにございますとおり、非開示の理由別の内訳につきましては、16条2号がやはり903件ということで一番多くなっています。
    続きまして、26ページにまたお戻りいただきたいと思いますが、3番目といたしまして、不服申立件数及び個人情報保護審査会の運営状況でございます。これは、本体の36ページからとなりますので、あわせてご覧いただきたいと思います。平成24年度の審査会の開催回数は31回でございます。新規諮問60件、答申51件の状況となっております。答申の51件につきましては、23年度よりかなり増加しておりますが、これは、審議の効率的な処理を心がけた結果であろうと推測されるところでございます。
    26ページにお戻りいただきまして、項番の4でございます。相談の受け付け状況でございますが、これは本体の50ページ以降になりますので、あわせてご覧ください。相談の受け付け状況につきましては、個人情報保護に関する相談、24年度につきましては691件ございました。相談者の内訳につきましては、そちらの表にあるとおりでございます。制度の普及が年々定着してきたことの影響か、相談の件数自体は減少傾向となっております。
    個人情報の運用状況につきましては、ご報告、以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見をお出しください。
    今の高野係長の説明で、50ページの(2) の都民・消費者から寄せられた苦情の対象事業分野というので情報通信というのがありますが、これは例えばどのようなものなんでしょうか。それから一方で、国民生活センターなどにも情報通信関係のインターネットでの件数というのは増えてきている傾向にあって、どういう内容かわかりましたら少しご紹介いただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
  • 高野個人情報係長
    この情報通信というカテゴリーの多くは、インターネット上のトラブルが大半です。インターネット上のトラブルでも、自分が特定のサイトに対してアクセスをして申込みをしたような状態の中で、全く知らないところからいろいろな宣伝のメールが多数届いたとか、サイト上に記載されているチェック項目を外さなかったがために、同じその業者から別の目的の内容の勧誘のメールが届いたとか、主にそういったインターネット関係の苦情についてがこの情報通信の分野の内容です。
  • 堀部会長
    これは消費生活総合センターのほうに相談が寄せられているのとは別なわけですね、個人情報という点で来ているわけで。
  • 高野個人情報係長
    はい。当課で受けさせていただいた内容のものでございます。
  • 堀部会長
    別のものですね。
  • 高野個人情報係長
    はい。
  • 中村委員
    ちょっとよくわからないところが通しの37ページですか、諮問及び答申の件名等で、平成22年の日付で諮問手続中というのがずっと続いておりますが、かなり長い間、この手続中というのは、審議に至らないわけで、どういう状態になっていて、同一人なのか、どういう問題なのか伺いたいと思いますが。
  • 高野個人情報係長
    この諮問手続中の内容につきましては、特定の同一人物の方の請求に係るものですが、実施機関が行った決定について、一部決定内容に誤りがあったり、理由の付記について十分ではない部分があったり、そういった状況が見受けられまして、諮問を受けてしまうと審査会の中でそれを審議していかなければならないわけですが、諮問の手続を行う途中でその状況が判明しまして、諮問を受ける前に、正しい決定を再度行うべきではないかということに関して、実施機関にそういった意見を申し上げているところなのですが、行政不服審査法上の手続との関係で、いわゆる処分自体について答申を経ることなく変更していいものかどうかに関して、法的な若干の疑義が生じておりまして、その点についての検討が引き続いているという状況になります。
  • 中村委員
    余り詳しいことはよくわからないですけれども、要するに、いつまでも引きずらざるを得ない状況に至っている問題なのですか。
  • 高野個人情報係長
    鋭意処理を進めているところでございます。
  • 中村委員
    これはやはり福祉保健局のケースに関しての問題なのですか。
  • 高野個人情報係長
    さようでございます。
  • 中村委員
    はい、わかりました。
  • 堀部会長
    ほかに。
  • 藤原委員
    今のことともちょっとだけ関連しますけれども、情報公開も個人情報保護も開示決定がすごく増えて高止まりしているのですが、延べ人数でなくて、繰り返しというか特定の熱心な方の請求は何%ぐらいに今なっているか。ここに書かなくても統計があれば。どのくらい占めているのですか、同じ方だと明らかにわかるのは。
  • 高橋情報公開課長
    情報公開の方を先に申し上げますと、開示請求自体ですとさすがに情報公開でございますので、特定の方と言っても数%、1桁というような形にはなっています。ただ、異議申立てのほうは、やはり110件の新規諮問のうち半数ぐらいが同一人物の方の分という形で、やはり特定の方が多くを占めている状況でございます。
  • 高野個人情報係長
    個人情報につきましては、特定の方、数名の方が平成24年度の2,011件のうち約460件弱を占めているということで、23%弱程度の割合になります。不服申立てに関しましても、個人情報に関しましては、平成24年度全体で53件なのですが、そのうち特定の数名で30数件になるという状況で半分以上占めるということでございます。
  • 秋元委員
    1つ質問ですが、さっきの50ページのところの都民・消費者から寄せられた苦情の対象事業分野のところで、表17のその他が128件で一番多いですけれども、上のほうの14件、14件、13件よりもその他のところがすごく多いのです。内訳みたいなものを、逆にもうちょっと何か知りたいかなと思ったのですけど、どうでしょうか。
  • 高野個人情報係長
    実は、これは本当にいろいろなものにばらばらに分かれているので、今回特に内訳をこれ以上のものとしてご用意させていただいておりませんが、全く本当にばらばらな内容で、ちょっとカテゴリー的に整理させていただいておりませんので、また必要があれば、別途情報提供させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  • 堀部会長
    ほかにいかがですか。
    では、特にご発言がありませんので、次に移らせていただきます。

(4)存否応答拒否について

  • 堀部会長
    次は、存否応答拒否についてということで、これにつきましては、藁谷係長から説明をお願いいたします。
  • 藁谷情報公開担当係長
    それでは、続きまして存否応答拒否についてご報告させていただきます。
    お手元の資料の5、ページ数ですと53ページとなります。
    前回の審議会以降、2月になりますけれども、ご報告案件がありまして、情報公開につきましては5件、個人情報については6件の報告案件、全部で11件となります。まずは、私の方から情報公開に関してご報告させていただきまして、引き続き個人情報係長の高野の方から個人情報についてはご報告をさせていただきます。
    それでは、資料に従いまして順番にご説明申し上げます。
    まず、情報公開、番号の1番からご説明させていただきます。こちらは、東京都が発注した下水道の工事契約に関して、落札した業者から東京都に提出された債権譲渡承諾依頼書の開示請求でございます。担当は下水道局となります。下水道局では、債権譲渡承諾依頼書の有無は工事落札業者の経営方針、経理、契約にかかわる事業活動上の内部管理に即する事項であって、その有無を答えることにより、当該法人の競争上、または事業運営上の地位が損なわれるとして、3号該当ということで存否応答拒否を行いました。
    若干、債権譲渡承諾依頼書についてご説明いたします。公共工事の代金の債権の譲渡に関しましては、国が推進しております施策に基づいて行われておりまして、中小建設企業が公共工事等の発注者に対して有する工事請負代金債権を担保に、金融機関等から融資を受けることが可能となる制度でございます。その際に、事前の承諾を得るために作成される文書が本件の債権譲渡承諾依頼書という文書になります。本件につきましては、落札業者である公共工事請負業者が、請負代金を担保に金融機関から融資を受けるために、その承諾依頼書を東京都に提出しているか否かを知りたいということで開示請求に至ったものでございます。したがいまして、債権譲渡承諾依頼書が提出されているということは、当該工事請負業者が金融機関等から融資を受けているか否かといった法人の経理に関する内部管理にも関する事項が明らかになるとして、存否応答拒否を行いました。
    続きまして、2番目でございます。こちらは、特定月日に特定場所で行われた集会に私服警察官がいたことがわかる文書という請求でございます。担当は警視庁でございます。警視庁では、本来秘匿性を有する私服警察官の警察活動に関して、日時、場所等を特定した情報の開示を求める請求と認められ、開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、条例7条4号の捜査情報が明らかになるとして、存否応答拒否を行いました。
    続きまして、3番目の案件でございます。こちらは、特定月日に特定の公立病院の医療事故に関して、東京都が医療法25条1項で規定する立ち入りを適用しない理由と根拠がわかる文書についての開示請求でございます。担当は福祉保健局でございます。福祉保健局では、本件対象公文書の存否を答えることは、公表されていない特定月日における特定の公立病院の医療事故の有無が明らかになり、当該公立病院の評価、社会的地位及び事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとして、条例7条6号該当を理由として、存否応答拒否を行いました。なお、福祉保健局において、医療事故の公表基準として特に定めた規定はないとのことですけれども、人命にかかわる重大なものについては公表となる可能性が高いものの、全ての事案を公表しているわけではないということでございます。
    続きまして、4番でございます。こちらは、警察署の保護房で心肺停止状態となり、その後死亡した特定個人の解剖結果の文書及び捜査報告書の開示を求めたものでございます。担当は警視庁となります。警視庁では、これらの請求のうち、捜査報告書等については訴訟に関する書類に該当し、条例2条の2で規定する、条例の規定を適用しないこととされている文書、つまりは適用除外文書であるとして、却下処分を行いました。その他作成される行政文書につきましては、本件は特定の個人を指定した名指し請求でございますので、対象公文書の有無を答えることにより2号の個人情報を開示することになるため、存否応答拒否を行いました。
    最後に、5番目でございます。特定の期間を指定して特定の相談内容に係る生活相談の記録の開示を求めたものでございます。担当は警視庁となります。警視庁では、特定期間内に警察で受理した特定の内容に係る生活相談の記録の有無を答えることにより、個人情報、あるいは捜査の端緒、捜査情報の入手の有無が明らかになる、相談内容が明らかになることで、秘密を守るという相談者との信頼関係が損なわれ、今後の相談を躊躇するなど相談業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとして、2号、4号、6号に該当するとして、存否応答拒否を行いました。
    情報公開につきましては、以上でございます。
  • 高野個人情報係長
    引き続き、個人情報の存否応答拒否についてご説明をさせていただきますが、ご案内のとおり、個人情報の開示請求につきましては、かなり特定個人の内容に立ち入ったものでございますので、詳細なご案内はできない部分がございますところをご了承ください。
    では、簡単にご説明をさせていただきますが、番号の6番と番号の8番につきましては、ともに親の子供に対する探索的な請求、居所といったものに関しての情報を得たいがための探索的な請求の事案でございます。
    番号の7番、これは、警察の特定個人に係る情報収集の実態が明らかになってしまうような情報についての開示請求ということで、存否応答拒否を行っているものでございます。
    番号の9番でございますが、これは、非常勤教員の採用選考に関しまして、校長が当該その教員に関して作成する文書なんですが、非常勤教員の採用選考に関して、当該教員を推薦するかしないかということについて、推薦しない場合にだけ作成される文書でございますので、これを存否自体を明らかにしてしまうと、推薦したかしないということが明らかになってしまうということで、存否応答拒否を行っている事案でございます。
    次のページでございますが、番号の10、これは、やはり警察関係のものでございまして、これは請求内容をご覧いただきますとおわかりになるかと思いますが、警察の暴力団等に関する情報収集活動の実態が開示することで明らかになってしまうということで、存否応答拒否を行っているものでございます。
    最後に、番号の11番でございますが、この内容は保健所が実施している精神保健相談というものがございまして、保健所の相談員が生活上のさまざまな不安ですとかそういったことに関しての精神的、心理的な内容についてのご相談をお受けするものなんですが、この場合はその相談者の方の直接の請求ではなくて、請求者はその相談者以外の方からの請求です。それで、その相談者の方が請求者のことに関してご相談をしている内容のことについて、そういった相談をされていることを知った請求者の方が、どんな内容の相談をしたのかを知りたくて開示請求をされたというパターンで、これにつきましても、その請求者以外の方の情報ですから、そもそも相談したかどうかということも含めてお答えできないということで、存否応答拒否という形になったものでございます。
    ご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。
    それでは、存否応答拒否につきまして、ご質問、ご意見をお願いいたします。この存否応答拒否は、情報公開条例、個人情報保護条例それぞれにありまして、その運用がどうなっているのかということでこの審議会に報告していただいてご意見などを伺うということで進めてきております。今回、情報公開関係で5件、個人情報関係で6件と、報告をいただきました。よろしいでしょうか。
  • 高橋委員
    存否応答拒否の理由というのは、いつも難しい。すぐにピンとくるものもありますけれども、なかなかピンとこない場合もある。今回の例えば2番の情報公開のものですね。これは、理由がわかる文書はありませんというふうに答えると何がわかってしまうということなんですかね。
  • 藁谷情報公開担当係長
    私服警察官の警察活動については、そもそも内偵捜査ですとか、捜査情報に関することでございますので、もしそこに文書があるとしてしまうと、警察官がそこで何かしらの捜査活動を行っていたということがわかってしまうと。私服警察官がいるかいないかということ自体が答えられないという部分もあるのですけれども、そういった捜査活動の内容がわかってしまうという部分で、存否応答拒否にしております。
  • 高橋委員
    ということは、理由がわかるような文書があり得るということなのですか。理由がわかる文書はありませんと言ったら、私服がいたかどうかも何もわからないわけですよね。
  • 藁谷情報公開担当係長
    はい,そうです。
  • 高橋委員
    しかし、そういう文書があり得るということで、だから答えるといけないという趣旨なんですか。
  • 藁谷情報公開担当係長
    なければいないということになって、警察活動はしてなかったということになって、あれば警察官が警察活動をしていたということになって。
  • 高橋委員
    警察活動をしていなかったことまでわかってはいけないのですかね。
  • 藁谷情報公開担当係長
    そうですね。私服警察官の警察活動なので、制服を着ていないと本来秘匿性を有するものという部分で、そこで警察が何かしらの情報収集活動をしていたか否かということ自体も答えられないと。
  • 副島情報公開担当課長
    この場合、「○○集会」という特定の団体がやっているイベントに対して、そこが捜査対象になっているかどうかというのを答えてしまうことになってしまいますので、この請求の内容で「○○集会」と、「○○」となっているのですけれど、これは特定の集会の名前が入っているのです。そこに私服の警察官が行って何らかの情報収集活動なりをやったのかどうかというのは、書類があればやったということがわかりますし、なければやってないということになってしまいますので、それはちょっとお答えできませんというような。
  • 高橋委員
    そうだと思いますけども、やってない場合やってないと言ってはいけない理由がよくわからないのですけどね。
  • 副島情報公開担当課長
    その団体、その集会が捜査対象になっていないということが逆にわかってしまうということですね。
  • 高橋委員
    しかし、それは公表すべきことではないのかなという気はするのですけどね。警察活動としてやってなければ。やっていることを公表するのは困るのだけれども。
  • 副島情報公開担当課長
    団体によっては、自分のところが捜査の対象になっているかどうかを知りたいという、警察からマークされているのではないかということを知りたいという、そういうところもありますので。
  • 高橋委員
    団体としては、それは知る権利があっていいのではないでしょうか。つまり、自分たちは対象になってないと、悪いことをしてないということを確認したいということがね、なぜ秘密にしないと捜査に差し障るのかという点がいま一つぴんとこない。
  • 副島情報公開担当課長
    捜査活動自体が公になっているような状況であれば、それは全然構わないと思うのですが、内偵段階というものもありますので、この場合にはそういうような状況に対する開示請求だったと。
  • 高橋委員
    内偵に関する文書がなかったからといって内偵してないという証拠になるわけではないですよね。文書がない。理由がわかる文書はありませんならば、たとえほかの文書があっても、その理由がわかる文書がないというだけで、それ以上何も公表してないということではないかなという感じがするのですけどね。ちょっとそこが、そう言われればそうかなという気もするし、いや、何でそこまで存否応答できませんというふうにやるのか。存否応答拒否というのは、これ拡大するとどこまでも拡大できるわけですよね。だから、かなり慎重に厳密にやる必要があるかなといつも思うものだから、ちょっとお聞きしたのですけども。
  • 副島情報公開担当課長
    当然、これは特例の制度でありますので、その点はしっかりと慎重に対応していきたいというふうに思ってます。
  • 堀部会長
    ご意見として伺っていただきたいと思います。確かに慎重にこれは扱うべきものですので、ここにこういう形で報告していただいて、そのことについて意見があれば出していただく、こういうことで進めていますので、引き続き厳格な運用をお願いしたいと思います。
  • 副島情報公開担当課長
    承知いたしました。
  • 中村委員
    5番ですけれども、これは、安全相談を受けているのかどうなのか、それも拒否しているということになるわけですね。いずれにしても、いろいろな形で、今生活を脅かすような問題が生じている、そういう事柄を警視庁で相談を受けているのか受けていないのか、その辺を答えないということになると思うのですが、それはどういうことでしょうか。
  • 藁谷情報公開担当係長
    相談の中でも、統計上出てきますような一般的な事柄については相談の有無、件数も含めお答えしている部分もあるのですけれども、本件につきましては、相談の内容に係る部分に入ってきて、かなり識別性が高くなると。で、相談のこの項目自体でも捜査情報に関連するような話もあるという部分で、2号、4号、あとは6号ということで存否応答拒否を行わせていただいておりますので、通常の、例えば一般的な公表されているような統計までを存否応答拒否にしているのではく、本件についてはこの文言を相談内容、個別の識別があるというような形で、実施機関のほうでは存否応答拒否をさせていただいた次第でございます。
  • 中村委員
    これは、だから特定の何かグループとかそういう問題に関わってくるわけですか。
  • 藁谷情報公開担当係長
    そうです。
  • 中村委員
    わかりました。
  • 堀部会長
    よろしいですか。
    それでは、次に移らせていただきます。

(5)番号法の成立に伴う今後の課題について

  • 堀部会長
    次は、番号法の成立に伴う今後の課題についてということで、この件につきましては高橋課長から説明をお願いします。
  • 高橋情報公開課長
    それでは、55ページをご覧くださいませ。資料6として社会保障・税番号制度の概要をつけております。A3ペーパーで2枚となっております。
    報道等でご存じのとおり、番号法案につきましては、旧法案が昨年2月に国会に提出されまして、衆院解散に伴いまして昨年11月に廃案となっておりましたが、本年3月に通常国会に再提出されまして、5月24日に可決、成立し、その1週間後の5月31日に官報により公布されました。この番号制度でございますが、東京都の個人情報保護制度にも大変大きな影響が予想されるところから、今回ご報告させていただくというものでございます。
    この資料6、55ページの資料ですが、国からの情報も少ない状況で、国から提供された資料を抜粋して作ったものでして、まだまだわからないところも多いのですが、概要としてまとめさせていただきました。
    まず、左上、制度の概要からご説明させていただきます。
    この番号制度というのは、社会基盤(インフラ)として整備していくものと位置付けられています。その効果としまして、正確な所得把握、行政事務の効率化、結果として国民の利便性の向上が期待されているところでございます。平成28年1月から個人番号の利用開始、そして29年7月から情報連携と申しまして、地方自治体でもこの番号を使って事業をスタートしていく、それが予定されているところでございます。番号制には2つの番号がございまして、個人番号と法人番号と2つございます。
    個人番号の方でございますが、こちらは区市町村長が全ての住民に対して番号を通知・指定するものでございます。希望者に対しては、個人番号が記載された顔写真付きのICカードを交付します。今の住基カードは顔写真ありなしを自分で選べることになっているのですが、個人番号では顔写真付きと決められております。利用範囲につきましては法律で規定されております。下にありますとおり、年金、労働、福祉、医療、税、防災関係、この6つの分野の類似の事務につきましては、条例で定めた場合にも利用可能というふうになっております。
    参考までに法人番号でございますが、こちらは国税庁長官が指定しまして、国の機関や地方公共団体、そしていろいろな会社、あとは社団などを含めまして、税法上の義務を負う法人が全て対象となっている。この法人番号につきましては利用範囲の制限がなく、民間でも自由に利用可能となっているそうです。
    右側の、情報連携のイメージ図を国の資料を抜粋したものをつけさせていただきました。簡単にご説明しますと、イメージ図の右下にあります住基ネット、この住民票コードを利用しまして個人番号を設定します。そこでつくられました個人番号、これを国で整備します情報提供ネットワークシステム、こちらで情報をやりとりして活用していく。そして、全自治体、1,800自治体ございますけれども、そちらと連携していくというものになっております。
    制度上の課題でございます。大きく3つありますが、まず、やはり最大の課題というのは、プライバシー侵害、成り済まし被害等の懸念があるということでございます。これに対しては、制度面、システム面の両面で高度な個人情報の保護措置をとっていこうということが定められております。アンダーラインのところにあります行政機関、東京都も含めて、こちらは特定個人情報保護評価、「PIA」と呼ばれるプライバシー等への影響評価を義務づけられております。いろいろなシステムを稼働させる前に、この個人情報がきちんと保護されているか、それを事前に評価していこう、それによって個人情報を守っていこうという仕組みでございます。また、国に特定個人情報保護委員会というものを第三者機関として設置しまして、こちらがさまざまなガイドライン策定とか、地方に対しての指導や助言なども行う予定となっております。
    また、特定個人情報、これが番号で一括してまとめられて管理するという仕組みではなく、一元管理ができない仕組みを構築する予定でございます。上のイメージ図のところに、各個人番号、各システムの行政機関が持っている個人番号の横に符号というものがあるかと思いますが、この情報提供ネットワークシステムの上で個人番号が直接行き来するというよりも、符号という一種の暗号というか、これを番号につなげるためのキー、これをやりとりすることによって一元的に個人情報を管理したり、また流出したりすることができないような仕組みを構築します。
    あわせて、イメージ図の右上のところに、また国で整備する予定のマイポータルという仕組みがございまして、こちらによりまして利用者それぞれの個人の方々が自分の情報について確認できる、そういう仕組みを提供する予定となっております。
    制度上の課題としましては、費用対効果が不明確ということ、その費用の地方への負担が想定されますので、そういう課題が想定されております。
    おめくりいただきまして、2枚目の56ページ、社会保障・税番号制度の導入に向けた課題への対応ということで、この番号制度、1つの所管だけではなく東京都のいろいろな制度、システムにも多大な影響を与えるということが考えられております。この上のところにありますとおり、やはりこの制度導入に対応するためには全庁的な検討、調整が必要だろう、そして、時間も27年度にスタートするということになりますと、26年度、来年度にはもうさまざまなシステムの整備等に準備を進めていかなくてはいけない、そんな状況にございます。そのため、東京都としましても、この関係部局によりまして全庁的な検討体制を構築したところでございます。
    全庁的検討体制として、中ほどのところにございますとおり、関係各局を集めまして、社会保障・税番号制度の企画調整会議を立ち上げました。こちらは、総務局の行政改革推進部が音頭をとってやっているところでございます。
    それぞれの課題ごとに、今のところ4つのプロジェクトチーム等を設置しました。一番上が、番号制度の活用検討プロジェクトチームということで、例えば、先ほど申し上げました条例で定めることによって、独自利用が可能なのですが、そちらの検討であるとか、または、マイポータルや法人番号の活用についても検討するものでございます。
    2つ目のプロジェクトチームが、特定個人情報保護検討プロジェクトチーム、こちらの座長を生活文化局の情報公開課で担っているところでございまして、個人情報保護評価の実施方法だとかセキュリティーや手続を検討するということになっております。
    3つ目は、情報システム基盤の検討のプロジェクトチーム。やはり全ての関連するシステムになると膨大なものとなっておりますので、そちらを検討するチームでございます。
    最後は、宛名情報と申しまして、各システムそれぞれで宛名の情報を持っているわけですが、それを管理したり、名寄せしたりする、そちらを検討するワーキンググループとなっております。
    今後のスケジュール、一番下をご覧くださいませ。
    今申し上げました企画調整会議とプロジェクトチームを設置しまして検討を進め、なかなか情報が少ないところなので、検討も難しいところがございますが、来年度に向けた予算要求に向けて取り組んでいるところでございます。
    スケジュールの中央から右側のところにありますとおり、国の方で特定個人情報保護委員会というものが25年度後半に設置が予定されています。今のところの情報ですと、早くても26年1月というような話なのですが、この国の委員会が設置されて初めて、例えば、具体的な保護評価の仕組みだとかガイドラインだとかそういうものが決まっていきますので、それで具体的なところがわかったところで、多分26年度にこの個人情報関係の条例の改正ですとか、そして、各システム、制度を構築するに当たって特定個人情報保護評価というものをすることになるかと思われます。
    この特定個人情報保護評価、やり方も含めてなかなかわからないところもあるのですが、第三者機関に諮問するという仕組みになっていますので、その場合にはこちらの個人情報保護審議会のほうにご協力いただくことも想定されるところでございます。
    この条例改正、そして保護評価につきまして、今後、委員の皆様方にご意見いただき、ご審議いただく機会も出てくるかと思いますので、その際にはぜひご協力のほどよろしくお願いいたします。
    簡単ではございますが、説明は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。社会保障・税番号制度が法律で導入されることが決まりまして、それが地方公共団体に与える影響というのはかなり大きいものと思われます。今日その概要といいますか、対応の仕方などについてもご説明いただきましたが、今後、個別の問題で委員の方にご意見を伺うこともあろうかと思います。今日の段階では、ただいまの高橋課長の説明につきまして、ご質問、ご意見を少しお出しいただければと思いますが、どうでしょうか。この社会保障・税番号制度そのものについても、余り知られてないところもあろうかと思いますので、そのあたり含めて、どうぞご質問などをお出しください。
    ちょっと私から質問させていただきたいと思いますが、56ページにあるそれぞれのプロジェクトチームでは、既にいろいろ課題とか論点とかは出てきているんでしょうか。
  • 高橋情報公開課長
    正直言って、課題だらけというような状況でございますが、国の政省令なども含めましてその調整が7月以降ということで、今まさに国の方が検討している状況でございまして、まだその事務作業であるとか、システムの仕組みがわかりませんので、想定の想定で手探りで検討してる状況でございます。
  • 堀部会長
    そうですか。
  • 高橋情報公開課長
    ただ、その一方で時期が決まっておりますので、できることから模索している状況でございます。
  • 堀部会長
    特に、高橋課長が主宰する特定個人情報保護検討プロジェクトチーム
    の責任者ということだそうですが、そこでの課題というのはこの55ページなどに出ているような問題なのでしょうか、今のところ出てきてますのは。
  • 高橋情報公開課長
    特に個人情報で申し上げますと、個人情報の保護評価という新しい仕組みについて、我々は、個人情報をどう保護するかや、システムの評価だというのは、行政としても経験はあるのですが、個人情報の保護評価という新しい取組みをスタートしなくてはいけない。そしてまた、これは東京都のシステムは個人情報を扱う件数が多いということもありまして、ひとつひとつについてISOのような形で評価をしていくわけなのですが、この事務作業がかなりの規模になるのではないかと想定されています。また、この各システムや制度を主管しているところが保護評価をした上で、これを何らかの第三者機関に諮問して確認をとる、そしてこれを公表するという流れになっておりますので、その辺の事務量というか作業的なものが大きな課題として浮かび上がっているところでございます。
  • 堀部会長
    そうですか。
  • 藤原委員
    今のPIAの話は、自治体に膨大と言ってもいい数の事務があるのですけども、私、ここのところまだ何にも聞いてないのですけども、国は詳細に決まってないと言うそうですけども、既存不適格的な考え方はとってないのですか。いや、建築基準法だとね、新しいものができたら、既存のものは、建て直すときや更新のときに新しい基準に上げて全体的にレベルアップしていきますよね、時間をかけて。何かここの書き方だと、一斉に全部やれというふうに聞こえるのですけども、それはしかし後ろは決まっていて、何となく現実的なのだろうかと思って、その既存不適格的な考え方はとっているのかいないのか、ちょっと気になったのです。
  • 高橋情報公開課長
    まさに藤原先生のおっしゃるとおりでございまして、そこが我々も困っているところなのですが、今現在の公表されている国からの情報によりますと、基本的にはこの番号法で、この個人情報、番号を使うことになるときにPIAを全てやれということ。また、この取り扱う事務を変更する際にも、やはりちゃんと評価をし直せとなっておりますので、対象事務数として、評価の対象とするなら事務量は大きくなるのではないかと考えられております。
  • 堀部会長
    よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
    では、この件につきましては、引き続き問題を提起していただいて検討していくというふうにしたいと思います。自治体との関係、自治体により大きな影響を与えることははっきりしているのですが、それをどうしていくか、国の事務局でもその明確な方針が出ているようには見えませんので、恐らく今後また自治体の側から問題提起して、それに対して国の方でもそれにどう対応するかというようなことで方針を明らかにしていく、こういうことになるのだろうと思います。ですから、ぜひ東京都でいろいろ問題を出していただいて、それを提起していただくというのが、日本全国の自治体にとっても大変重要な意味を持ってくると思いますので、ぜひそのようにしていただければと思います。
  • 高橋情報公開課長
    ありがとうございます。ぜひこの問題につきましては、先生方のお知恵を拝借させていただきながら、またいろいろご協力いただきながら、何とか東京都としても取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 堀部会長
    ですから、また個別にどうぞいろいろと……
  • 高橋情報公開課長
    ありがとうございます。
  • 堀部会長
    問題を出していただいてということで進めていきたいと思います。ありがとうございました。

(6)個人情報保護制度に関する運用上の課題について

  • 堀部会長
    それでは、次が、個人情報保護制度に関する運用上の課題ということで、これにつきましては高野係長からお願いいたします。
  • 高野個人情報係長
    個人情報保護制度に関する運用上の課題についてということで、本日は死者の個人情報の取扱いについてご報告とご提案をさせていただきたいと思います。
    死者の個人情報の取扱いですが、死者の個人情報を個人情報保護制度上で開示請求するというような事例がございます。これは、既に亡くなられた方の個人情報について、その遺族や関係者の方が開示請求を行うケースのことをいいます。このような死者の個人情報の取扱いにつきましては、これまでの都における状況でございますけれども、平成9年3月に東京都個人情報保護委員会が取りまとめました「死者の個人情報に係る開示請求の取扱いに関する報告書」ということで、59ページをご覧いただきたいと思いますが、この報告書についての概要を取りまとめたものでございますけれども、この東京都個人情報保護委員会は、当時、塩野宏委員長のほか、今、本審議会の会長でいらっしゃいます堀部先生も委員長代理としてご参加されていらっしゃいましたその委員会で、先ほども申し上げました報告書を取りまとめていただきまして、その報告書の内容に従いましてこれまで運用をしてきたところでございます。
    その報告書におきますこの死者の個人情報に関する開示請求の取扱方針につきましては、59ページの下段に書かれている、基本的な考え方という内容のところで、これまで整理されてきているところです。
    ご案内いたしますと、死者の個人情報のうち、請求者自身の個人情報であると考えられるもの及び社会通念上、請求者自身の個人情報とみなし得るほど請求者と密接な関係があるものについては、条例に基づく開示請求の対象として認めているということで、具体的には4つの場合を挙げていただいております。
    1つ目といたしまして、請求者が死者である被相続人から相続した財産に関する情報、2つ目といたしまして、請求者が死者である被相続人から相続した不法行為による損害賠償請求権等に関する情報、3つ目といたしまして、近親者固有の慰謝料請求権や遺贈など、死者の死に起因して、相続以外の原因により請求者が取得した権利義務に関する情報、4つ目といたしまして、死亡した時点において未成年であった自分の子供に関する情報、この4つのケースにつきましては、請求者自身の個人情報であると考えられる、又は、社会通念上、請求者自身の個人情報とみなし得るほど密接な関係があるものということで、条例に基づく開示請求の対象としたところでございます。
    一方で、60ページをご覧いただきたいのですが、それらの4つ挙げさせていただきました事例に関しましては、実際に請求する際に、非常に厳格な請求要件がございまして、例えば、死者の財産に関する場合であれば、死者の財産が請求者に帰属していることが確認できるものということで、不動産の登記事項証明書であるとか、それから先ほどあった損害賠償請求権等に関する場合については、死者が損害賠償請求権等を取得していたことが確認できるものとして、示談書であるとか、又は3)の(2)にございますとおり、示談書や和解書や裁判所の確定判決書など、当該権利がきちんとその方に帰属していることを、請求を受ける行政として明確に確認できる内容のものを提示してくださいというように、非常に厳格な請求要件が定められてきたところでございます。
    57ページにお戻りいただきたいと思います。このような運用を行ってきた中で、しかし、その請求が認められる基準に該当しない内容のものも多く、報告書においても、個別の事情により遺族等に開示することが適当であると判断される場合には、条例の手続によることができなくとも可能な限り情報提供に努めることが必要とされているところから、実施機関が独自の基準を設けて情報提供を行うことで対応しているケースが存します。例えば都立病院におきましては、厚生労働省の診療情報の提供等に関する指針の考え方に基づきまして、都立病院における診療情報に関する指針を作成し、適切な情報提供を行っているところでございます。平成24年度には、この考え方に基づきまして、17件の情報提供を行ったと報告を受けております。また、消防庁におきましても、同様にその救急活動記録に関しまして独自の基準を設けて情報提供を適切に行ってきたところでございます。
    このような状況の中で、57ページの1の(2)でございますが、外部からの要望ということで、平成24年度に、東京を中心とした患者側弁護士約250名の団体である医療問題弁護団から、遺族による救急活動記録票開示請求に対する運用を、従来の厳格なものから弾力的なものに改めてほしいということで、要望を受けたところでございます。この要望書につきましては、既に各委員の方々に事前に郵送させていただいたところでございます。
    このような要望も24年度にあった中で、(3)の判例・答申の状況でございますけれども、東京都の答申につきましては、遺族による死者の個人情報の開示請求について、過去に非開示妥当、対象外の分があるということも含めて、非開示妥当とした例が1件ございます。これは救急活動記録票でございまして、この救急活動記録票というのは、救急車に乗って実際に医療機関まで搬送される最中の乗っている方のもろもろの状態等が記録されている内容の文書でございます。そうした救急活動記録票について、過去に、まず遺族による死者の個人情報の開示請求について開示対象外が妥当とした例が1件あるほか、平成24年度、つい前年度でございますけれども、審査会の中で、直接死者の個人情報の開示請求ということで判断したものではありませんが、死者の個人情報の開示請求として都の運用上認められるケースに該当すると申立人の代理人である弁護士が主張した例が1件ございました。その他、横浜などにおきましては、死者の個人情報の請求を認めなかった例などの答申がございました。
    また、判例といたしましては、下級審において、一部、死者の個人情報に関する請求を認めた例はありますが、上級審においては、生存する個人を対象とした条例の定義の中で、死者の個人情報の請求について明確に認めた事例は見当たらないような状況でございます。この辺の詳しい内容につきましては、62ページ、63ページにまとめておりますので、参考にご覧いただきたいと思います。
    58ページにお戻りいただきたいと思いますが、今回のご提案、ご報告の内容につきましての課題なのですが、前述いたしました報告書では、この問題につきまして、制度上の課題として引き続き検討していくことが望ましいとされております。ご報告をいただきましてから、もう15年以上経過したという状況、それから、情報提供もそれなりに行われている中で、改めて一定の方向性というものをこの辺で整理すべきであろうということで、今回このような形でご報告とご提案をさせていただいているところでございます。
    その内容につきまして、まず(1)ですが、個人情報保護法との関係で見た場合、個人情報保護法では、第2条の定義におきまして、個人情報とは生存する個人に関する情報であると規定されているところです。同様に、(2)にございます、東京都の個人情報保護条例でございますけれども、これも第2条の定義におきまして、個人情報とは生存する個人に関する情報であると規定をしております。また、同12条では、開示を請求できる者ということで、自己を本人とする保有個人情報を開示請求できると規定しているところです。
    このような定義の中で、現在の運用は、やはり生存する個人に関する情報である以上、死者の個人情報に関する請求を直接認めるという形ではなく、あくまで、先ほど出てきた4つのケースにつきまして、極めて限定的に、自己の保有個人情報と同視するとみなして請求を認めているという運用になっているところでございます。このような運用の中で、その条件に当てはまらないようなものに関しては、各実施機関におきまして個別判断により、それぞれの独自の基準等に基づき適切にこれまで情報提供を行ってきたという実態がございます。
    このような中で、検討の方向性のご提案の内容なのですが、まず、死者の個人情報を正面から条例上何らかの措置をするという場合には、明らかに、現在の定義、個人情報保護条例の2条にあります生存する個人に関する情報という制度の根幹にかかわる部分を変更せざるを得ないというような状況もございますので、そのようなことを考えると、個人情報保護条例に関して何らかの改正を行うという形ではなくて、情報公開、情報提供を推進する一環として、各実施機関が判断の参考となるような一定の基本的な考え方、ガイドライン的なものを作成した上で、それぞれ実施機関が引き続き適切な情報提供に努めていただくようにしていったらいかがかと考えて、今回ご提案をさせていただいた次第でございます。
    とりあえず、ご報告は以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。死者の個人情報の取扱いにつきましては、ただいま高野係長から説明がありましたように、東京都でも以前大きな問題になりまして、検討いたしました。今それについても触れていただきましたけれども、その後の状況を今伺ってわかりました。といいますか、私もそのときも関わったものですから、その後もこういうことで外部からの要望なども出ているということもわかりましたので、これらについては検討していく必要があると思います。どうぞ、この段階でご質問、ご意見をお出しいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  • 藤原委員
    もう検討しておられると思うのですけども、ここは「個人情報保護法」と書いてありますけども、行政機関等の個人情報保護法の答申の中には、相続関係であるとか、労災関係ですね、ある程度整理はつきつつあるので、それも、この基本的な考え方のときには参考になるのではないかと。
  • 高野個人情報係長
    ありがとうございます。
  • 堀部会長
    ほかに何かありますか。
  • 高橋委員
    ちょっと確認したいのですけども、死者の個人情報も、情報公開の方の個人識別情報に該当しているということになっているんですか。はっきり覚えていないけれども。今ふと個人情報で請求した場合は規定がないと、情報公開でいったらどうなるのかなと思ったものですから。
  • 高野個人情報係長
    情報公開条例には、個人情報というのは7条2号の条文に出てくるものですが、そこに「生存する個人」というような明記はされておりませんので、死者の個人情報につきましても、特定の個人が識別される限りにおいては、7条2号により非開示となると考えられます。
  • 高橋委員
    わかりました。
  • 堀部会長
    情報公開条例での場合、誰でも請求できるといいますか、一定の条件はありますけども、そうするとかなり広く個人情報として非開示にすることにはなると思いますが、請求はできても実際には開示は非常に難しいという状況にはあるわけでしょうね。
  • 高野個人情報係長
    もともと情報公開条例の場合には、東京都の場合、個人情報保護条例をつくった関係で、情報公開条例の中での自己情報の開示請求は、個人情報保護条例で請求するように整理するという形になっておりますので、情報公開条例の中で問題となる場合には、あくまでその死者の本人性の問題ではなくて、第三者が請求したという前提において、死者も特定個人が識別される限りにおいて、個人情報として7条2号により保護されるという考え方になると思います。
  • 堀部会長
    では、引き続き検討していくということで、今後の審議会ではこれも一つのテーマになるということですね。
  • 高野個人情報係長
    今後、次回以降、先ほど申し上げました情報提供における基本的な考え方について、改めてその内容を引き続きご提案等させていただきまして、ご審議いただきたいと考えております。
  • 堀部会長
    ということで、今日はこういう問題があるということでご説明いただきました。今後、またぜひ検討していきたいと思います。
    それでは、次に移らせていただきます。
  • 高野個人情報係長
    次は、取扱事項一覧の最後のご報告になります。
  • 堀部会長
    お願いします。
  • 高野個人情報係長
    資料8、65ページをご覧ください。保有個人情報取扱事務届出事項(新規開始事項)につきましてのご報告になります。
    平成24年7月から平成25年5月までの開始分につきましては、ご覧のとおりでございまして、既にそれぞれの先生方にご送付させていただいているとおりでございまして、その内容につきまして意見が付されたものは特にございませんでしたので、その旨、この場でご報告させていただきます。
    以上でございます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。これは、その都度送っていただいて、各委員から意見を出していただくということでしたが、余り意見がなかったということで、こういう形で件数は上がっているわけです。よろしいでしょうか。
    今のがその他ということでよろしいですね。
    では、今後の予定等につきましてご説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  • 高橋情報公開課長
    今後は、先ほどご提案しました死者の個人情報についての議論を進めていくとともに、番号法についてもちょっと今の状況ではなかなか国からの情報が少ない状況ですので、審議が進められないのですが、こちらについて、今年度後半にぜひ開催させていただきたいと思っているところでございます。また日程等につきましては、先生方と相談させていただきます。
  • 堀部会長
    ありがとうございました。

(7)その他

  • 堀部会長
    では、委員の方、何かご質問、ご意見などあればお出しください。
  • 中村委員
    その他のことになりますけれども。情報提供ということで、今年度中に大量請求問題がかなり処理されるという方向はわかったのですが、個人情報の方の、担当者の大変な負担になる問題というのは、どのように今考えられていくのでしょうか。大量請求、繰り返し請求といいますか。
  • 高橋情報公開課長
    権利の濫用については、先生方にもご議論いただいたところではございますが、なかなか繰り返すから請求を認めないというわけにはいかないところは現状としてございます。ただ、場合によっては、余りにも条件が満たないものなどは却下にするなども含めまして、適宜適切に対応し続けている、そんな状況ではございます。
  • 中村委員
    現場の負担というのが大変な状況であるというふうにずっと伺ってきた、しかも処理というのが喫緊の問題であると伺っていたので、いつの間にかそれが、解消されたのか、これは仕方のないものとして、現場の負担のままになっているのかというところで伺ったわけです。
  • 堀部会長
    前回も報告していただきましたが、なかなか難しい問題でして、条例上は権利として請求してきますので、制限するというのも難しいですし、また、実際の対応で、窓口では苦労されているという話も伺いましたので、それはまた、具体的にどう対応するのか、現場の状況なども伺いながら考えてみたいと思います。ということでよろしいでしょうか。
    では、ほかに何かございますか。事務局のほうは何かありますか。
  • 梅田都政情報担当部長
    特にございません。これで結構です。
  • 堀部会長
    そうですか。それでは、本日出ましたような幾つかの課題は今後引き続きご検討いただくということになりますので、よろしくお願いしたいと思います。

5 閉会

  • 堀部会長
    それでは、本日の会議は以上で終わらせていただきます。
    どうもありがとうございました。

午前11時44分 閉会

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